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スーツ衣替えのコツについて、まとめてみました

投稿日:平成28年(2016) 10月9日 

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10月に入り、涼しい日が多くなってきました。皆さんは衣替え、終わりましたか?

今回はこの時期多くなるスーツの衣替えについて、実施する上でのコツを整理してみました。

1.夏服と冬服を見極める

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基本的な話ですが、衣替えは季節の移り変わりに沿って、これまでの季節と次の季節の服を取り替える作業です。

そこでまずは、(スーツを着慣れた方は大丈夫だと思いますが)夏服と冬服の違いを簡単に整理したいと思います。

生地の素材

一般的に、モヘアや麻、コットン等の夏素材が使われた服は夏向けであることが、カシミアやビキューナなどの獣毛であれば冬向けであることが多いです。

生地の厚さや織り

厚く重い生地は冬向け、軽く薄い生地は一般的に夏向きです。

特に、ポーラ(フレスコ)などのザックリとしたシャリ感がある生地は通気性が高く夏向き、ツイードやフランネルなどの厚みがあって起毛している織りは温かく冬向きです。

裏地やボタン

本項冒頭の写真のように裏地が一部にしか無い「背抜き」は主に夏向き、全てに裏地がある「総裏」は冬向きとされています。(ただ、海外製品は夏用でも総裏になっていることもあります。)

また、貝ボタンも夏用の服に多い装飾です。

参考記事

夏服と冬服、そして(春秋用の)合い服の違いについて、以前書いたことがありますので、より詳しく知りたい方は下記をご覧下さい。

 

2.時期を上手に選ぶ

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続いて、衣替えを行う時期についてです。

かつて、冬服から夏服への衣替えは6月頭に(明治維新以前は4月)、夏服から冬服へは10月頭に行われていました。しかし、冷暖房設備の発達や、都市部のヒートアイランド現象などによって、適切な時期はまちまちになっています。

また、スーツ自体も、かつては夏服、合い服、冬服などに分かれていましたが、3シーズン用や4シーズン用など、多様化しているのが現実です。

「最高気温25℃」が分水嶺

そこで、日中の最高気温25℃というのが大まかな目安になります。

最高気温が25℃よりも低ければ、通勤時間帯は20℃を下回ることもあり、夏服では肌寒いでしょう。

そして、25℃を超えれば「夏日」ですから、世間も夏が来たという雰囲気になるため、夏服を取り入れ易くなります(ニュースや天気予報でも、喧伝されるはずです)。ファッションは雰囲気としての季節に合わせることも大事ですから、体感温度以外にもこういった合わせ方も重要です。

なお、お住まいの地域がいつ頃夏日になるか等は、過去の最高気温情報(日本気象協会)や、長期予報(同)などからおおよその時期を類推することが出来ます。連続して夏日になるような時期はいつ頃かを見ると良いと思います。

遅れるよりも先取り

ただ、いつまで経っても暑く(寒く)ならないとか、寒かったり暑かったりする日が続くとかいうのが現実では多いことでしょう。

そんなとき――これは個人の感覚や、育った地域にもよるので、異論があるかもしれませんが――私の場合は「迷ったら先取り」がポリシーです。

同じ夏の格好でも、境目である「春の終わり」と「秋の初め」の2つを比較すると、私としては「春の終わりに夏の格好」の方が粋に感じます。

ですから、先取りによって寒ければ防寒下着で、暑ければ袖まくりなどで、あとはやせ我慢で対応しています。

参考記事

衣替えの時期についても、以前詳しく考えた事がありますので、気になる方はご覧下さい。

 

3.クリーニングを上手く使う

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衣替えと一緒に行うと良いのが、クリーニングです。

一見汚れていない様に見えても、スーツには食事の際についた油の飛沫、カビの胞子が含まれる泥や埃、本人の皮脂や汗などが、どうしてもついてしまうからです。

これらは、オフシーズンの長期保管中に、落ちにくい汚れに変化します。そのため、最低1シーズンに1回のクリーニングがお薦めです。

なお、クリーニングのしすぎはかえって服を傷める恐れがあるので、注意します。

保管クリーニングの活用

もう一つ、クリーニング業者によっては、オフシーズンの保管を代行してくれるところや、そもそも保管クリーニングを掲げているところがあります。

オフシーズンの服が嵩張って、その季節に着られる服の数を減らすのはもったいないので、できれば活用したいところです。

ただし、オーダースーツをする方は、一番最後に作ったスーツはオフシーズンでも自宅に置いておくことをお薦めします。これは、次回その店でオーダーするときに、前回のスーツを着ていくことで、改善点を見つけやすく、また変更点を伝えやすいからです。

参考記事

クリーニングや、クリーニングのタイミングについては、下記の記事で過去に言及しました。

クリーニングに出す前のチェックポイントもあります。

また、保管クリーニングについては、今年の春に記事を書きましたので、興味があったらご覧下さい。

 

4.仕舞う前に一手間かける

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オフシーズンの服をクローゼットにしまう場合、いくつか注意があります。

事前にクリーニングする

前項でも言及しましたが、まずは事前のクリーニングがお薦めです。これは、シーズン中についた汚れを固着させないため、また虫喰いの原因になる虫の卵や、カビをクローゼットに持ち込ませない為です。

クリーニングのビニールカバーは必ず外す

クリーニングからかえってた服を仕舞う場合、必ずカバーを外します。これは、カバーでスーツが密閉されてしまい、湿気や溶剤の残りが中に滞留して服が傷むのを防ぐためです。

ただし、値段が高めのクリーニング店では、不織布のカバーを掛けてくれるところがあります。この場合は通気性が確保できるので取り外しは不要です。

手入れを念入りにする(やむを得ずクリーニングしない場合)

クリーニングによって生地の質感が大きく損なわれやすい材質(カシミア、ビキューナ、一部の高級ウールなど)もあります。

このような素材を使った服で、目立った汚れがついておらずクリーニングをしたくない場合は、念入りに手入れをしてから仕舞います。

基本の流れは以下の通り。(晴れた、比較的乾燥した日に行うのがお薦めです。)

  1. ブラッシングで、ホコリを良く落とします
  2. 固く絞った布巾で、襟口、袖口、ボタンの回りなど、肌が触れやすいところの皮脂を取り去ります
  3. スチームを軽くあてた後に一晩風通しの良いところで陰干しをします
  4. 不織布のカバーを掛けて、クローゼットに仕舞います

 

5.保管中は虫喰いとカビに気をつける

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シーズンオフの服をクローゼットにしまっているとき、一番怖いのが虫喰い、次いでカビです。

虫喰いは高い服からやられる!?

虫喰いは、本当に高い服からやられます。高い服ほど(一般的に)細い糸を使った生地を使っていますが、繊維が軟らかいため、先に喰われやすいらしいのです。

また、カシミアなどの獣毛も軟らかく、かつ外に出す機会が少ないので餌食になりやすいと言われています。

防虫剤は使い方に気をつける

虫喰いは防虫剤で防ぐことが出来ますが、使い方に注意する必要があります。簡単にまとめてみました。

  • 有効期限に気をつける
  • クローゼットの高い位置に置く(薬剤が上から下に流れるので)
  • 頻繁な開閉は避ける(防虫効果を弱めるので)
  • 服と服の間はなるべく余裕を持たせる
  • 衣替えの際にはクローゼットを掃除する

3つめは意外と難しいですよね。特に、普段使いしているクローゼットだと開けないわけにはいきません。

ですから、シーズンオフ用のクローゼットを用意するか、難しい場合は、特定の服を集中して防虫する防虫カバーの利用がお勧めです。

参考記事(防虫剤)

防虫剤については、過去に詳しく採り上げていますので、興味のある方はどうぞ。

カビ防止は除湿と適度な空気の入れ換えが重要

スーツも、湿度が高かったり、食べ残しや土汚れがついていたりすると簡単にカビます。

ただ、軽いものはクリーニングすることで殆ど取ることが出来るため、虫喰いほど深刻ではありません。しかし、クローゼットそのものがカビると、簡単に再発する様になるため、予防が重要です。

一番手っ取り早いのは、室内(クローゼット内では無い)の除湿です。エアコンや除湿機(連続排水が出来るタイプがお薦め)を使います。

これが難しい場合は、クローゼット内に除湿シート/ポットや、調湿木炭などを配置して、湿度を上げないようにします。

参考記事(調湿・除湿)

除湿や調湿用木炭についても、何度か話題にしていますので、こちらも興味がありましたらご覧下さい。

 

6.おわりに

衣替えは、服の数が多くなると結構大変です。ただ、季節感はファッションの重要なポイントの一つだと思いますので、楽しみながらスマートに実施したいですね。

みなさんが実践している、衣替えTipsがあれば、是非教えて下さい。

 

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