着こなし

クールビズをだらしなく見せないドレスダウンの工夫(3)[ボトムス編]

投稿日:令和元年(2019) 8月4日

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前回に引き続き、クールビズをだらしなく見せない工夫について考えます。

今回はボトムス――ズボンがテーマです。

どうすれば夏の軽装を格好良く見せることができるのか、シルエット、素材、色、ベルトなどのアイテムそして手入れの観点から、みなさんから寄せられたコメントを見つつ考えます。

<これまでの記事↓>



1.シルエットを工夫する

ズボンにおいて、シルエットは見た目を最も左右する要素ではないでしょうか。

スーツのズボンはNG?

なんかズボンが野暮ったいな……とよく見かけるのが、スーツのズボンを転用しているパターン。

パンツは単品にする

――イノウエさん

スーツよりタイトなジャケパンの上着とあわせる場合はもちろん、上半身がシャツのみになって軽くなると、比較の問題でズボンの重さがより強調されてしまいます。

(個人の好みもありますが)ジャケパンはもちろん、ジャケットを着用しない場合は特に、スーツのズボンよりも少し細身のものがお薦めです。

ブロークンスーツ(スーツを、ジャケットとズボンのそれぞれに分けて使う方法)という考え方もありますが、それ前提で仕立ててあるスーツで無いと、正直厳しいと感じています。そして、スーツスタイルは往々にして「二兎追うものは一兎をも得ず」のパターンが多く、両用はどっちつかずになる危険性があるため、あまり積極的にお薦めしていません。

タックはあった方がいい?

一時期消滅していたズボンのタックが、近年復活しています。

スーツスタイルの英国調回帰が主要因だと思いますが、クールビズにおける単品のズボンにもタックはあった方が良いのでしょうか。

今までおじさん臭いと敬遠していたタック入りのパンツデビューしたのですが、軽くテーパードが効いて思った以上にスタイルが良く見えるので気に入って着用してます。

――seintseiyaさん

パンツ単品の場合、2タック以上は難易度が高めですが、1タックであれば全く違和感は無いと思います。

特に、素材がストレッチではない場合やお腹周りが大きい場合などは、動きやすい上にかえってシルエットを綺麗に見せる効果があります。

参考までに、私の持っている単品ズボンは約半分がワンタックです。

参考記事

シングルかダブルか

ズボンには、裾に折り返しの無い「シングル」と、折り返しのある「ダブル」という2つのディテールがあります。

こちらも好みの問題ではありますが、単品として用いるズボンには、以下の理由からダブルにする場合が多いです。

  • 裾に重さが生じるため、クリースやシルエットが綺麗に見える
  • ダブルの方がカジュアルなディテールであるため、軽装とは相性が良い
  • 裾・靴間の通気性が良く涼しい

 



2.素材を工夫する

続いて、どんな素材を使うと良いのかを考えてみます。

化学繊維はNG?

最近では海外のパンツ専業ブランドなどでも、トラベラーシリーズとして化繊60%弱ものが増えてきたと感じています。ストレッチ、防しわ、防汚、防臭、ウォッシャブル等クールビズの時期に嬉しい機能性素材であるにも関わらず、素人目にはウールと見分けがつかないものが多かったです。
天然素材へのこだわりもありますが…化繊の素材感も良くなってきてますよね。

――SSSさん

私は天然繊維が大好きです。

それでも近年の化学繊維(化繊)には驚くほど快適なものが多いと感じています。

 

ビームスやユナイテッドアローズが出してるストレッチテーパードチノは値段も手頃で、自分のような短い足も長く見えてオススメです。
私はシーズン毎にビームスの色違いを3〜4本買って履いています。

――イノウエさん

また、少量の化繊(ポリウレタン等)を混紡することで、ストレッチ性を引き出した生地もあります。動きやすくなる上に、遊びが少なくてもすむことで、シルエットも綺麗になります。

誤解を恐れずに言うと、この時期のズボンにあっては、天然繊維100%へのこだわりを捨てた方が、快適に過ごせることが多いです。

お薦めは以下の3タイプです。

  • 通気性、防シワ性等を謳った機能性繊維を用いたもの(ポリエステル主体)
  • 伸縮性を謳ったもの(天然繊維に若干のポリウレタンを混紡)
  • 上記2つの特徴を併せ持つもの

デメリットも認識すべき

とはいえ、化繊のデメリットもあります。一番はポリウレタンの寿命でしょう。

ポリウレタンは前述のとおり、わずかに混紡するだけで生地に伸縮性を持たせることができ、クールビズ向けズボンの多くに混紡されています。

しかし、大切に扱ったとしても、加水分解によって長期間の着用は困難です。

洋服屋やクリーニング店に聞くと3年程度、私の体感では5年程度でベトベトして廃棄せざるを得なくなります。

従って、3年程度で捨てる覚悟をもって購入する必要があります。つまり、高い生地や一度に大量の購入は避けた方が良い、と言うことですね。

「素材感」を生かす

着心地や快適性という観点から素材の工夫も大事です。しかし、コーディネートを考える場合には、それに加えてテクスチャ感(生地表面の雰囲気)も重要。

例えば、ザラザラとした麻のシャツに、つるっとした高番手ウールやポリエステルのズボンを合わせるのは難易度が高いでしょう。

一方、ザックリとした粗い織りのウールパンツや、同じ麻を混紡したザラザラ感のあるズボンであれば、統一感が出てコーディネートが容易です。

クールビズはアイテム数が少なくなる関係上、色を拾ったり柄を工夫したりといった複数アイテム前提のコーディネートが難しいです。

そのため、「素材感」はかなり重要なポイントだと思います。

 

3.色を工夫する

続いては色です。

合わせやすく、ビジネスと好相性の無彩色

無彩色とは、ご存知の通り「黒~グレー~白」の一連の色を言います。

そしてこの無彩色、ほとんどの色に合わせやすいという特徴があります(詳細は割愛しますが、真っ黒は難易度高めです。)。

従って、(私を含む)色のコーディネートに自信の無い方は、基本的に「グレー~白」を利用すると楽になれます。

濃さで表情を変える

また、グレーは濃淡で表情が変わります。

たとえば、(場合によりけりではありますが)一般的にグレーは薄い方がカジュアルや軽いといった印象に見えます。

薄い色の方が清涼感が出て夏に合うのですが、固めの職場やご自身の立場が重い方は、ミドルグレーくらいにまでとどめておくのも手でしょう。

実は万能の白

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白は難易度が高いと思われがちですが、とっても簡単だと感じています。涼しげかつどんなトップスにも合わせやすいからです。

もちろん、バリバリの白色はビジネスに用いるのは難しいかも知れませんが、オフホワイトやアイボリーであれば許容度は格段に上がります。

ただし、汚れがつきやすく、ダメージも蓄積しやすいため、安く手に入るものを履きつぶすくらいの思い切りが必要です……。

柄物は難易度高め

これは、私にコーディネートのセンスが無い、という原因もあるのですが、ことクールビスにおいて柄物のパンツは難しいと感じています。

稀にチェックやストライプのズボンをはいている人を見かけますが、(アイテム数の少ないクールビズにおいては)よっぽど気をつけないとゴチャゴチャして見えます。

単色で味気ないと思う場合には、バーズアイ、マイクロチェックなどの遠くからは無地に見える細かい柄にした方が無難でしょう。

 



4.アイテムを工夫する

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ズボンに追加するアイテムについても考えます。

ベルト

上着を着ないことが多いので、ベルトに目が行くため、極力、サイズ合わせたベルトで真ん中で締めるようにする。難しい場合は、可能な範囲でドレスダウンでメッシュベルトを使用して誤魔化す。

――seintseiyaさん

ジャケットが無いスタイルにおいて、体の真ん中に鎮座するベルトの存在感はとても大きいです。

ベルトを選ぶ上で私が気をつけているのは以下の5点です。

  1. 素材(一枚革か、革メッシュか、紐メッシュか等々)
  2. (靴と色が合っているか)
  3. 太さ(ビジネスに適したサイズか)
  4. 長さ(バックルを真ん中の穴で留められるか)
  5. バックルの形(ビジネスに適したものか)

……まぁ、最低限「靴の色と合っているか」くらいで良いかも知れません。

個人的には、seintseiyaさんと同じ理由でメッシュベルトがお薦めです。

参考記事

ポケットチーフ

ズボンなのにポケットチーフ? と思うかも知れませんが、面白いコメントをいただいていますのでご紹介します。

ピスポケットにチーフをいれてる若い子を見かけました。シャツと色合わせしてあり、いいアクセントになっていた(後略)

――あおやまさん

あまり大きく出し過ぎるのは嫌らしいですが、さりげなくやる分には効果的だと思いました。

なお、私の場合はピスポケット(ピストルポケット;フタ付きのポケット)ではなく、フタ無しの方に入れることが多いです。

 

5.手入れを工夫する

せっかく良いシルエットに素材、色、アイテム……とコーディネートを合わせたとしても、手入れが悪いと台無しです。

クリースは残っているか

シャツ一枚になると、ボトムスに視線がいく事が多くなるので、スーツの際も同様ですが、毎日の習慣で、帰宅後は、パンツプレッサーにセットして、クリースの維持に努めております。以前の記事でも取り上げていらっしゃいましたが、クリースがしっかり付いていると清潔感があると思います。薄着になればなるほど、日々の手入れが見栄えに影響する気がしてます。

――seintseiyaさん

以前、チェーンの某イージーオーダー店に、ズボンを作りに行ったときの話。若い店員に綿素材でクリースを入れたい旨を伝えたところ「チノパンにクリース入れるんですか!?」とビックリされ、さりげなく別の店員にオーダーをとってもらったことがあります^^; (恐らく彼は、ストリートファッションが専門だったのだと思います。)

クリースとはご承知の通り、ズボン正面に長く伸びる折り目のこと。これがしっかり入っているかどうかで、「ビジネス感」が全く異なります。

同じ綿素材のパンツであっても、クリースを消せばTシャツと、クリースを入れればワイシャツと違和感なく合わせられるほどです。

夏はゲリラ豪雨が多くなる季節でもありますから、ぜひクリースが消えていないか、今一度ご確認下さい。

汚れていないか

ズボンの汚れには、雨天時の泥はね、靴や鞄の色移り、汗染み、文房具等々様々な要因があります。

そして、クールビズ期間は清涼感を出すために薄い色のズボンが多くなると思いますが、薄い色の生地は汚れが目立ちやすいという問題があります。

従って、普段のスーツスタイルに比べ、いっそう汚れに対して気を遣う必要があります。

冬物よりも寿命が短い前提で、洗濯やクリーニングの回数を多めにしたり、買い換えの頻度を高くする必要があるかもしれません。

 



最後に

第1回の記事に加え、トップスを扱った第2回の記事でも多数のコメントをいただきました。

私の考えよりも一回りも二回りも上の、そして様々な角度からメッセージがあり、とても勉強になりました。ありがとう御座います。

次回は、靴や時計、帽子などの小物類を扱って一旦シリーズは終了にしたいと思います。(もしくは、もう1回最後に全体のまとめや考察を追加するかもしれません。)

そこで、クールビズにおける、これら小物類の工夫をしていらっしゃる方がいれば、ぜひコメントをお願いします。(もちろん、以前の記事にも小物類に関するコメントをいただいていますので、二重で投稿いただく必要はありません。)

ご覧戴き、ありがとうございました。

 

<これまでの記事↓>

 

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