前回掲載の記事「夏を涼しく乗り切るスーツスタイル7つのTIPS」にて、
機能性下着の1例としてご紹介したユニクロのAIRismについて、今回は詳細に採り上げます。
AIRismについては、登場から少々時間が経っていることも有り、
色々なところで採り上げられているので、
スーツスタイルにおいてどの様な活用が出来るのかを主眼に考えてみたいと思います。
また、同時に買ってみたAIRismのステテコ(今年の新作だそうです)も人柱レビューします。
1.(おさらい)AIRismとは?
ファーストリテイリング社の広報サイトから引用すると以下の通りです。
エアリズム6つの機能
- 風合い:極細繊維で肌をすべるような、滑らかな肌触り
- ストレッチ:あらゆる動きにフィットする、驚きの伸縮素材
- ドライ:汗をかいてもすぐに乾きさらっとした肌触りが続きます
- 触媒冷感:着た瞬間にひんやりとして、涼しい着心地を体感できます
- 抗菌防臭:においの元になる雑菌の繁殖を防ぎ、においの発生を抑えます
- 消臭:衣服についたにおいの元を消臭。選択を繰り返しても消臭効果が持続します
多少冗長なので要約すると、
「着心地が良い」「涼しい」「臭くない」という3つの機能を備えた、
機能性下着と言う事でしょうか。
価格は定価で\943+消費税ですが、記事執筆時点ではセール対象になることが多く、
概ね\790+消費税で買うことが出来ます。
(調べたら、明日<H26.6.16>まで、公式通販でセール対象になっています)
機能性下着としては低価格帯で、
汗をかいてどんどん汚れていく夏場の下着としては、かなり歓迎できます。
2.パッケージ外観
早速中身を確認しましょう。
記事執筆時点では白、灰、ベージュ、紺、黒の5色で、
Uネック、Vネック、袖の有り無しで4タイプ、計20種類の展開になっていました。
そこで、今回はVネック袖有りタイプの白、ベージュ、紺を購入しました。
※ シャツを開襟したときに、Vネックだと衿からアンダーシャツが覗かないのと
※ 袖有りの場合、脇の汗染みなどを防ぐことが出来るため、このタイプにしました。
実は、ユニクロの製品を買うのは初めてだったのですが、
袋ははさみがなくても開けられるジップロックタイプになっていて、ビックリしました。
うらがき
どこかで見たことのあるロゴが……。
デュポンの「ライクラ」マークがついていました。
説明書きから推測するに、この製品は生地にライクラ(スパンデックス)を使っていて、
日本でデュポン社とライクラを共同展開している東レが、
ファーストリテイリング(ユニクロ)と開発したもののようです。
ライクラが配合されたことで、生地の柔軟性やフィット感が大きく向上している思います。
また、ライクラを使った下着は高めなことが多いのですが、
この金額設定は結構良心的だと思います。ユニクロ恐るべし……。
3.生地と縫製
続いて、生地と縫製を確認します。
手触りは弾力のある薄手のゴムのような感じです。
しかし、すべすべしている上、透湿性があるので、全く不快ではありません。
強いて言えば、開封した瞬間に、ライクラの強いポリウレタン臭が気になるところでしょうか。
(2~3回洗濯すると、ある程度臭いは落ちました)
衿の部分。
2本針ミシンで、比較的綺麗に縫われています。
肩の部分。縫製品質は他の2着も安定していました。
袖の部分の処理。こちらも合格点です。
流石に伏せ巻き縫いではありませんが、
生地自体が非常に軟らかいため、肌触りに違和感は全くありません。
末端や裏側の処理も綺麗です。
中国製。最近の中国製は縫製技術が高くなったと言いますが、
まさにこういった世界中のファストファッション企業を受け入れた事による、
練度の向上が貢献しているのでしょう。
白だとわかりにくいので、紺色で薄さを確かめてみます。
下に入れたボール紙の台紙がかなりくっきり浮き上がるほど、生地は極薄です。
シャツの下に着用しても、まったく着ぶくれしないのは、この薄さあってでしょう。
また、薄手のシャツの下に着る場合は、白よりもベージュやグレーの方が透けなくて良いと思います。
4.AIRismを着てみた感想
AIRismを2週間程度着用してみた感想です。
良い点
① 涼しい
この機能を全面に謳っているので当然なのですが、
風が抜けたときに驚くほど涼しいというかむしろ「冷たい」と感じることが多いです。
夏場のファッション我慢大会には、とても嬉しい限りです。
② 汗をかなり吸う
驚くほど薄い生地なのにもかかわらず、汗をしっかり吸います。
これは、上に着たシャツに汗がしみ出てこないことを意味し、
「汗で肌にべっとり張り付いたシャツ」という醜態を防ぐ、重要な機能だと思います。
③ 生地が薄く下着が目立たない
薄い、細番手のシャツを着たときに問題になるのが、
「下着の縫製部分の膨らみ」が当たって見えてしまう事です。
その点、AIRismは生地が薄く、さらに縫い代も薄いので目立ちません。
マイナス点
① ライクラ特有の臭い
どうしてもライクラ(ポリウレタン)特有の臭いがします。
何回か洗濯することでかなり落ちますが、それでも少し臭います。
不快な臭いではなく、片栗粉の臭いのようなものなのですが……
② カジュアル用途には向かない
敢えて下着を見せるなどの、カジュアル用途には向かないと思います。
というのも、生地が薄い上にラテックスのような質感のためで、
あくまで、アンダーシャツとしての脇役利用がお勧めです。
5.AIRismのステテコも試してみた
東京でステテコというと――
「戦災で焼け残った下町の狭い路地裏で、
夏にランニングシャツ一枚で涼むおじいちゃんが着ているズボン代わりの下着」
という先入観がなくもないのですが、
じつは汗をかく環境でズボンを長持ちさせる一番の方法がこのステテコ。
かくいう私も、汗をかくことが予想される日には着用しています。
(宣言することがかなり恥ずかしいですが^^;)
汗でズボンの生地を傷ませないという事は勿論、
ズボンの生地が体に張り付かなくなるので、着ていてもかなり快適で涼しいのです。
そんなステテコをAIRismの生地で作ったらこうなりましたというのがこれです。
パッケージがなく、むき出しです。
しっかりとAIRismのロゴと「STETECO」の文字が――!
STETECOで海外展開しているのでしょうか。
いつの日や、スシ、ゲイシャ、ステテコの時代が来るかも知れません。
開封してみました。
フライフロント(比翼仕立て)の前開きです。
生地が薄いので仕方が無いのですが、やはりアウターと言うよりはインナーですね。
裾の部分。
日本製に負けず劣らずの比較的しっかりとした縫製です。
生地の薄さはほぼシャツと同じ。
タイトなズボンにも、ゴアゴアせずに着用することが出来ます。
着用してみて
感想は概ねアンダーシャツのAIRismと同じです。
ただ、どうもステテコを下着として(つまり、下着のパンツを使用せずに)利用するのは、
どうも落ち着きがありません。
ステテコの下に、下着のパンツをはくかどうかは意見が分かれるところですが、
調べた限りでは、ユニクロとしては下着のパンツを着用せずにはくことを想定しているようです。
しかし、生地が薄く柔軟性が高いため、どうも慣れません。
普段、ズボンがだぼつかないようにタイト目の下着を使っているせいか、
着心地としてはトランクス風のこのステテコに、さらに下着を併用したくなってしまいます。
6.まとめ
長くなったので、まとめました。
- 「AIRism」は「着心地が良い」「涼しい」「臭くない」をコンセプトにしたユニクロの機能性下着
- 生地にライクラを使っているため、柔軟性やフィット感が高い
- 千円を切る価格(セール時は500円強)で高コスパ
- 中国製だが、縫製はかなり丁寧
- 涼しい、よく汗を吸う、薄いので目立たないなどのメリットが実感できた
- ポリウレタン特有の臭いがある、薄いのでカジュアル用途には向かないなどのデメリットもあった
- ステテコバージョンもあるが、生地が薄く柔軟性が高いため、履き心地はあまり良くない
まだ試したことのない方は、是非一枚購入してみると良いと思います。
また、前回の記事のコメントで、
グンゼの「seek」が透けない下着としてはダントツだというコメントを貰いました。
※ グンゼは好きなメーカーで結構な枚数を持っているのですが、seekはスルーしていました……
皆さんお気に入りの機能性下着はありますか?
素晴らしい下着はまだまだありそうなので、これからも購入後はレビューをしたいと思います。
ぜひ、AIRismと比べてみて下さい。(良い物が有れば試したいので是非教えて下さい^^;)