4月に入り、新社会人が続々とビジネスの現場で活躍し始めている今日この頃、「迷ったらコレを買え!」をテーマに、久しぶりに連載を始めます。
これまで10年以上多いときには毎週のように様々なアイテムを購入/レビューしてきましたが、結局どれが良いの? ということが分かりづらくなってきたので、アイテムの種類別に紹介していきたいと思います。
第一弾は、皆さん大好き革靴です。
0.選定基準
今回の選定基準は以下の通り。
- 新入社員でも購入できる価格帯であること
- スーツ/ジャケパンに合い、美しさと履きやすさを両立していること
- 実店舗が豊富で買いやすいこと
- 直営店もあり、フィッティングに定評があること(重要)
- 趣味として長く楽しめる本格靴がラインナップされていること
1.リーガル
「はじめての革靴選びに迷ったら、まずリーガルを買え」
リーガルは、本格革靴を主力事業とする、唯一(だふん)の上場企業です。
セールを狙えば、2万円台から本格的なグッドイヤーウエルテッド製法の革靴が手に入ります。
まさに本格革靴世界への、最も入りやすい入り口であり、スタンダードです。
「初めての革靴は、どこで買えば良いですか?」と聞かれたら、「とりあえず、リーガルの直営店でシューフィッターに適正サイズを測って貰い、セール品で良いので黒のストレートチップ(※1)かプレーントゥ(※2)を購入しては?」と回答します。
革質やデザインがスタンダードな「リーガル」、上級カテゴリの「シェトランドフォックス」、最上級のオーダーメイド「リーガルトーキョー」まで、幅広くラインナップがあることも特徴です。
(ちなみに、↑の3つとも愛用していて、過去にレビュー記事も出しています。興味がある方はこちらからご覧下さい。)
△ ※1:リーガルトーキョーのストレートチップ。靴先に一文字の切り返しがある形で、ビジネスから冠婚葬祭まで使える。
△※2:プレーントゥ。先端になんの飾りもないベーシックな形で、こちらもビジネスから冠婚葬祭まで幅広く使える。個人的にはストレートチップのほうがフォーマルっぽく見えるが、文献上では意見が分かれていて、もはや好みの問題。
リーガルの良いところ
- まさにスタンダード(日本を代表する大衆向け本格靴メーカー)
- 幅広いラインナップ(サイズ展開、色、形はもちろん、価格帯も普及品から超高級品まである)
- 上司や顧客上位層にも愛用者が多い(話のネタになる)
- 靴好きからも一定の評価(高い靴ばかり履いている靴好きも、本格靴として認める人が多い)
- 靴の修理にも力を入れている(履きつぶさない思想。販売数全体の3割弱がシューケアサービス(!))
- 店舗で試着しやすい(シューフィッターがいる実店舗が全国各地にあり、またデパートにも取り扱いが多い)
リーガルの気になるところ
- ブランドやラインナップが多すぎて選びづらい(その結果、セール時に好みの本格靴が少ないことも)
- 比較的流行に寄せた作りが多い(10年スパンで履く靴なので、寄せすぎた靴は陳腐化リスクがある)
- 普及価格帯の革質は、硬めで値段相当(とはいえ、耐久性が高く初めての靴としては良いし、将来靴が好きになって沢山集めた暁には雨用としてもよい。)
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2.スコッチグレイン
本来、「迷ったらコレを買え」は、迷わないように1つのブランドにすべきです。
ただ、どうしてももう1社紹介しておきたいので、第一弾から例外を発動します。そのブランドが、「スコッチグレイン」です。
全体的にリーガルよりもすこし高めですが、革質がよく、とても磨き甲斐がありますし所有欲をそそられます。作りもしっかりしており、大切に履けば革底を交換しながら20年以上履き続けられるでしょう。
実は、私が初めて購入した本格靴もスコッチグレインでした(上の写真の靴)。
その後10を越える靴ブランドに手を出すことになりますが、最初にスコッチグレインを買っておいて良かった、と今でも強く感じています。
というのも、スコッチグレインを購入したからこそ、靴好きになっていた可能性が高いからです。スコッチグレインは、修理はもちろん、靴の手入れに関するメッセージング、革質へのこだわり、店舗設計、店員のマインドなど、購入者を本格靴好きにしてしまおう、という意気込みが感じられます。
その意味では、手を出すとヤバいブランドではあるかも知れません^^;
スコッチグレインの良いところ
- 革質へ高いこだわりがある(かつ高コスパ)
- シューフィッターの能力が高い(初めて革靴を手に入れる際には、とても重要なポイント)
- アウトレットモールの店舗が充実している(御殿場、りんくう、佐野等々。どこがB級なのか分からないB級品や、試作品がかなり安く買えます。立ち寄ったときには必ず行きます^^;)
- リーガルに比べ、「敢えてこのブランドを選んだ」という人が多い(このブランドが好き、という人が多い)
スコッチグレインの気になるところ
- 直営店が少ない(東京に3店舗、大阪が1店舗のみ<記事初出現在>)
- リーガルよりも少し高め(ただし、WEB限定モデルやアウトレット店は安いです。)
- 流行よりも古典的なデザインが主力(好き嫌いが分かれるポイントではありますが、私は陳腐化しないという点でメリットにも感じます)
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3.おわりに
私が靴好きになってからの数年は、1ドルが100円を下回って酷いときには70円台だったこともあり、海外、特にイギリス製の靴を個人輸入で安く購入することがブームでした。
今では考えられませんが、チャーチやクロケットアンドジョーンズが一足3~4万円程度で購入できていました。
現在、1ドルは150円を越え、インフレや革の世界的高騰も相まって再び日本の(かつメジャーな)靴ブランドにもフォーカスが当たってきていると感じます。
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前回、育児関連ネタを書いたところ、コメントからかなりの反響がありました。有り難う御座います。この連載が終わる頃までにネタを溜めておきますので、もう少し待ち下さい。
また、コメントからいただいている記事化要望も全てExcelで書きため順次活用させていただきますので、こちらも気長にお待ちください&追加の記事化要望は下部のコメント欄からお気軽にどうぞ。(難易度高めのものもあり、こちらは纏まった時間が取れた際に取りかかろうと思います。)