みなさんは雨の日、どのような靴で出社していますか?
雨用靴はストイックな靴好きの方からすると邪道といわれてしまうかもしれませんが、外出時の心理的負担が減るので、とても重宝しています。
以前、スーツ用の雨用靴として、チーニー製のダイナイトソール(スパイク状のゴム底)+モンクストラップの靴をレビューしました。今回は第2弾として、ゴアテックス認証がついたREGAL製の雨用靴を購入してみましたので、レビューしてみます。
1.ジャケパン用の雨用靴がほしい!
今年は職場の雰囲気もあり、従来より早い6月の初めから、クールビズのジャケパンで出社する事にしました(いつもは梅雨明けくらいまで三つ揃いで粘っていました……)。
折しも梅雨時。先日導入した雨用靴もローテーションに投入しようかと考えましたが、ジャケパンに黒色はコーディネートが難しいということもあって、茶色の雨用靴を一足ほしいと思うようになりました。
2.コンセプトはゴアテックスとモンクストラップ
今回雨用の茶靴を選ぶに当たって、2つのコンセプトを設定しました。
コンセプト1:防水と透湿を両立するゴアテックスを選ぶ
実は以前から、防水と透湿を両立できるゴアテックスの靴を一足ほしいと考えていました。
というのも、雨用靴の多くは防水性を高めるため、ソールが吸湿性の無いゴム底であったり、甲革も湿気を通しにくい素材であったりするのですが、ゴアテックスは防水性と透湿性の高さをウリにしていて、これまでレインコートでその快適さを自身で体験済だったからです。
ただ、ゴアテックスはその利用に厳しい認証を取得する必要があり、そのための労力(製造や手続き)がかなり大変なのだそうです。
そんな中、リーガルはこのゴアテックスの認証を取得した製品を多数製造しているため、せっかくなのでこの機会にゴアテックスを使った製品から選んでみることにしました。
コンセプト2:汎用性の高いモンクストラップを選ぶ
モンクストラップシューズとは、紐では無くベルトで靴を足に固定するタイプの靴をいいます。
基本的にドレスシューズは紐靴が前提ですが、モンクストラップについては例外的にドレスシューズに準じた扱いをうけることができます。
一方で、カジュアルに着こなす際も違和感がないため、ドレス、ビジネス、カジュアルを問わずにコーディネートできるため、大変重宝します。
そして、一々紐をほどかずに靴を脱ぐことが出来るため、出先での靴の脱ぎ履きが多い日本のビジネス環境にもマッチしたスタイルで、汎用性の高さはピカイチです。
前回の雨用靴(黒靴)選定に当たっても、このような理由からモンクストラップを選びましたが、やはり便利だったので今回も同様にしたいと思います。
3.実際に購入してみる
REGALは、個人的にはスコッチグレインと双璧を成す、日本が誇る質実剛健な靴ブランドだと思います。
グッドイヤーウエルテッド製法にこだわっていて、直営店も多く、低価格/高コスパ、そして上場企業(株主優待有り^^;)という、新入社員にとりあえず薦めたい靴ブランドNo.1です。
そしてちょうど今、リーガル直営店のシューズストリートでセールが始まったこともあり、今回はこちらから購入してみることに。
なお、セールも理由の一つですが、返品交換が実質無料(10回まで、記事執筆時点。)という点も大きいです。
到着
金曜日に注文しましたが、即日出荷され、土曜日の午前中に到着しました。
公式通販は出荷が遅い事が多いのですが、ここは迅速です。
REGALのイメージカラーである赤の靴箱です。
注文した靴
今回はこの2足を注文しました。
- 03MRCF(写真上)、定価\38,880→\31,104(20%OFF)
- 707RBH(写真下)、定価\34,560→\27,648(20%OFF)
とてもよく似ていますが、2が通常のゴアテックスで、1がゴアテックスサラウンドという、より通気性/透湿性を重視した仕様です。
そして、2の方が若干色が濃く、かつロングノーズです。
まずはどちらを購入するか、外観や実際に試し履きをしつつ、比べてみました。
4.どちらを買うか……比較してみる
1足目(03MRCF)
まず特徴的なのはこちらのソール。
蜂の巣状に通気孔が配置され、いかにもハイテクなソールです。
この奥に、ゴアテックスの特徴である、防水/透湿性のメンブレンシートが控えています。
異物が入らないようにするためか、ハニカム状のアウトソールの奥に、メッシュのシートが見えます。
ハイテクなソールですが、正真正銘のグッドイヤーウエルテッド製法です。
ただし、ソール交換は1回までとのこと。(2足とも。)
ヒールは普通です。
価格は20%OFFのセールで、3万1千円程度。
リーガルとしては高めの価格帯ですが、使っている金具や縫製の品質は、かなり高いように思います。
また、雨用靴にしては勿体ないくらい、革質も上等です。
ゴアテックスサラウンドのロゴ。
タグも同梱されていました。
土踏まずよりも先は、通気性の高そうな素材になっています。
シューズストリートの記載によると、靴下状にゴアテックスのメンブレンに囲まれているため、足下だけでなく甲革からも水の侵入を防ぐそうです。
アメリカ系やアウトドア系の靴に多い、ヒールまでウエルトがある仕様です。
2足目(707RBH)
2足目。1足目よりも若干安く、20%OFFで2万7千円強でした。
こちらは、ビブラムと共同で開発したソールとのこと。
1足目に比べて湿気を逃がす機能は下がると思いますが、見た目としてはこちらの方がエレガントです。
ゴアテックスサラウンドではなく、通常のゴアテックスです。
タグも普通のゴアテックと同じものが同梱されています。
バックルは1足目よりもカジュアルな印象です。
ノーズも、濃いめかつグラデーションになっていて、結構カジュアル寄りに倒している印象です。
並べてみる
左が2足目、右が1足目です。
こうして見ると、色の違いと、ノーズのデザインの違いが良く分かります。
上が1足目、下が2足目です。
バックルは1足目の方がビジネス向きといった感じです。
上が1足目、下が2足目です。
足入れをした感触に、余り違いは感じません。何れもサイズ感はピッタリです。
※ なお、靴下は以前レビューしたグンゼのSEEKを履いています(→ 当該記事)
5.購入靴を決定
結構悩みましたが、1足目の靴にしました。理由は以下の通りです。
- ゴアテックスサラウンドの強力な透湿性を体験してみたい
- ビジネス用途に相応しいディテール
- 色が薄いため、手入れをしつつエイジングが楽しめそう
靴好きの方からは、蜂の巣(ハニカム)構造のソールは邪道だと言われてしまいそうですが、1足目の03MRCFを購入することにしました。
2足目は返品に。
事前にサイトのフォームや電話から返品の連絡をした後、着払いで発送します。(写真ではこの状態ですが、当然緩衝材を入れて動かないようにして送ります。)
6.履きおろす前に手入れ
靴は、履きおろす前には、乳化性クリームで手入れをし、油分と水分を加えることが重要です。
今回、REGAL直営の公式サイトから購入した事もあって、革質はみずみずしい状態ではありましたが、もう少しドレッシーに化粧(靴磨き)をすることにします。
シューツリーを入れた上で、イングリッシュギルド ビーズリッチクリームを全体に塗布してしっとりとした輝きを出した上に、つま先/側面/踵にトラディショナルワックスで艶を加えてみました。
つま先。
鏡面状態まで磨き上げると嫌らしい感じになるため、少し光る程度にしました。
側面。上が磨いた後、下が磨く前です。
全体的に上品な艶が出るようにしました。
あとは、雨の日に履く際は、直前に防水スプレーを掛ければOKです。
7.実際に履いてみての感想
足がサラサラなのは凄い
まず、履いていて思うのが(当たり前ですが)ほとんど蒸れを感じないことです。
さすがゴアテックスといったところですが、冒頭にも記載したとおり、雨用靴は総じて――それもこれからの季節は特に蒸れやすい為、この点は非常にうれしいです。
一日履きっぱなしでもサラサラでした。
意外と美しい
意外と、というのは失礼ですが、革質が防水性の高い靴とは思えないほど美しいです。
特に、ちゃんと手入れをして輝きを追加すると、とても3万円の靴には見えません。
滑りにくい
蜂の巣状のソールが幸いしてか、とても滑りにくいのです。
これは、ダイナイトソールよりも上で、運動靴並といってよいでしょう。
これから見極めが必要な点も
実際に雨の日に履いてみましたが、敢えて水たまりに足を突っ込んでも、水が靴の中に入ってくることはありませんでした。
とはいえ、今後数年掛けてこの性能が維持されるかは、見極めが必要ですね。
また、履き口が若干硬い印象がありますが、ここもエージングでどの程度変わっていくか見ていこうと思います。
8.おわりに
防水と透湿を謳う靴が、ここまでクラシカルな上品さを纏っていることに驚きました(ソールはハイテク感満載ですが^^;)。
だいたいこの手の機能を謳う靴は、運動靴的な外観や、ビニール然とした甲革を伴う事が多いと感じていましたが、これなら靴好きの方も納得できると感じます。
さらに、雨用靴として限定するのでは無く、晴れた日にも活躍しそうです。執務中や会議中に靴を脱ぐ方をお見かけしますが、ゴアテックスサラウンドの革靴をお使いになって、快適な足下を手に入れてみるのも面白いですね。
リンク
- REGAL 03MRCF(今回購入した靴)
- イングリッシュギルドビーズリッチクリーム(手入れに使用した靴クリーム)
- トラディショナルワックス(光沢出しに使った油性ワックス)