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グンゼのカットオフパンツ「AIRZ(エアーズ)ボクサー」人柱レビュー

投稿日:平成30年(2018) 7月22日  更新日:令和3年(2021) 2月8日 

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グンゼの新作「AIRZ(エアーズ)ボクサー」。先週の発売開始から妙にマスコミ露出が多く「新感覚の開放感」「まるで履いていない感覚」などと宣伝されています。

最初はあまり気に留めていなかったのですが、当サイトでも何度かレビューして個人的な大定番になった「グンゼYGカットオフ」と同じ技術を使った製品という事を聞き、早速購入しレビューしてみることにしました。

2種類あるエアーズボクサー同士の比較はもちろん、実際に履いてみた上で良い点と悪い点の考察や、以前レビューしたブロスグランデやSeparatec等の優秀な製品とも比べてみたいと思います。

※ なお、本稿で「パンツ」とは、下着のパンツを指します。(米語のパンツは、トラウザーズ、またはズボンと表記しています。)  また、本稿は男性用の下着に関するレビュー記事ですので、ご婦人がご覧になる場合はご注意下さい。

1.製品外観①(ノーマルタイプ)

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まとめて購入する場合は、割引やポイントがつくグンゼの公式サイトを利用するのですが、今回はレビュー用に2点(計3千円ちょっと)ということもあり、Amazonから買いました。(製品のリンクは記事末尾を参照下さい

 

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エアーズボクサーは、股上の違う「ノーマルタイプ」と「ショートタイプ」の2種類がありますが、今回は比較のため1つずつ購入しました。

なお、「ノーマルタイプ」は本稿での便宜上の表記で、製品名上にこの表現はありません。

パッケージ

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まずこちらがノーマルタイプ。色はチャコールグレーを購入しました。

他にも、ビヒッドな色や、虎柄など、結構なカラーバリエーションがあります。

 

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定価は1,500円で、YGカットオフシャツなどと同じ価格帯です。

ユニクロのエアリズムと比較すると高めですが、ワコールや海外ブランド等と比べると、一般的か、安いくらいです。

※ グンゼYGカットオフシャツについてはこちらの記事をご参照下さい「暑い時期、アンダーシャツの選び方(後編)

 

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パッケージの裏面です。

「ウエストゴムがない」「ウエスト・裾がカットオフ」「絶妙のフィット感」と、3つの特徴が記載されています。

また左下には、グンゼお得意の「カットオフ」技術を使用した製品であるとも明記されています。

 

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パッケージからは、この様に蓋を開けるとすぐに取り出すことができます。

プラスチックのクリップ等も使われておらず、ストレスフリーです(このあたりは大変好感が持てます)。

中身

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正面です。(下着のパンツも「前身頃」で良いのでしょうか。。。)

宣伝文句通り、裾はもちろん、腰の部分も切りっぱなしで、そしてウエストゴムがありません。

 

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洗濯表示は腰部分の裏側に、プリントで記載されています。

グンゼのカットオフでも、YGはアンダーシャツ/パンツともに縫い付けタグが基本。プリントは高級ラインであるSEEKで主に使われています。

このあたりは、グンゼの本製品に対する本気度を伺わせます。

 

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成分はレーヨン90%、ポリウレタン10%です。

化学繊維100%に見えますが、細かく言うと、植物由来の再生繊維が90%、石油由来の合成繊維10%ですね。

レーヨンはキュプラ(ベンベルグ)と同様、植物由来で吸湿性に優れるため、肌触りや使用感は良好……なはずです。

(この点は肌触りや素材にこだわるグンゼらしいところで、化繊100%のユニクロやワコールとは差別化できる要素ですね。)

 

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肌に当たらないようフラットな加工になっている、つなぎの目部分。

グンゼYGカットオフのアンダーシャツを着ている方にはおなじみでですね。

 

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▲ (参考)グンゼYGカットオフのアンダーシャツのつなぎ目

 

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後側。こちらは股の部分にしかつなぎ目はありません。

 

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裏返したところ。股間部分は二重になっていて厚みがあります。

前が開かない「前閉じ」仕様です。

 

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裾のカットオフ部分。綺麗な裁ち切りです。

 

2.製品外観②(ショートタイプ)・ノーマルタイプとの違い

続いて、ショートタイプを、ノーマルタイプとの違いを中心に見ていきます。

パッケージ

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先ほどはチャコールグレーでしたが、こちらはネービーブルーを買いました。

 

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金額や組成に違いはありません。

中身

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ノーマルタイプと似ているように見えますが……

 

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だいたい、このくらい股上が浅くなっています。

 

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すこし折るとよく分かります。

この違いが着心地にどう影響するかは、次項で見ていきます。

3.着心地

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さっそく2枚をそれぞれ1日ずつ、水を通してから着用してみました。

共通した感想

ウエストゴムからの解放は画期的

ウエストゴムは、締め付け感があったり、汗をかくとかぶれたり、脱いだ後に赤いすじが残ったりする原因になりますが、エアーズはこれが一切ありません。

トラウザーズ(ズボン)を履いて、ベルトをしても、ベルト附近にムレがあまり出ないのが良いですね。(ただし、お腹の大きな方は、ゴムによる固定が無いため、おさまりが悪いかも知れません……。)

慣れるまで少々履きづらいかも

一方で、ウエストゴムが無いことの問題点もあります。

通常、パンツはウエストゴムの部分を持って、履くと思います。しかしこの製品はウエストゴムが無いため、パンツ本体部分か、本体の端を引っ張り上げながら履かなければなりません。

本体部分はレーヨンが主成分で、肌触りはツルツル。そして、このツルツル感は絹にとてもよく似ているため(まぁ、「人絹」ですしね)、引っ張って破れてしまうのではと戸惑うわけです^^;

実際にはそんなダメージはないのですが、慣れるまでは少々履きづらいかもしれません。(ただし、レーヨンは水に濡れると耐久性がかなり落ちるため、その点はお気をつけ下さい。)

「カットオフ」の素晴らしさは健在

グンゼYGカットオフと同様、目立った縫い目がなく、さらに生地もスベスベなため、肌触りがとても良いです。

長時間椅子に座っているときや、寝ているときにストレスにならないため、大変大きなメリットです。

「開放感が新感覚」かは、移行元次第

「まるで履いていない感覚」などと宣伝されています。

たしかに、そのような感覚になるのだろうと思いましたが、これは、これまで履いていたパンツが古典的な木綿ブリーフやトランクスの方の場合でしょう。

YGカットオフやSEEK、ワコールのブロスグランデ、Separatec、ユニクロのエアリズム等々、伸縮性があって「ピッタリくっつくボクサーブリーフ」をこれまで履いて来た場合、履き心地に目新しさはないかもしれません。

吸湿性はあるが、通気性は限定的

レーヨンに一定程度の吸湿性があるため、あまりムレを感じることはありません。

しかし、化繊に比べて強度が弱い再生繊維を多くしたためか、比較的生地が厚い様に感じます。

また、メッシュ等の通気性を向上させる機構もないため、通気性は限定的です。

従って、通気性を求めるのであれば、機能性素材が主体のブロスグランデSeparatec、もう少しザックリとした生地を使っているYGカットオフのボクサーブリーフの方が良いでしょう。

ノーマルタイプとショートタイプの違い

ショートタイプについては、海外製の縦幅が薄いボクサーブリーフに似た感覚で、経験者の方はイメージし易いと思います。

どちらを選ぶかは、好みや上に着るズボンの股上次第かと思います(ローライズのズボンの場合は、ショートの方がいいかも)。使い分けについては項番4にまとめましたので、そちらを御確認下さい。

排尿時の違い

会社の小便器等、ベルトを外さずにチャック(またはフライフロント)を使って排尿したい場合は、ショートタイプがやりやすいです。

とはいえ、ショートタイプの浅い股上になれていないと、終わった後に「少し上がはみ出しているかも……」という感覚になることが有り、個人的には確実に収納できるノーマルタイプのほうが好みでした。。。

 

4.ノーマルタイプとショートタイプの使い分け

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前項にも記載したとおり、個人的には基本はノーマルタイプで良いのではないかと思います。

ただし、以下の場合はショートタイプを選ぶと良いでしょう。

  • より「開放感」を求める場合
    ← 個人的な感覚ですが、ショートタイプの方が開放感があるように思いました
  • カジュアル着かつローライズのズボンを着る場合
    ← シャツをタックインする場合に、パンツが透ける可能性があります
  • 排尿時にズボンを下ろしたくない
    ← 前閉じ仕様なので、ショートタイプの方がやりやすいです
  • 好みの色柄があった場合
    ← 単純に在庫が無いだけなのかも知れませんが、今のところノーマルタイプとショートタイプで色柄のバリエーションが異なるように見えます。

 

5.GOOD/BADポイント

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製品全体を通しての、良い点と悪い点を整理しておきます。

GOODポイント

  • ウエストゴムが無く、締め付け感やカブレから解放される
  • 再生繊維を多用し、吸湿性も良い
  • 高い縫製技術で、縫い目にあたる感覚が一切無く、肌に違和感が残らない
  • 生地の肌触りが良く、触っていて気持ちが良い

BADポイント

  • ウエストゴムが無い弊害として、慣れるまで少々履きづらい
  • せっかくのカットオフなのに、現状ベージュ色の展開がない(ベージュ色は、薄い色のズボンから透けにくいので重宝します)
  • 前閉じしかない
  • メッシュ等、もう少し思い切った通気性が欲しい

 

6.エアーズボクサーは買いか?

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最後に、エアーズは買いかどうかを考えてみます。

今のところ「やや買い」

少なくとも1,500円の価値はあると感じました。ただし、グンゼYGカットオフで感じたような、価格以上の(まとめ買いに走ってしまうほどの)感動は、残念ながらありませんでした。

また、この組成で、またウエストゴムが無い状態で、どの程度耐久性があるかを見極める必要があると感じたことも一因です。

とはいえ、各社しのぎを削る高性能パンツ(それも、フィット感を重視するタイプ)を何種類もレビューしてきた結果の評価ですので、かなり厳しめな採点だと思います。

 

今後の展開に期待

YGカットオフシャツと同様、通気性に優れる強撚素材のバリエーション追加や、前開きへの対応、ベージュ色の登場など、今後の展開に期待しています。

その時にはまた、レビューしたいと思います。

リンク

※ 本記事公開時点では、グンゼが宣伝を頑張りすぎたのか売り切れが続出している模様です。。。

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