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【カビ・結露】 冬の結露を防ぐ、5つの工夫

投稿日:令和4年(2022) 12月4日 

ketsuro

部屋の中で発生する、イヤーなカビ。いつのまにか靴や衣服にも現れ、絶望的な気分になります。

カビは、梅雨~夏場の、ジメジメした時期に発生するイメージがありますよね。

しかし、冬場、それも乾燥する太平洋側にも発生することがあります。

それは、結露によるカビです。気づいた時には、家具と壁、そして家具の内側や収納していた衣類/靴にもびっしりとカビが……というケースも。

今回は、家具や部屋の結露を防ぐ工夫を5つご紹介します。

結露とは

※結露の仕組みをご存知の方は、読み飛ばして下さい。

詳しくは書籍や他サイトに譲りますが、結露のポイントは以下の2つです。

  1. 屋外の寒さと、室内の暖かさに大きく差がある
  2. 家の中の湿度が高い

a. 屋外の寒さと、室内の暖かさに大きく差がある

こちらは、氷水を入れたコップを想像すると分かりやすいです。ぬるい水を入れたコップは結露しませんが、氷水だと簡単に結露しますよね。

これは、コップの周りの気温が下がることで、空気中に含むことができる水分量が少なくなり、水分が水滴に変わったためです。

また、寒い外から温かい室内に入ると、メガネが曇るのもこれです。

もちろん、家の断熱性能を上げれば結露は減ります。しかし日本の住宅は、あまり断熱を考慮されていないケースが多いのが現状です(特に賃貸や建て売り)。

b. 家の中の湿度が高い

温度差以外にも、湿度が高ければ、当然結露する可能性が高くなります。

一般的に、なにもしないと家の中の方が湿度が高くなります。それは、人の呼吸や汗はもちんろん、炊事や洗濯など、家の中には湿気を発生させる仕組みが多いからです。

また、冬場は風邪予防として加湿器を使う方も多いと思います。

 

以上の条件を踏まえた上で、私が実践している結露対策を5つご紹介します。

 

1.家具と壁の間にスキマを作る

タンスなど家具のカビは、壁側がじわりじわりと濡れ始め、やがてカビが生えてくる……というパターンが多いです。

これは、部屋と壁の温度に差があり、かつ壁と家具の間に空気が溜まった時に生じる現象です。本来は、壁内の断熱が良ければこんな事象は発生しないのですが、多くの家で起きうるのが現実です。

そこで、壁と家具の間を3センチ程度――できれば5センチ程度開けることで空気の流れができ、結露を防ぐ事ができます。(間を開ける場合は、地震で室内側に家具が倒れてこないよう、耐震用の突っ張りを設置することをオススメします。)

 

2.外壁側に家具を置かない

また、壁の冷えやすさで言うと、室内側の壁よりも屋外側の壁(外壁側)がより温度が低くなりやすいです。

したがって、できれば外壁側には家具を置かない方が良いでしょう。

もちろん、外壁の断熱性能が高ければ良いのですが、多くの家では(略

 

3.空気を循環させる

空気を空調やサーキュレーターを使って強制的に循環させることで、壁や窓などで冷やされた空気が滞留しづらくなり、結露を発生しづらくすることができます。

冬場は、床に置いたサーキュレーターを上に向け、天井に溜まった暖かい空気を循環させると良いでしょう。窓枠や壁に直接サーキュレーターの風を当てるのも効果的です。

 

4.加湿器の使い方に注意する

冬場に加湿器を使う方が多いと思いますが、これも結露の大きな原因です。

特に、部屋の中に温度差があり、暖かい場所で加湿器を使うと悲惨です。加湿器側の湿度センサーが「加湿不足」と判断して出力を上げる一方、部屋の寒い場所ではびしょびしょになっている……ということになってしまいます。

そこで、

  • 加湿器は暖房器具(特にエアコンなど乾燥する器具)の近くで使わない
  • 3で説明した通り空気を循環させ部屋の中で寒暖の差を生まない
  • 結露が酷い場合は(対症療法ですが)加湿器の設定湿度を少し低めにする

などを検討しましょう。

 

5.窓枠をどうにかする

※ これは家具の結露と直接関係無いため、オマケ程度にご覧下さい。

部屋の中で最も結露しやすいのが、窓枠です。比較的新しい家やマンションでは、複層ガラス(ペアガラス)が標準になっています。

不動産業者や工務店は、「複層ガラスなので断熱性能が高く、結露もしにくい」と言いますが、窓の対策では全く不十分です。なぜなら、窓ではなく窓枠が結露するからで、窓の周囲がビチョビチョになったり、酷い場合には周囲の壁紙までカビてしまいます。

これは、日本の窓枠にアルミサッシが多く使われていることが原因です。いくらガラス部分の断熱性能を高くしたところで、放熱器に使われるほど熱が伝わりやすいアルミを使っている以上、暖かい部屋の中で窓枠のみキンキンに冷たい、という状態になってしまいます。

つまり、暖かい部屋の中に「屋外の冷気をダイレクトに伝える、アルミ製の放熱板」が設置されているようなものです。

対策:賃貸の場合

賃貸など、工事ができない場合の代表的な対策を採り上げます。

  1. シールタイプの断熱材を窓枠に貼る
  2. 窓用ヒーターを設置する
  3. 断熱タイプのカーテンにする

a. シールタイプの断熱材を窓枠に貼る

一番手軽なのがこの方法で、私も実践しています。

シール(テープ)タイプの断熱材は安くAmazon等で入手出来ますので、これをアルミサッシにペタペタ貼っていきます。

特に、結露しやすいのは窓枠の下のほうですので、優先的に貼りましょう。

b. 窓用ヒーターを設置する

どうせ冬場は暖房を使う……という場合は、コストはかかりますが窓用ヒーターを設置するのも手です。窓枠や窓周辺を暖め、結露を防ぐ事ができます。(これも、我が家で活用しています。)

カーテンと併用すると高い効果を発揮します。

c. 断熱タイプのカーテンにする

若干マシになる程度ですが、カーテンを断熱タイプに交換するという手もあります。

対策:持ち家の場合

持ち家の場合は、上記に加え、工事による根本的な解決が可能です。

  1. 内窓を付ける
  2. (最終手段)窓枠を樹脂タイプに交換する

a. 内窓を付ける

窓枠の交換をする前に検討したいのが、内窓の設置です。特に、腰高以上の小型の窓は、安く内窓を設置できます。

最近では窓枠メーカーも、内窓のラインナップを多くしていて、様々なサイズやデザインから選ぶことができます。(参照:YKK ap マドリモ

ただし、窓を開ける際や掃除の手間が増えたり、部屋が多少狭く感じるようになるなどのデメリットもあります。

b. (最終手段)窓枠を樹脂タイプに交換する

内窓のデメリットを気にする場合は、費用はかかりますが、窓枠を樹脂タイプに交換する方法を検討します。

こちらは、本格的に全面交換するパターンと、既存の窓枠に樹脂枠をかぶせる形で交換するパターンと2つあり、後者は窓は小さくなりますが手軽に施工できます。

 

おわりに

私を含む、太平洋側に住む人間の多くは、「冬は乾燥するもの」という先入観から、冬のカビ対策はおろそかになりがちです。

しかし、冬こそ結露が最も発生し易い時期です。大切な服を仕舞った引き出しやクローゼットの裏側に結露がないか、カビていないか、ぜひ確認してみて下さい。

また、これから家を建てる方/借りる方は、どんな断熱をしているか、今一度チェックしてみましょう。

 

 

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