男性、特に髭を蓄えていない(蓄えられない)サラリーマンがほぼ毎日、毎朝行うのが髭剃りです。
今回、丁度底値になったこともあり、4年前に購入したラムダッシュを新しいモデルに買い換えてみましたので、以前レビューした旧製品との比較をしつつ、ご紹介します。
1.買い換えた理由
現在利用しているのは、4年前にレビューした5枚刃のラムダッシュ「ES-LV74」です。
その後、外刃は毎年、内刃は2年に1回交換しつつ、ほぼ毎日酷使してきましたが、いくつか問題が出てきました。
理由1:本体の臭い――自動洗浄器の不具合?
パナソニックの自動洗浄器は、フィリップスやブラウンとは異なり、アルコール系の溶剤を使用せず、水道水で希釈するタイプです。
そのため、ランニングコストが低く経済的なのですが、一方で洗浄液交換期限である1ヶ月が近くなると、臭いが気になるという欠点があります。
そしてここ最近、洗浄液交換から僅か2週間で臭いが気になるようになってしまいました。
本体を手作業で洗浄しても改善しないため、もしかしたら自動洗浄器の方に問題があるのかも知れません……。
理由2:充電時の接点不良
ラムダッシュは、自動洗浄器に本体を置くと同時に充電される仕組みになっています。
ある朝、髭を剃ろうと思ったらラムダッシュが動かないことがありました。理由は単なるバッテリー不足だったのですが、原因は自動洗浄器に置いたときに充電しなくなっていたためでした。
接点部分を拭いたり、何度か置き直すと充電できるのですが、また1週間後に同様の事象が再発しました。
理由3:今が底値?
ラムダッシュは毎年7月~8月に新製品が発表されるのですが、そのため毎年6月が旧製品の投げ売りが始まります。
今回は丁度そのタイミングだったこともあり、新製品に入れ替わって値段がつり上がる前に購入を決断しました。(そのため、発売当初4万円近くだったものを、2万5千円で購入することが出来ました。)
なお、ラムダッシュは毎年新製品を出していますが、大きな仕様変更は2~3年に1回程度のため、今回は7月の新製品発表を待った「人柱レビュー」ではなく、「ギリギリ新製品」の単なる感想文になっています。
とはいえ、これでメジャーバージョンアップがきたら人柱したくなるんだろうなぁ……^^;
2.外観レビュー
ということで到着したのがこちら。ラムダッシュ「ES-LV7C」の自動洗浄器付きです。
このグレードには青色と茶色があるようですが、前回購入したのは青色だったので、今回は茶色にしてみました。
また、洗浄器の有無は3,000円くらいしか違いませんが、手間かずいぶんと違うので、個人的には洗浄器付きをオススメします。
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開封
箱の説明を見ると、前回から新しくなっている主な点は以下の通りです。
- 密着トレースヘッド から 3Dアクティブサスペンション へ
→ ヘッド部分の可動域が向上したようです - スムースローラーの新設
→ ヘッド部分が肌の上で滑りやすくなったようです - クイックスリット刃 から パワークイックスリット刃 へ
→ 寝たくせ毛を引き起こしやすくなったようです(説明によると性能が2倍向上しているとか)
上記の変更点については次項以降、実際に使いながら確認します。
開けたところ。
ちなみに前回はこんな感じでした。すこしシェーバーの収まっている角度が違うかも知れません。(ヘッドがさらに大型化しているのでそのせいかも。)
自動洗浄器
まずは自動洗浄器を取り出します。前回と全く見分けがつきませんが、ES-LV7Cの大型化したヘッドが入るよう、マイナーチェンジされています。(ということで、古い自動洗浄器の流用はできませんので、ご注意下さい。)
ボタンの配置もかわらず。
洗浄液のタンク。こちらもほぼ同じ形状です。
本体
こちらが本体です。ヘッドには持ち運び用の保護カバーがついています。
カバーを取るとこんな感じ。
従来の物と比べると、2本の金色のバー(スムースローラー)が目立ちます。
ネック部分のデザインも変更になっています。
そして、これはデザインだけで無く、ヘッド部分の可動域向上にも大きく関わってます。
ヘッドの付け根をよく見ると、縦横に関節がみえます。これ、けっこう特異な機構で、本体を少し揺らしただけでブルンブルンとかなり自由自在にヘッドが動くのです。
従来の物でも上下左右に動くのですが、これよりかなり可動域が広くそして軟らかくなった上、前後(本体軸方向)にも動くようになりました。
WEBで事前にリサーチした際、ここの改善点についてはあまり違いは無い部分だろうと考えていたのですが、実はかなり大きな変化でした。(そり味にかなり影響するのですが、この点については後述します。)
キワ剃り刃。
こちらは殆ど変わりません。
外刃は1年、内刃は2年で交換が必要です。
このあたりは、フィリップス(内刃と外刃がセットで、2年に1回で良い)の方が良いですね……。
指の置き場所ができました。
これまで、剃っている最中に誤って電源ボタンを押してしまう事があったのですが、これで防げます。地味に嬉しい改良です^^;
こんな形で自動洗浄器に入ります。
以前のもの(上記写真)に比べ、本体自体は若干スリムになった印象です。
3.使い心地
続いて、実際に2週間毎日使ってみての感想です。
本体
旧製品から改善した点は、概ね、上述した3つの新機能に沿った内容になりました。
サスペンションが凄い
一番地味な変更点だと思っていたのですが、「3Dアクティブサスペンション」がかなり良い感じです。
手荒にヘッドを押し当てても、リムジンのサスペンションのようにふわっと力を吸収し、適切な強さと角度で肌に密着させてくれます。
これまでは、シェーバー本体の持ち方や角度、力のいれ具合などで、そり味や肌への負担がずいぶん変わりましたが、そんな「熟練の感覚」はもう要らないのかも……。
くせ毛には、かなり有利になった
以前は、ラムダッシュはくせ毛の扱いが苦手な印象があり、くせ毛はフィリップスを使い分けて処理していました。
しかし今回の改善で、1往復でとは言えませんが、2~3往復でくせ毛が綺麗に取れるようになりました。
「クイックスリット刃」のお陰なのでしょう。
首の上部から顎の裏に掛けての処理は、まだフィリップスの方が向いている気がするものの、(私のように)物好きで無ければ、もはやフィリップスとの併用は不要ですね。
汗ばんだ肌でも良く滑る
5枚刃のシェーバーは、その仕組み上、夏場の髭剃りは苦手だと感じていました。というのも、汗ばんだ肌が、面積が大きいヘッドの摩擦抵抗をいっそう増やし、剃りづらくなるからです。
しかし、「スムースローラー」の新設で、汗ばんだ肌への引っかかりが、かなり改善した様に思います。
とはいえ、プレシェーブローションは出来れば引き続き使った方が良いと思います。(参考記事「電気シェーバー用「プレシェーブローション」を考える」)
操作性が地味に向上
操作性や、取り回しが良くなった気がします。具体的には以下の通り。
- 電源ボタンがON/OFFの2択になった(旧製品は、ON状態からOFFにするのに、2回クリックが必要)
- 親指を添える位置が新設されていて、電源ボタンを誤操作しにくくなった
- ヘッドLOCK、キワ剃り刃のスイッチが操作しやすくなった(スイッチのストローク距離が改善)
ただし、電源ボタンのロック機構について、物理式(電源ボタンの隣にあるノブを動かす)から電子式(電源ON中に電源ボタン長押し)に変わった点については、この機能を多用していた方には不満があるかも知れませんね。
自動洗浄器・ほか
これまで通りといったところで、自動洗浄器とその他の附属品については、旧製品との機能的な違いは見つけられませんでした.
ただし、上述したとおり、ヘッド部分の大型化に伴って、自動洗浄器の装着口附近の形状が変化していますので注意が必要です(互換性はないものと思った方がよさそう)。
しっかり洗ってくれ、またランニングコストも(他社製品に比べ)あまりかからず良いのですが、音がうるさいこととアルコール不使用に由来する(気持ちの問題だけかも知れませんが)スッキリしなさの2点については、まだ改良の余地はあるのではと思います(少なくとも、アルコールを使用したカートリッジがあれば、交互に使うのに……とも思います)。
4.総評
結果的に買い換えに満足
当初の購入動機は、旧製品の不具合(永く使ったため)でした。
事前に旧製品との機能差分を確認していましたし、外観もWEBからみることが出来たので「殆どかわっていないのでは……」と余り期待していませんでしたが、蓋を開けてみると大満足の結果でした。
個人的にはフィリップスの9000シリーズ(以前レビューしました)が好みでしたが、こちらは上手く剃れるようになるのに慣れが必要で、また習熟に個人差で時間がかかり、人を選ぶという欠点がありました。一方、万人受けしやすいラムダッシュも、特にくせ毛の処理や肌への密着性などに関して9000シリーズに比べてもう一歩……という感じでした。
しかし今回のラムダッシュの進化で、お勧めの一本を訊かれれば、躊躇(ちゅうちょ)無くラムダッシュを推奨出来るようになったと感じました。(とはいえ、個人的にはフィリップスも併用するつもりですが……。)
コストメリットも十分
髭剃りに2万5千円も? と感じる方が居るかも知れませんが、髭剃りはスマホに次いで、同じものを毎日使う道具の一つですから、使い心地にはこだわりたいところ。
そして、自分の見た目にも影響し、さらに忙しい朝に使う物ですから、仕上がりの美しさや早さも追求すべき道具であると思います。
今回の完成度を見ると、2万5千円は十分に価値のある投資だと考えました。
日本式「少しアップデート」は止めて欲しい……
最後にすこしグチを。
日本の電化製品は全般的に、毎年ほんの少しの変更点を加えたのみで「新製品」として売り出す傾向があります。
これでは、自分が使っている製品と、最新版との差異が分かりづらくなるばかりか、「ほんの少し仕様変更した”自称新製品”だらけだよなぁ」と感じ、本当に大幅バージョンアップがあったのにもかかわらず、その事実が伝わらなくなる可能性すらあります(狼少年アップデート? ^^;)。
「製造ラインを流用し僅かな変更点による省コストで旧製品の陳腐化を狙い、買い替え需要を促す作戦になんか騙されない!」とひねくれた考えを持つのは私だけでは無いと思いますが、今回はその思いが良い意味で裏切られた結果でした。
やはり製品のアップデートは、消費者に分かりやすい様にしてほしいものですね……。
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