着こなし

クールビズをだらしなく見せないドレスダウンの工夫(2)[トップス編]

投稿日:令和元年(2019) 7月21日  更新日:令和元年(2019) 8月4日 

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前回、クールビズの工夫や課題などを募集したところ、1週間で10人以上の方からコメントをいただく結果になりました。ありがとう御座いました。

当初は、記事の最後でコメントを引用して……くらいに思っていましたが、すこし方針を変更し、皆さんがクールビズにどう取り組んでいるのかという観点で、クールビズをだらしなく見せない工夫について考えて行こうと思います。

本日は主にシャツやジャケットなどのトップスについてとりあげます。

1.NGに感じるポイントとその解決策

皆さんがどんな格好をNGだと感じているのかを見てみましょう。

透けた下着問題

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まずは、シャツから透ける下着について。

見かけたNG例は、やはり、下着の透け、酷いと、首元から下着が見える人もいるのが気になります。

――seintseiyaさん

グンゼの透けない下着を。インナーの輪郭もさることながら、乳首透けてるのとか最悪ですし。(今年からオレンジとピンクという新色が出ており、より透けなくなっています。)

――basicmanさん

※ 太字は引用時に付したもの。以下同様。

やはり下着の「透け」はクールビズの重大問題ですね^^;

とはいえ、コメントでも指摘されているとおり、下着の選び方ひとつで簡単に解決できる問題でもあります。

具体的な方法については、以前何度か記事にしていますので、参考にして下さい。

半袖シャツ問題

ここは意見が分かれるかも知れませんが、シャツの半袖に対するNG意見もありました。

クールビズでイヤなのは、スーツのジャケットを脱いだだけのパンツに、半袖のシャツで、胸ポケットにスマホを入れてパンパンにしている人を見たとき。半袖のワイシャツほどダサい格好は無いと個人的に思っています。

――イノウエさん

半袖のYシャツも私にはありません。だいたい持っていません。

――Andantinoさん

半そでは着ない。暑ければ長そで腕まくりで。

――basicmanさん

私個人としては、半袖のシャツはそこまでNGだとは思っていません。

しかし一方で、半袖シャツは格好良く着こなすことか難しいシャツだなと思いますし、長袖シャツを綺麗に袖まくりした方が格好良いパターンは多いと感じます……。(そのため、私も持っていません。)

なお、半袖シャツの上からジャケットを着る方を見かけますが、このパターンは特にお薦めしません。ジャケットの袖からシャツが出ていないとバランスが悪く、さらにジャケットそのものを汚しやすいからです。

※ 半袖シャツ賛成派の方がいらっしゃいましたら、是非コメントください。(もちろん、追加の反対意見も歓迎します。)

デコシャツ問題

デコシャツとは、ステッチ、ボタン、二重衿などでデコレーションされたシャツ(造語)のこと。

これについても意見がありました。

シャツの襟に謎の刺繍、ステッチ、色糸、二重の襟のシャツを着ている人は、主観ですが、何となく、信頼出来ないなあ、と思ってしまいます。。

――seintseiyaさん

この時期にスーツ量販店へ行くと、クールビズ向けのシャツとして様々なデコシャツが販売されています。

これが全て悪いとは言えないのですが、かなりデザイン的に洗練された物を選ばないと、芋臭さが出てしまうので注意します。(そのため、私は持っていません。)

スーツからネクタイとっただけ問題

「スーツからネクタイを外しただけ」をクールビズにすると、いかにも「終電を逃した酔客」の様な風体になってしまいます(言い過ぎ^^;?)。

これは以前から当サイトでも話題にしてきましたが、コメントとして指摘がありましたので改めてご紹介します。

アメリカでもそうですが、上着(ジャケット)を着てノーネクタイは基本いたしません。みっともないと思います。

――Andantinoさん

上下がおそろいの生地でかつジャケットの衿が開いているスーツは、ネクタイがないと本当に殺風景に見えます。特に濃色のスーツや、白いシャツを着ていると顕著です。

「上着を羽織りたいが、ネクタイはしたくない」のであれば、スーツではなくジャケパンの方がよいと思います。

 

2.みなさんの工夫

続いて、皆さんから寄せられたクールビズの工夫点について、トップスを中心にご紹介したいと思います。

シャツ編

ポケット無しのシャツを着る

シャツは裏前立てのポケットなし

――basicmanさん

シャツの胸ポケットには何も入れない(私はオーダーシャツの作成時にドレスシャツにしてるので胸ポケットは付けません、不便だけど)

――イノウエさん

シャツにおけるポケットの是非については、以下の記事で以前取り上げました。上着が無い事を前提にすると、やはりポケット無しの方が比較的格好良くみえると思います。

海外の有名ブランドにおいても、シャツにポケットがついていないことが多いですよね。デザイン的にもその方が良いのでしょう。

ただ、正直便利さは損なわれるので「絶対にお薦め」というものでは無いですし、当日の業務内容に応じて、実は私もポケットがついたシャツを着ることがあります。

ゆとりを減らす

気をつけているのは、シャツのサイジングでしょうか、ほどほどにピチピチフィットな、というようなかんじで、いつものサイズで鹿の子やリネン素材を選択し縮み分で、いつもよりぴっちりに上がるみたいなのにしております

――まつしたさん

スーツのインナーとしてのシャツは、ある程度ゆとりを多く取った方が、特にクラシカルなデザインのスーツであれば格好が良くなります。たとえば、ベスト(ウェストコート)には、多少腕廻りにゆとりのあるシャツの方が映えます。

しかし、シャツ単体で着るとなると、「スーツのインナーとしてのシャツ」とは別のフィット感が重要になると感じています。もちろん、パツパツのものはみっともないですが……。

また、袖の長さも、インナーとしてのシャツの時よりも、若干短い方がバランスが良いように感じます。

第2ボタンの位置を上げる

第一ボタンをはずす前提で、第2ボタン位置を通常より1センチ上にして仕立てる

これが最重要。これによって、襟型を問わず、ボタンをはずしてもだらしなく見えなくなります。たった1センチ、されど1センチです。

――basicmanさん

リゾートなら良いのですが、胸元の開きすぎはビジネスではだらしなく見えデメリットです。言い換えると、少しボタン位置を上げ、胸元の開きを小さくするだけで、とても上品に見えます。

既製品では対応が難しいと思いますが、シャツをオーダーするときに対応している店が多いと思いますので、興味のある方はやってみてください。

ただ、ボタン位置変更は有料としている店が多いです。 夏の閑散期などに割引してやってくれると嬉しいのですすが……^^;

ジャケット編

実は、こちらはあまりコメントが集まりませんでした。クールビズとなると、既に「ノー上着」が定着しているからかもしれませんね。

ということで、私が実践していることを3つほどご紹介したいと思います。

本切羽にする

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ジャケットの袖ボタンが取り外せる仕様を「本切羽」とか「本開き」とか言います。この仕様にすることで、ジャケットの袖まくりが可能になります。

袖まくりといっても、腕が見えるほどたくし上げるのではなく、シャツの袖をひっくり返す程度でOK。

涼しげに見える以上に、風が入ってきて本当に涼しくなります。

ポケットチーフを活用する

ネクタイをしないジャケパンの場合、胸の華やかさはポケットチーフで演出すると納まりが良くなります。

このとき、白のリネンチーフでも良いのですが、シャツと共地のチーフを使うと色を拾ってくれるのでコーディネートが上手くいきやすいです。

シャツをオーダーするときに、余り布でポケットチーフを作って貰うようにすると良いと思います。

植物素材を上手く使う

多くのジャケットはウールやポリエステルが使われていますが、夏用の素材としては綿や麻などの植物系素材も涼しげでお薦めです。

ただし、100%植物素材にするとシワになりやすく、(素材にも依りますが)カジュアルになりすぎるというデメリットがあるため、ウールとの混紡を用いることで、ビジネス用途としても使いやすいものになると思います。

 

3.工夫の幅が狭いことを、どう解決するか

コメントを見ていると、やはり随所に垣間見えるのが「クールビズには工夫できる点が少ない」という嘆きです。特にトップスはジャケットとネクタイという「2大工夫出来る箇所」を失った点が大きいと感じました。

工夫できるのはシャツとズボンだけ?

アイテムが減ると,「少しだけ装いを気にしてる」感の演出が,加速度的に難しくなりますね。ネクタイがどれだけ装いに効果的なのかを,痛感させられます。。

――たらりこさん

ノーネクタイに長袖ワイシャツを腕まくりしてグレーのスラックスに合わせるのですが、多くの人が同じような装いとなるため「こだわってる感」がないかな? と毎年思います。

――ブレゲ好きさん

通常のスーツスタイルは一つの完成された様式美です。それを崩すにあたっては、ただ引き算して終わりではなく、引き算によって損なわれるものにも配慮が必要だと思います。気温20度台の前半でノータイにするなら、もう年中ノータイでいいじゃないか、という話にもなりますが、そういう問題じゃない、ということは、やっぱり「ただの引き算」じゃだめだってことだと思います。

――basicmanさん

スーツスタイルやジャケパンスタイルから、ジャケットとネクタイを取り払ってしまうと、布地の残りはシャツとズボンだけになります。

この2つだけで何かを工夫するのはとても難しいということが、みなさんが悩んでいるポイントだと思います。

形、素材、色から考える

それでは、みなさんはどうやってこの課題に向き合っているのでしょうか?

シャツの襟型は、カッタウェイ、ホリゾンタルカラー、フルワイドを着用することが多いのですが、鎌倉シャツの曲がるカラーステイを愛用しています。500円と安く、簡単に襟に表情を付けることが出来るので気に入ってます。

――seintseiyaさん

茶系・リネン・コットン(シアサッカー含む)のジャケット/パンツ,明るい青や赤のホーズ,レザーメッシュベルト,タッセルローファー,時計のNATOベルト交換などです。

――たらりこさん

シャツの襟型で変化を楽しむ方もいれば、ベルト、靴、靴下、時計などのアイテムを活用するという方法もあるようです。

私自身は確定的な答えに行き着いていないのですが、上の2コメントのTipsに加えて、シャツとズボンの素材や色を合わせるようにしています。

例えば、麻のシャツには麻混紡のズボンを、水色のシャツには合いやすい薄茶系統のズボンをといった具合です。

もちろん、アクセサリーをつけたり、デコレーションのあるシャツにしたりという「足し算」をする手法もありますが、ビジネスウェアという前提がある以上、難易度が高くおすすめしません。

まずは、選ぶアイテムの形(襟型の工夫やメッシュベルトへの交換など)と、素材や色などのコーディネートを意識し、ベーシックなところから変化をつけていくと、失敗が少ない様に思いました。

 

4.おわりに

当初、「どの様にドレス度を落とすべきか」「ドレス度を落とすときに何に気をつければ良いか」といった観点でまとめようと考えていました。

しかし冒頭記載したとおり、参考になるコメントを多数頂けたことと、それを見ると「ズボン+シャツ」というスタイルがクールビズのなかば標準として成立しており、当初の観点だと「ポロシャツは許容されるのか」「Tシャツはどうなのか」という内容くらいしか議論の余地がなさそうなことが分かりました。

そこで、皆さんのコメントを中心にして、わたしの意見を付け加える構成に変更してみました。(とはいえ、需要があれば別途追加で上記観点の記事も書きたいと思います。)

ボトムスやクールビズ全体に対しては次回以降取り上げたいと思いますので、引き続きコメントがありましたらお気軽にコメントをいただければと思います。

 

 

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