まとめ スーツ・ジャケット ベストバイ

スーツの今後を予想する サラリーマンの、スーツスタイルの変化、今後を考える(後編)+令和2年ファッショングッズベストバイ

投稿日:令和2年(2020) 12月31日 

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※ 本記事は二部構成です。是非前編からご覧下さい。

 

2.サラリーマンとスーツの今後の変化を予測する(続き)

それでも客が戻っている店もある

一方で、4~6月は減ったが、それ以降は盛り返したといっている店もいくつかありました。(比較的高価格帯の)オーダースーツ専門店です。

彼らの顧客は、義務的にスーツを着ている層ではなく、スーツやジャケパンにこだわりがあるか、趣味としている層です。先日もある店の主人に「売り上げが減って大変でしょう」、というテイストで話しかけたところ、「9月以降はリバウンドで売り上げが昨年より増えている」と聞き、拍子抜けしてしまいました。

以前から、「クールビズやカジュアル化に伴って、制服として義務的に着るスーツはいずれ無くなり、趣味的なものになっていく」と予想してきました。ただこの予想は、今後10年~30年かけての変化だと考えていましたが、コロナ禍を経て、1~2年の変化に、急速に変わったようです。

サラリーマンのスーツの今後を予想する

今後、サラリーマンのスーツスタイルはどの様に変わっていくのでしょうか。私の予想は以下の通りです。

  • 業界によっては在宅勤務が定着し、就業時間中のスーツ着用機会が極端に減る
  • これにより、スーツ強制が廃止された会社にあっても惰性でスーツを着ていた人が、着なくなる
  • サラリーマン=スーツスタイル という概念が崩壊する
  • スーツは普段(平日)の服装から、礼服に格上げされる
  • サラリーマン向けのスーツ量販店やイージーオーダー店(→2~3万円前後が主力商品の店)は需要回復が見込めず撤退や業態見直しが加速する
  • スーツ店は、低価格帯(ファストファッション店のついで売り)と高価格帯(こだわりのオーダー店や、高級ブランド)の二極化が進む

すこし乱暴な予想に見えるかも知れませんが、皆さんはどう思いますか?

言いたいことは、サラリーマンとスーツが切り離されること、そしてそれによって日本のスーツ業界に(クールビズで死に体になっていたところへ)とどめが刺されるのではないか、ということです。

私たちへの影響

このサイトをご覧の方に多いであろう、スーツを趣味として着用している方からすると、あまり影響がないように思うかも知れません。

しかし、安い価格帯のイージーオーダー店は、スーツに興味を持ち始めた方や、スーツが好きでオーダーしたいがお金が無いという層の受け皿になっていたことは確かです。

そういった店は、「何も意識せずにスーツで出社しているが、少しお金があるのでオーダーにしておくか」といった、マス層の需要によって低価格を維持していたところもあり、廃業や業態変化によって、スーツ好きの層にも少なからず影響はあると考えています。

生き残るのはこんな店

個人的な想像ですが、そんな中にあって生き残る店とは、こんな感じでしょうか。以下、or条件(何れかに当てはまるもの)です。

  • オーダー
    • フルオーダーに対応できる店(職人を抱えられ、顧客の細かい要望に応えられる店)
    • 凝ったボタン、裏地などに対応できる店(工場指定の裏地やボタン以外に、ファッション性の高いものを用意できる店)
    • 店主/店員のデザインセンス、提案力が高い店
  • 既製服
    • 高いデザイン性
    • 圧倒的なブランド力(スーツと言うよりは、ブランドで購入される)
    • レンタルや1万円以下の超低価格(冠婚葬祭用)

これも来年、別途記事として書いてみたいのですが、趣味性の高いスーツを作れる店が、今後も生き残るのだろうと思います。

ただ、既製服の最後行を除くと、「高くても良いスーツが欲しい」というお金持ちか、スーツに多くのお金を使えるスーツ好きがメインターゲットになるため、当然価格は上昇していくのではないか、と考えています。(かなしい。)

 

3.それでも、スーツスタイルをオススメする理由

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制服としての、スーツの役割が次第になくなり、スーツ業界も一部の趣味性の高い店を除き厳しい状況になることを予想しているところですが、それでも私は、若い男性にスーツスタイルをオススメし続けると思います。

それは、ファッションセンスに自信の無い男性でも、基本的なルールさえ押さえておけば、最も手っ取り早くオシャレになれる方法がスーツスタイルだからです。

女性とのデートや、少し畏まった会食に出るシーンなど、大学生、そして社会人になるとそういった場が増えると思います。その時、スーツスタイルは簡単にドレスアップして、自身に「ゲタ」を履かせることが出来ます。

この「ゲタ」は、ビジネスシーンにあっても、しばらくは同様だと思います。つまり、皆が着ているかは別として、最も簡単に誠実さ、真面目さ、そして「仕事できる感」をアピール可能なのがスーツスタイルであることは、まだ、変わらないと思います。

やがては、(モーニングやディナージャケット(タキシード)で出勤すると場違いなのと同様に)コスプレと受け取られる日が来るのかも知れません。が、おそらくその場合はジャケパンが現在のスーツの立ち位置にシフトするはずなので、ジャケパンを着れば良いでしょう。

ファッションに自信が無いけど、格好良く見せたいという方には、今後もスーツスタイルをオススメします。少なくともスーツが、その次にジャケパンが、それぞれ礼服化し、日常遣いに違和感を覚えるようになるその日まで。

 

4.令和2年ベストバイ

取って付けたようで恐縮ですが、最後に今年のベストバイを紹介します。

例年はレビュー記事の中から選んでいましたが、今回は単純に自身が購入したファッションアイテムの中から買って良かったと思ったものを簡単に3つ紹介します。

第3位:ゲラン「ランスタン ド ゲラン プールオム」

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久々に好みの香りに出会えたのでランクイン。

最近香水ネタはやっていませんでしたが、個人的にはファッションは見た目だけでは無く、匂いも含まれていると考えています。

自分が好きな香り、自分をイメージさせたい香りを、香害を発生させずに(←重要)纏うことも、ファッションの一部でしょう。

香りの特徴としては、トップノートがレモン、アニス、ベルガモットなど、ミドルにはお茶やジャスミン、ベースノートにカカオやサンダルウッドが薫ります。

時期としては秋から初春にかけて、平日のビジネスシーンも良いですが、休日にも活躍する匂いであると思います。

第2位:PELLE MORBIDA「HYD011」

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これまで、通勤時のスーツスタイルは革鞄一本槍でした。しかし在宅勤務がスタートしたことで重くて大きなPCを行き帰り常に持ち歩かなくてはならず、困っていたところに見かけたのがこちら。

革のリュックサックも検討しましたが、全天候型で、カジュアル過ぎずある程度シック、さらにPCクッションが内蔵されいてるという要件に合致し、購入しました。

スーツ好きの皆さんからすると邪道におもわれるかもしれませんが、軽いPCに買い換えるまでお許し下さい^^;

第1位:グンゼYG「ホットコットン9分袖」「ホットコットンボクサーパンツ」

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グンゼYGカットオフは、シャツからアンダーシャツが透けず、着心地も良く、価格も良心的でお気に入りの製品群です。

従来は通年用と、強撚糸や汗取りパッドを利用した夏用を大量に買い込んでいましたが、長時間外で待機する用事があったことをきっかけに、冬用を試してみました。

この手の製品、他ブランドは合繊を主体とし、肌が弱い方にはあまり良くない組成が多く、あまり手を出さずにいました。しかしさすがグンゼ、天然繊維を主体とした、肌に優しい温かい下着を作っていました。

実際何度も着用してみましたが、着ぶくれを防ぎつつ、高い保温性を確保できました。また、肌触りは普通のグンゼYGカットオフに劣るものの、他社製品と比べると格段に良く、さらに吸湿性に優れています。

冬季における、野外のイベント対応や葬祭など、スーツを着なくてはいけないが、温かいオーバーコートやマフラーを着ていられないシーンには必須の装備になりそうです。

(参考)歴代のベストバイ

歴代のベストバイはこちらからどうぞ。

カテゴリ:ベストバイ

 

おわりに

今年はサラリーマンのファッションにとって、そしてもちろん国民生活にとっても苦難の一年でした。

皆さんのファッションにはどの様な変化がありましたか? よろしければコメントをぜひお寄せ下さい。

来年が皆様にとってよい年でありますように。

 

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