靴の購入

REGAL TOKYO「工房九分仕立て」体験記(後編)

投稿日:平成29年(2017) 12月3日 

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リーガルのビスポークサロン「REGAL TOKYO」の工房九分仕立てオーダー体験記。今回は後編です。

工房九分仕立てを選んだ理由、オーダーの流れ・ポイントなどを紹介した前回に引き続き、納品された靴の外観や履き心地のレビュー、既製靴との違い等について、考えてみたいと思います。

7.前編のあらすじ

ビスポークスーツが快適ならば、ビスポークシューズも既製靴より快適なのでは? という単純な理由で、革靴の誂えを摸索していました。

そんな中、知人のすすめもあり、リーガルのビスポークサロンであるREGAL TOKYOに行くことに。

当初は木型からオリジナルを作る、ビスポークラインでの製作を考えていました。 しかし、職人のアドバイスもあって、曰く「リーズナブルな価格で誂え靴のクオリティと履き心地を味わえる」九分仕立てを選択しました。

九分仕立てを選んだ詳しい経緯や、オーダーのポイントなど、詳細は前回の記事をご覧下さい。。。

 

8.納品

注文から3ヶ月後。店舗から完成したとの連絡が入り、再び東京・銀座のREGAL TOKYOに出向きました。

まずは、自身のオーダーした内容と相違が無いか確認し、試着をさせてもらいます。

このとき、足に違和感があれば、無償で革のストレッチなどを行ってもらえるようですが、私の場合は木型があっていたのか全く問題がありませんでした。

会話を楽しむ

特徴的だったのは、出来上がった靴を梱包するまでにゆったりとした時間が流れていたことです。

というのも、店の担当者が、その場で納品される靴を軽く磨いてくれるのです。

靴ひもをほどき靴墨をつけての磨きなので、当然10分程度かかります。しかし、私にとっては専門家に革や靴について質問できる貴重な時間だったので、とても短く感じました。 注文時の丁寧な説明と同様、顧客に対する姿勢には好感が持てました。

もちろん、お急ぎの場合や、会話が苦手な方は省略してくれると思いますが……^^;

 

9.外観レビュー

開梱

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こちらが持ち帰ってきた状態です。リーガルとは異なる、REGAL TOKYOオリジナルの高級感のある紙袋です。

 

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シューズボックス。こちらも特製です。

なお、ビスポークラインの場合は、桐箱になるのだとか^^;

 

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箱をあけたところ。

紫の布は、シューズバッグ(靴用布袋)です。特徴的な紫色は、REGAL TOKYOのイメージカラーとのこと。

 

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今回は、初回と言う事もあり、ベーシックなストレートチップにしてみました。

 

詳細画像レビュー

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側面(いわゆるサイドウォール部)にツヤが見えるのは、納品時の磨きによるものです。

 

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こちらが純正のシューツリー。オプション(2万円ですが……^^;)でつけることが出来ます。

前回も書きましたが、靴の木型を元に、削り出しで作られ、商売っ気のない職人に「オススメ」と言わしめた逸品です。

 

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確かに、とても美しく、当然靴にジャストフィットします。バネが使われていないため、革が意図しない変形をすることもありません。

価格同様、重量もヘビーで、片足480グラムもあります(標準的なところでは、DIPLOMATが320グラム、コロニルが250グラムくらい)。

とはいえ、とてもシャープで高級感があり、これぞ仕立て靴のシューツリー、といった趣(おもむき)です。(通気性を損なうニスを塗っていないのも好感触です。)

 

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踵部分のインソール。9割が手縫いであることを表す「9/10」のロゴがみえます。

 

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今回選んだのはスクエアトゥ。スクエアとはいえ、とても上品な丸みがあります。

 

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コバの仕上げも、とても美しいです。

 

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踵は完全な垂直では無く、下に行くに従い細くなるピッチドヒール。

端正で、ビスポークシューズ(といっても、今回は九分仕立てですが)ならではの意匠です。あからさまな角度で無いのも好印象。

 

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縫い目はとても正確、かつ綺麗です。

 

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靴底は半カラス仕上げにしました。

 

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このレベルのくびれ(土踏まずの部分)は、既製品の靴にはまず出せません。一見して「おっ」と思うレベルです。

 

10.履き心地レビュー

納品後、実際に仕事で何度か履いてみましたので、その感触をレビューしてみます。

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最初から「履き込んだ靴」レベル以上

既製のグッドイヤーウエルテッド製法の靴も、その履き心地は大好きです。特に、オールソール(靴底の交換)手前まで長期間履き込んだ靴の、足へのフィット感は格別です。

しかし、その上を、しかも新品の状態から体験できるのがコレでした。 表現は難しいのですが、靴が足に吸い付く感じを味わえます。

走れる革靴

前編の記事コメントにも、同様の表現をした方がいらっしゃいましたが、私も実感したのが「走れる革靴」でした。

当然、ゴム底の運動靴には負けますが、多くの既製靴は革底に「板」のような感覚があるのですが、こちらは全くありません。

ハンドソーンの靴は他にも持っているのですが、それらと比べても別格の履き心地です。

 

11.値段分の価値はあるか

今回は、シューツリー等のオプションをつけたため若干高めになりましたが、標準仕様だと11万円です。

正規販売価格で、Crockett and Jonesのハンドグレードラインと同程度か少し高いくらい、Edward Greenよりも安い、といったところでしょうか。

好みの問題もありますが、正直革質や縫製の品質はC&Jやグリーンと同等かそれ以上、そして履き心地は(製法が違うので卑怯な比較ですが)別格でした。

確かにブランド力はC&Jやグリーンには劣るかも知れませんが、実質を見ると、十二分に選ぶ価値のある靴だと思います。

リーガルが眼中に無かった方にこそ、オススメしたい

特に、(私を含め)リーガルを「普及靴」「日本製ミドル層」と、ある種見下す傾向のある輸入靴好きの方にこそ、オススメしたいです。

高級舶来時計好きの方が、一周回ってグランドセイコーを好きになる、そんな体験が靴でもできるかもしれません。

そして、「良い靴ですね! どんなメーカーなんですか?」と靴好きの友人に聞かれたときに、「いやぁ、リーガルだよ」と涼しい顔で返答する体験もできるでしょう^^; というのは妄想です……。

 

 

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