まとめ

夏を涼しく乗り切るスーツスタイル7つのTIPS

投稿日:平成26年(2014) 6月8日 

 
 

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暑い夏――今年はどの様な格好で会社に行きますか?

6月もまだ上旬ですが、東京都心では半袖シャツ一枚の姿をチラチラ見るようになりました。
勿論、半袖シャツは半袖シャツなりの着こなし方があり、それはそれで格好良いのですが、
ジャケットがないと、お洒落の幅が狭くなってしまうのもまた事実です。

そこで、今回はギリギリまでジャケットを着用した上で、
どういったことをすれば涼しく乗り切れるのかを考えてみたいと思います。

 

 

ファッションでいう「涼しさ」とは、
体感での涼しさと、見た目での涼しさを両方クリアする必要があります。
どちらもなるべく兼ね備えるように、今回は3つの観点から7つのTIPSを考えてみました。

 

■ 涼しい素材を使う

涼しげな素材、体に涼をもたらす素材を使えば、
見た目も体感も涼しくなるでしょう、といった考え方です。

 TIP 1:麻素材を使う

麻は見た目にも、体感にも涼しい素材です。
これは、粗い織りによるざらつきや麻特有のネップ(生地の節)が見た目の涼しさを、
通気性と吸水性に優れるため、蒸発熱による冷却効果が体感の涼しさを期待できます。

用途としてシャツ、ジャケット、タイ(ネクタイ)、ポケットチーフなど、
紳士服の用途としては、かなり幅広く適用できるのがお薦めポイントです。

一方で麻はその特性からしわになりやすく、また質感からカジュアルに見られてしまう事も有り、
職種/業種によっては好ましくないこともあるでしょう。
そんなときは、混紡生地を使うようにすると良いと思います。

シャツなら綿との混紡を、ジャケットならウールとの混紡といった具合です。
麻の機能性や涼しげな見た目を維持しつつ、都会的な雰囲気を出すことが出来ます。

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△ 麻のシャツ。ネップ(節)が出ており、とても涼しげな印象。
実際に汗をかいたときも、綿やポリエステルのようにべたつかず、
かつ、ひんやりとした肌触りで気持ちが良い。

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△ 麻とウールの混紡生地を使ったジャケット。
麻のざっくりとした質感は維持しつつも、ウールの復元性によりしわになりにくくなる。

 

TIP 2: 機能性服地を使う

機能性服地とは、体感温度を下げることを謳った生地のことで、
主に以下の2パターンに分類されます。

  1. 生地に特殊な加工を施し、太陽光の反射率を上げるなどしたもの
    例:エルメネジルドゼニアのCOOLEFFECTなど
    生地そのものの質感は良い場合が多いが、クリーニングで効果が減る、
    室内では効果があまり感じられないなどのデメリットがある
  2. 糸を極限まで撚って布地をメッシュ状にするなど、通気性を重視したもの
    例:御幸毛織のシャリックなど
    通気性が良く、室内でも風通しが良ければ効果を感じることが出来るが、
    化繊混紡の製品が多く質感が良くない。ウール100%のものあるが、耐久性に難有り。

外回りの多い方なら1番はアリだと思います。
2番はかなり透けるので、好みの分かれるところですね……。(涼しげな感じにはなりますが)

また、(下着ではない)シャツに、鹿の子や機能性素材を使うという手もあります。
しかし、いずれもポロシャツをインナーに着ている雰囲気に似てしまうことが多く、
人によってはだらしなく見られてしまうため、注意が必要です。

 

TIP 3:吸湿性の高い裏地を使う

意外と見落とされがちなのがこれ。
シャツやジャケットの生地にいくら涼しい生地を使っても、
ジャケットの裏地にポリエステルを使った日には、湿気でムレムレになってしまいます。

ジャケットの裏地として主に使われるのは
ポリエステル、キュプラ(ベンベルグ)、絹などですが、
そのうちポリエステルの吸湿性/透湿性がかなり低いのです。

従って、ジャケットを買う際/作る際には、裏地を確認して下さい。
ポリエステルでも、キュプラとの混紡にするだけでかなり違います。

※ ジャケットの裏地についてさらに知りたい方は下記の記事を参照下さい。
スーツの良い裏地とは何かを、考える

 

 

■ 涼しい下着を着る

次は見た目にあまり関係がありませんが、下着についてです。
下着は直接肌に触れ、最初に汗を吸い込む所でもあるので、実は冷感に強く影響します。

TIP 4:機能性下着を着る

これは私が遅れているだけかも知れないのですが……。
つい最近まで下着は肌触り重視で綿100%に限る! と、そう思っていました。
しかし、ユニクロのAIRism(エアリズム)を試してみて、考えが変わりました。

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勿論、肌触りの良さはコットンに全く敵わないのですが、着ていて本当に涼しいのです。
汗をかいた後、素肌に麻を着ているような冷感が続きます。
麻のようなごわつきもなく、非常に薄い素材にもかかわらずです。

機能性下着は、これからの夏場のお洒落には必須になってくると思います。

※ AIRismについては、次回レビュー記事を書きたいと思います。
※ 興味がありましたら、是非御覧下さい。

TIP 5:ステテコをはく

ステテコと聞いて、下町の、夏の路地裏で涼むおじさんを想像する方も居るかも知れませんが、
紳士服との相性が意外と良いのです。

主なメリットが、汗でズボンが張り付かず、不快感がなくなること。
さらに、蒸発しやすい生地を使用している場合が多く、汗をかいた後に涼しく感じられます。
ズボンを長持ちさせる効果もあるため、沢山汗をかくことが予想される日には必須でしょう。

なお、現在販売されているステテコには、ルームウェアとしての厚手の生地を使用した物と、
ズボンの下にはくものと2種類販売されているので、
スーツスタイルに合わせる場合は後者を選ぶようにして下さい。

 

 

■ ジャケットを脱ぐ

ある程度の暑さまでは上記の対策で乗り切ることが出来ますが、
夏になるとどうしてもジャケットを脱ぎたくなってしまうもの。
そこで、ジャケットを脱いだときについて考えてみます。

TIP 6:ウエストコートを活用する

シャツだけだとだらしなく見えるけど、ジャケットを羽織るのは流石に暑すぎる。
そんなとき、ウエストコート(ベスト)を単品利用することをお薦めします。

ウエストコートの特徴はなんといっても袖が無いこと。
ジャケットの袖は一般的に裏地、芯地(肩パット部分)、生地と3層構造。
これが体感温度を上げる原因になっており、それがないだけでずいぶんと涼しいのです。

さらに、腹回りなどのシャツのだぼつきを抑えることが出来るため、
見た目にも格好良く見えます。

若い世代では普段着としてカジュアルなウエストコートを着る人が多く、
単品利用に対し抵抗はあまりないのではと思います。 また、背中の部分を裏地ではなく、
共地(前側と同じ生地)で作ることで、さらに単品で使用しやすくなると思います。

TIP 7:ジャケットを脱いだ時を考える

最終手段としてジャケットを脱いだときに、
みっともなくないようにするにはどうしたら良いか、考えてみました。

  • 下着はできれば着用する(汗で肌が透けるので)
  • ハンカチは必ず用意する(汗をぬぐうため)
  • 制汗剤を使う(脇汗や汗の臭いを防ぐため)
    参考記事:香水は消臭剤ではありません
  • 衿はボタンダウンにするとへたった感じがしなくて良い
  • ジャケットは正しくたたむ(汗が生地について傷まないようにするため)
    参考記事:スーツを傷めないたたみ方

 


都会の夏はヒートアイランド現象で蒸し風呂のような状況。
「お洒落はやせ我慢」なんて言いますが、スマートな現代人としては、
お洒落と涼しさをトレードオフにしないよう、できる限りの工夫をしたいものです。

みなさんが採用している、夏を涼しくお洒落に過ごす方法は何でしょうか?
もし良い方法があったら、是非教えて下さいね。(コメント欄へどうぞ)

 

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