シューケアグッズのレビュー

靴クリームの比較と選び方

投稿日:平成28年(2016) 7月10日  (更新:平成29年7月24日)

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先日、モゥブレィの靴クリーム値上げのニュースか発表されました。2年連続での値上げに驚かれた方も多いのでは無いかと思います。

初めての靴磨きで、とりあえず買っておけば良い靴クリームは? と訊かれたら、クセのなさと価格の安さでモゥブレィを薦めていただけに、とても残念なニュースでした。

それでは、新しいお薦めの靴クリームはどれなんだろう、ということで、今回は靴クリームについて考えてみたいと思います。



1.M.モゥブレィブランドの値上げ

本題に入る前に、情報共有も含めてモウブレイブランドの値上げについて触れておきたいと思います。

2年間で約30%の値上げ

モゥブレィの販売元であるR&Dが今月1日、平成28年8月1日から、靴クリームである「シュークリームジャー」を100円値上げすると発表しました。

価格改定についてのお知らせとお願い|R&D、(WEB魚拓

実は昨年も同じ時期に100円値上げされています(価格改定についてのお知らせ|R&D、<WEB魚拓>)。かつて700円だったモゥブレィの靴クリームは2年間で約30%も値上げされ、900円になってしまいました。

値上げの理由は原材料の高騰としていますが、3年前(当時モウブレイは700円)に競合製品であるサフィールのビーズワックスファインクリームも800円から900円に値上げしており、マーケティング的な意味合いがあるかも知れませんね。(趣味性が高い製品は安すぎると逆に売れない事がある)

デリケートクリームも値上げ。。。

また、デリケートクリームも同時に値上げされ、1000円の大台に乗ってしまいました。

デリケートクリームをバンバンつかう磨き方をしている方には、つらい時代かもしれませんね……。頻繁に使う方は、以前ご紹介(「ラージサイズのデリケートクリームを買ってみました」)したラージサイズをおすすめします。

 

2.靴クリーム比較表

続いて、お薦めの靴クリームを選ぶ上で比較表を作ってみます。私が使ったことのある製品で現在購入可能な靴クリームから選んでみました。

「勝手に評価」の部分は、実際に使ってみた個人的な感想です(かなり定性的な評価なので鵜呑みにしないで下さい)。3段階評価で、数字の大きい方が良いことを意味します。

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H29.5.14追記:
イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム」については、当初、ビーズワックスの使用や粘性、仕上がり光沢の強さから「油」(油脂分の強い乳化性クリーム)に分類していましたが、水に溶けやすいなどサフィールというよりはモウブレイに近い、ここでいう「水」タイプのクリームに分類すべきと結論を変更しましたので、訂正しました。また、保革を1→2に、総合も2.1→2.3に修正しています。正直、「水」タイプでここまで光沢が出るクリームは珍しく、オススメの一本です。

こうしてみると、極端な点数の善し悪しがつかないことが分かります。次章の「選び方」でも言及しますが、自分の磨き方や好みで選んでいく必要がありそうです。

なお、製品の紹介については、最後に一部触れたいと思います。

ポスト・モゥブレィは……

改めて思ったのは、モゥブレィはやっぱり良心的な値段だった、ということです。確かに値上げは残念ですが、保革、補色、艶出しなど基本的なところをしっかりこなしながら、700円というのは、虫が良すぎたのかも知れません。

もし、モゥブレィ以外で「最初の一本」に推すのであれば、有機溶剤の香りを我慢できればコロンブスのシルバーを、だめならサフィール(通常ライン)ですね……。

モゥブレィシュークリームジャーの新価格である900円は、許容ラインなのかもしれません。

通常ラインは乳化性の800円~900円、高級ラインは油性の2,000円

モゥブレィ、サフィール、コロンブスともに、800円~900円の通常ラインと2,000円位の高級ラインの2種類を出していることが分かります。(モゥブレィの高級ラインはイングリッシュギルドブランド)

そして面白いのが、通常ラインは乳化性の水分が多めのクリーム(比較表では傾向「水」と表記)、高級ラインはビーズワックスを謳った油性クリーム、ないしは油脂分が多い乳化性クリーム(いずれも表では傾向「油」と表記)、と言う事です。

次章の選び方でも言及しますが、高級ライン(油性クリーム)はデリケートクリーム込みで使う事をお薦めするので、高級ラインを使う人 → 手間を掛けられる趣味人が多い → 高い値段でも買ってくれそう! という構図なのでしょうか^^;

ちなみに、サフィールノワールのクレム1925がリニューアルするまでは、3社ともに高級ラインは瓶の形までそっくりでした。

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※ 左からイングリッシュギルド、サフィール(旧製品)、コロンブス。サフィール以外は公式サイトからの引用。

ヴィオラよりサフィールの方が色数が多い

意外なところでは、サフィールの通常ラインの方が、色数に定評があるヴィオラよりも色展開が多い事です。

その数76色。一方ヴィオラは元々60色でしたが、リニューアルに伴って42色に減ってしまいました。薄い色の靴や、革小物など、微妙な色柄向けには、サフィールを使うのが良さそうですね。

 



3.自分に合った靴クリームの選び方

続いて、沢山ある靴クリームから、どれを選んだら良いのかを考えてみます。実際に使い比較するのが一番ですので、できれば色々な種類の製品を試してみることをお薦めします。

選び方①:価格にこだわりすぎるのも良くない

さんざん価格について言及しておきながらアレですが、個人的には靴クリームは価格で選ぶべきでは無いと考えています。

というのも、靴クリームはガンガン減るものではなく、沢山靴をお持ちの方でも、一瓶で数ヶ月は持つはずです。(塗りすぎは靴に良くないです。)

従って、出来れば、クリームの性格を把握し、自分の磨き方と合う物を選んだ方が幸せになれるのではと思います。(もちろん、10年20年と使い続ければそれなりの差にはななりますが……。)

選び方②:水分と油分を見極める

靴の革にとっては、水分と油分の両方が必要です。当然、靴クリームには両方入っているはずなのですが、その配分はクリームによって大きく異なります。

当然、水分がキチンと含まれている方が保革には良いのですが、艶やクリームの伸びは油性クリームの方が上です。

そのため、油性クリームが好き、という方も私を含め多いと思いますが、使う際はデリケートクリーム等の水分を多く含むクリームを併用することがベターです。

ということで、オールインワンで靴磨きをしたい方には水分が多めの乳化性クリームを、手入れの時間が多めに取れ、より光らせたい方は油性クリームをお薦めします。

(参考)見極め方として、ある靴クリームメーカーの方に教えて戴いた方法が、クリームが水で溶けるかどうか。溶ければ、乳化剤(水と油を混合させる薬剤)が入った水分が比較的多めなクリームとのこと。

選び方③:香り

靴クリームは、種類によって全く香りが異なります。(目隠しして、香りだけで種類を言い当てられるとおもいます。)

当然、閉め切った玄関で靴磨きをしていると、その香りか充満するわけで……。

特に、有機溶剤系の香りが苦手な方は注意が必要です。比較表の「香り」が1になっている物は、有機溶剤の香りが強いものです。

ビーズワックスの甘い香りが好きな方は、「傾向」の「油」を選ぶと、良いかも知れません。

 

4.(参考)常用している靴クリーム

最後に、私が常用している靴クリームをご紹介します。(分かりやすいので、モゥブレィと比較しながら進めます。)

① サフィール ビーズワックスファインクリーム

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通常ラインの乳化性クリームなのに、ビーズワックスが配合されているクリームです。フランス製。(クレム1925程ではないですが、僅かながら甘い香りがします)

そのためか、モウブレイよりも若干仕上がりの光沢が強い感じがします。

時間が無いけど靴磨きが必要、ただ少し革が乾燥しているかも……なんて言うときに、よく使っています。

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②サフィールノワール クレム1925

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サフィールの高級ライン「ノワール」の靴クリームです。油性タイプの代表格ですね。使用頻度はかなり高めです。

リニューアルされる前よりも、若干感触が軟らかくなりました。以前は100mlの丸瓶に入っていましたから、かなり思い切った値上げをしたという気がします。

また、少し多めに塗ると、まるで缶入りの油性ポリッシュで磨いたかのような輝きが出ます。防水効果も高いため、雨の前にもお薦めです。

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③ コルドヌリ・アングレーズ ビーズワックスクリーム

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シューツリーで有名なブランドですが、靴クリームも優秀です。リニューアル前のサフィールノワール(今のクレム1925)に近いです。

国内販売元が同じルボウなので、製造ラインの流用など何らかのつながりがあるかも知れませんね……。

少し固めのワックスですが、かなり伸びます。また、サフィールよりもさらにビーズワックスの香りが強いです。

ビンが縦長なため、ペネトレイトブラシが無いと使いにくいですが、100mlと大容量なので一度買うとかなり持ちます。サフィールが高すぎて……というかたにお薦め。

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④コロニル 1909 シュプリームクリームデラックス

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ドイツのメジャー靴ケアブランド「コロニル」の靴クリームです。以前は「ディアマンテ」という名称で販売されていましたが、その後継製品にあたります。

シダーウッドオイルとラノリンが主要成分です。 シダーウッドはシューツリーにも使われ、精油はアロマテラピーにも用いられる良い匂いがする成分です(ただし、苦手な人がいるかも……)。防カビや抗菌効果もある上、上品な光沢が出ます。

また、ラノリンはデリケートクリームの主要保水成分。革への浸透具合や使った後の革のみずみずしさは、多くの靴クリームを凌駕しています。

また、革を傷つけない新しい防水素材として有名なフッ化炭素樹脂も入っているため、降雨に備えることも出来ます。(こういった化学成分は好みが分かれるところですが、個人的に特段忌避していません。)

この様に、水と油による保革、つや、防カビ、防水などがオールインワンという、ドイツらしいかなり合理的な靴クリームです――が、欠点ははその価格ですね……。

価格はあくまで定価の話で、Amazonでは靴クリームには珍しく割り引き販売されています(並行輸入品なのかも)。下記リンク参照。

ただ、その欠点を補って余りある効果があると思いますので、忙しい方や、梅雨時にはかなりお薦めの靴クリームです。

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5.おわりに

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皆さんはお気に入りの靴クリームはありますか?

私のように、靴磨きが半ば目的化(趣味化)している人間にとっては、良い靴クリームを探すことも一つの楽しみになっています。

 

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こちらは、KIWI(缶入りの油性ポリッシュで有名ですね)の靴クリームです。日本未発売ですが、海外で偶然見つけて購入してしまいました。

珍しい靴クリームを見かけると、ついつい手を出してしまうんですよね……。 だいたい、いつも使っているクリームの方が良い、という結果になるのですが^^;

 

こんな良いクリームがある! という方、ぜひ試してみたいのでコメントをお待ちしています。

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