考察

結婚式にボタンダウンシャツはあり?

投稿日:平成28年(2016) 10月2日

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ボタンダウンシャツは、お持ちですか?

私はジャケパンやノーネクタイなど、比較的カジュアルな装いで活用することが多いのですが、先日出席した結婚式で、ボタンダウンシャツをお召しの方が何人かいらっしゃいました。

「カジュアルなボタンダウンシャツは式典には相応しくない」云々という話は色々なところで見聞きします。

しかし、なぜ相応しくないのか、どういった場所ならば良いのか、そしてボタンダウンの良さは何かなど、もう少し検討の余地があるのでは無いかと思います。

そこで今回は、ボタンダウンシャツについて考えてみることにしました。

 



1.ボタンタウンシャツとは

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ボタンダウン(button-down)とは「ボタン留め」という意味で、襟をボタン留めにしたものをボタンダウンカラー、その襟を採用したシャツをボタンダウンシャツといいます。

出自

ブルックス・ブラザーズが、ポロ競技選手が着ていたシャツをヒントに、20世紀初頭に初めて製品化したと言われています。(いわゆるアイビー世代にとっては、アイビーのシンボル的シャツとされているようです。今でも、その世代の方々がボタンダウンシャツを着ているのを、高確率で目撃します……。)

そのため、どちらかというとスポーティで、活動的な印象のシャツ、とされています。

ノータイで襟先が安定する

見た目のスポーティさの他にも、重要な利点があります。

通常のシャツ襟の場合は、ネクタイ着用を前提としているため、ネクタイを外すと襟が崩れやすいですよね。

一方ボタンダウンシャツは、ネクタイが無くてもボタンによって襟先が固定されているため、襟が常時安定しているという特徴を持っています。

この点は夏場のノーネクタイスタイルでも活躍する、実用面でボタンダウンシャツが優れていると感じる部分です。

 

2.結婚式とボタンダウンシャツ

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それでは早速、なぜ結婚式にボタンダウンシャツは相応しくない、とされているのか考えてみます。

畏まった装いには、スポーティさは不向き

結婚式や披露宴は、クラシカルな盛装が求められます。 これは、結婚式が単なる「お祝い会」だけでなく、式典としての要素が大きいからですよね。

従って、畏まった要素を低減させる、スポーティさは取り入れない方が良いという判断が出来ます。

このことからボタンダウンシャツは結婚式に相応しくないと言われることが多いようです。

※ 以前、披露宴の服装について扱った記事を書きましたので、この点について詳しく見たい方はご覧下さい。

二次会やカジュアルな結婚パーティには良いかも

一方で、畏まった印象が不必要(不向き)な二次会や、飲食店やホテルのラウンジで行われる結婚パーティには、スポーティな雰囲気のボタンダウンが活躍することでしょう。

特に、会の趣旨や店、メンバーからカジュアルな服装が予想される場合、だらしなくさせずにドレスダウン出来るディテールなので、重宝します。

ボタンダウンがフォーマルウェアになる日?

少しひねくれた考えですが――「ボタンダウンはスポーティな印象」というのは、果たして普遍(そして不変)の法則なのでしょうか。実際は違うかも知れません。

というのも、ボタンダウンがスポーティな衿型とされるのは、本当は(前言を翻すようで恐縮ですが)「ボタンダウンの出自がスポーツ関連だから」ではないと考えています。

理由や由緒は信憑性を高める物語に過ぎず、直接的な要因は「皆がスポーティな衿型と認識しているから」ではないでしょうか。単なる紙切れを1万円札と大切にするのと同じですね。

現在のスーツはかつて「ラウンジスーツ」と呼ばれ、つまりは部屋着だったわけです。しかし今ではオフィシャルなシーンにぴったりの服装になっています。この様に、この手のファッションに対する認識は、時代や社会背景によって常に変わります。

この先ノーネクタイ化がさらに進み、ノータイでも襟が綺麗に見えるボタンダウンが重用され、いつの日か畏まった装いに相応しいとされる日が来るかも知れませんね……。(その時はジャケットすら時代遅れになっているかも……。)

 



3.ビジネス用途とボタンダウンシャツ

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続いて、私たちビジネスマンが、ボタンダウンシャツを日々のビジネス現場に取り入れる際に気をつけるべき事を考えてみます。

スポーティであることを利用する

堅苦しい雰囲気が嫌われがちなセミナーや勉強会への参加、そもそもカジュアル化が進んでいるIT業界や出版・広告業界、真夏の内勤など、スポーティであることが好印象に繋がる場合はお薦めです。

ノーネクタイで活躍

ボタンダウンは衿が立つので、ノーネクタイでもシャツが綺麗に見えます。冒頭で少し言及しましたが、ノータイでジャケットを着た際に襟が崩れることが無いため、重宝します。

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上の写真は、ワイドカラーのシャツにジャケットを着せたものです。一見まともに見えますが、このスタイルは、少し動いただけで……

 

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この様に、簡単に襟がジャケットの中に沈み込んでしまいます。結構格好がわるいですよね……。

ボタンダウンシャツであれば、この様なことは起きません。

ボタンを見せたくないが、襟を立たせたい場合

ボタンを見せたくないが、襟は立たせたい。そんなときは「スナップダウン」か、「隠しボタンダウン」がお薦めです。

スナップダウンシャツ

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上の写真は、ボタンダウンでは無いのに襟が立っています。仕掛けは襟の裏にあって……

 

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このように、スナップで留められるようになっています。オーダーシャツでしか見かけない仕様ですが、興味のある方はシャツを注文する際に、スナップダウンに対応しているか確認してみて下さい。

隠しボタンダウンシャツ

金属パーツは使いたくないという方にお薦めなのがこちら。

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上の写真もボタンが無いのに襟が立っています。

 

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種明かしはこちら。襟の後ろにループがついており、これをボタンで留めていたわけです。

スナップダウンに比べて、若干襟が浮きやすいというデメリットが有るものの、こちらの方がクラシカルな雰囲気になります。

いずれも、「日中タイドアップしたいが、夜、飲み会などでタイを外したい。しかしボタンダウンはイヤだ……」などというシーンで活躍すると思います。

 

4.スリーピースとボタンダウンシャツ

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これは完全に個人の好みの問題なのですが――私は三つ揃い(スリーピース)にボタンダウンを合わせることはしません。

クラシカルとスポーティのちぐはぐ

一つ目の理由は、スリーピースがクラシカルなイメージのコーディネートなのに対し、スポーティなボタンダウンを合わせてしまうと、ちぐはぐな印象になると考えるからです。

襟がスッキリしない

二つ目は、シャツ襟に重なるウェストコート(ベスト、ジレ)の襟が、ボタンとぶつかってガチャガチャした印象に見え、単純に格好が悪いと考えるからです。

ウェストコートに上手くシャツの羽根が仕舞われると美しいのですが、その点が台無しになってしまいます。

また、ウェストコートはフロント部分のボタンが多いため、シャツのボタンが加わることでボタンだらけにも見えてしまいます。

とはいえ、最後は個人の自由

ここ最近、三つ揃いブームの影響か、雑誌の表紙などでスリーピースとボタンダウンを合わせている写真を見ることが多くなりました。(さすがにスーツ中心のファッション雑誌で見たことはありませんが……)

紳士服に興味が無い層からすると、三つ揃いはなんとなく「お洒落度が高い服」くらいの印象しか無く、そしてボタンダウンもその出自やウェストコートへの襟のおさまりなど関係ないことなのかも知れません。

色ステッチや大量のボタンがついたシャツに見られる様に、装飾が増える=お洒落という認識が、一部には根強くあるようです(私はその考えに反対しますが)。その点に立つと、スーツにウエストコートを加え、シャツ襟にボタンを加え、ジャケットに「ラペルピン」を加え……というお洒落が成り立つのだと思います。

まぁ、ファッションは礼儀や自身の考えを表現するツールという面がある一方、自分の着たい物を着て楽しむという面もあります。最低限のマナーさえ守れば、この程度の組み合わせは最後は個人の自由でしょう。(身も蓋もない話ですが^^;)

 

5.最後に

ボタンダウンを愛するアイビー世代の単語として「ボタンレス・ボタンダウンカラー」という言葉があるそうです。 ボタンがついていないボタンダウン――つまり、普通のシャツ襟を指す言葉で「ボタンダウンが標準」という思いが込められているように感じます。

中には、ボタンダウンこそ至上で、披露宴も絶対にボタンダウン、という方もいらっしゃるようで。

ここまでくるとボタンダウンは一種のアイコン/トレードマークとしての地位にあって「ボタンダウンはインフォーマルだから――」と、心に思っても言うのは野暮なのかも知れません。

皆さんはどうお考えになりますか?

 

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