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保管クリーニング「せんたく便」を使ってみた

投稿日:平成31年(2019) 4月28日  更新日:令和元年(2019) 5月5日 

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ここ10年近く、クローゼットの混雑緩和と、運搬の手間削減を目的に、宅配の保管クリーニングを活用しています。

使っているのはつかさクリーニングで、とても良くして頂いているのですが、リスクヘッジ(後述)と当サイトをご覧の方からレビュー依頼を複数いただいていたこともあって、サテライト的に他社を使ってみることにしました。

今回は、保管クリーニングで検索すると大量の賛否両論と広告が出てくる「せんたく便」について、実際に使ってみて、その感想をお知らせできればと思います。

1.1社に依存することのリスク

10年以上のサラリーマン生活で、捨てたスーツはほんの数着。服のケアに気を遣っていると、狙い通り服が傷まず――次々と数が増えていきます。

そして、振り返ると同じ保管クリーニング業者に大量のスーツやジャケパンを預けていることに気がつきました。

卵は一つのカゴに盛るな?

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。カゴがひっくり返ったときに、卵がすべてダメになってしまうからです。

私は、今使っている保管クリーニング業者である「つかさクリーニング」を信頼しています。しかし、例えば火災、地震、津波などで倉庫が被災したときに、自分のスーツがどうなるか……。

そう考えたとき「そうだ、リスク分散、しよう」と思ったわけです。

分散先を選ぶ

新たに頼むとしたらどこが良いのか。どうせなら、読者の参考になるところが良いと思い、大手且つ賛否が分かれている「せんたく便」を選ぶことにしました。

実際は、割引のクーポンがたまたまあって、安くなったからと言うのは秘密です。

 

2.キットが届く

まずは「せんたく便」のサイトから、依頼用のキットを申し込みます。そして到着したのがこちら。

 

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メール便で届きました。

 

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中身は書類一式と、洗濯物を入れる不織布で出来たオレンジ色の巨大バッグです。

 

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こんな感じに、申込用紙、注意事項、着払い伝票が入っています。

 

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同意確認項目という書類ですが、たぶん玄孫(やしゃご)コピー位になっていて、読むのに苦労します。皆さん真面目に読まないのかな……(^^;

 

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素晴らしいと思ったのが、シミ抜きなどの伝達事項がある場合は、このシールを使って指示出来ることです。

普段は一々メモを同封していましたが、これだけでだいぶ作業が軽減されます。

 

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視覚的に分かりやすいマニュアル。

 

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左がせんたく便の不織布ケース、右がつかさクリーニングから到着した段ボールです。

今回注文した内容

今回注文したのは、「保管10パック+プラチナ加工」という商品です。

簡単に言うと、アイテム問わず10品まで依頼できて、ハンガー仕上げのうえ、防虫加工・防カビ加工・撥水加工・リンス加工+不織布カバーつき、というもの。

定価ベースで2万円弱ですが、割引がきいて1万円くらいで注文できました。保管クリーニングで撥水つき1着1,000円と考えると、かなり安いですね。

 

3.発送する

10着入れ放題ということなので、オーバーコートなどのクリーニング代が高いアイテムを中心に入れればお得になるわけですが、今回はレビュー目的ということもあって、オーソドックスな以下を選定しました。

  • スーツ2着(上着×2、ウェストコート×2、ズボン×2)……計6点
  • 麻のジャケット1点
  • ウール麻のジャケット1点
  • モヘア混のジャケット1点
  • チノパン1点

 

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こんな感じに、衣類を入れていきます。

 

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ほとんど自己満足かも知れませんが、裏返しにして入れています。

 

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ジャケット5点、ズボン3点、ウェストコート(ベスト)2点という、中庸(?)な構成でしたが、2/3程度しか使わず、余裕はまだまだあります。

やはり、冬物の場合はコートを中心とした構成にすると、コスパは良さそうですね。

 

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このタグをつける必要あるそうです。

そして、発送伝票に記入した上で、ヤマト運輸に集荷を依頼すれば完了です。

 

シミ抜きの指示

2点ほど、目立ったシミがあったので指示してみることにしました。

 

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このチノパン、裾の内側に靴墨の汚れがついています。

 

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先ほどご紹介したシールをつかって、シミの箇所を指示します。「センタープレス」を指示するシールも貼りました。

 

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ジャケットの内ポケット下にも赤いボールペン(サインペンかな……)のシミが。

 

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こちらも同様に指示しました。

 

4.到着する

そして約半年後――。

服たちが帰ってきました。

 

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つかさクリーニングの場合、到着日は日単位で指定出来ますが、せんたく便は月の上・中・下旬の様なアバウトな指定しかできません。

ただ、運送業者のサイトから着日指定が可能なので、一人暮らしでもそこまで困ることは無いと思います。

 

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フタを開けると内蓋にメッセージが。

早く取り出してね、問題があったら再仕上げするよとのこと。

 

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内蓋をとると、再発送用の不織布ケースと依頼した衣服が見えます。

 

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ハンガーが段ボール箱にはまるようになっています。輸送中に服が偏るのを防ぐ仕組みですね。

また、ハンガーを見るとバーコードが。かなり機械化されているようです。

 

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プラチナ加工オプションをつけたこともあって、半分不織布の衣類カバーがついてきます。

 

5.仕上がりを確認する

続いて、肝心の仕上がりを確認してみます。

良い点

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梱包の仕組みが洗練されていて、保管クリーニングにありがちな輸送時のジワがあまりついていませんでした。

また仕上げのアイロンワークもしっかりしていました(一部を除く、後述)。

安いクリーニングにありがちな溶剤臭さや、貝ボタンの割れなどもなく、及第点だと思います。

要改善点

気になったのは、2点です。

アイロンワークの問題

これは担当した職人の問題だと思いますが、ジャケット5点のうち、1点の仕上げに問題がありました。

 

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問題のジャケットがこちら。生地は葛利のウール麻混、イージーオーダーです。

よく見ると、左右でラペルロール(下襟の返し)位置が異なるのが分かります。

左が2つボタン、右が3つボタン仕様ですね^^;

 

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そして衿の部分。こちらも、衿の裏側が見えてしまっています(衿の折り返しが浅い)。

このジャケットだけこんな状況だったので、おそらく担当者の問題でしょう(ただ、検品は甘いと言わざるを得ません。)

ということで、先日購入したパナソニックのスチーマーつきアイロンで修正することに^^;

 

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気になる場合は再仕上げするよ、と書いてありましたが、1~2分で出来る話なので自分でやりました。

(再仕上げも往復送料無料のようなので、道具を持っていない場合は依頼してしまうのも手です。)

ハンガーの問題

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もう一つはハンガー問題。

おそらく保管時も使われていたであろうハンガーがこちら。ちょっと薄いですよね……。

今回は夏物で軽いジャケットでしたが、重い衣類は肩のダメージが心配です。

シミ抜きの結果

つづいて、シミ抜きの結果も確認しましょう。

靴墨の汚れ

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こちらの靴墨の汚れですが……

 

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若干残っていますが、概ね取れました。

赤いペンの汚れ

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こちらのインク染みですが……

 

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「とれませんでした」札の対象となり……

 

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若干いろが薄くなった程度でした。場所が場所だけに、難しいかも知れませんね。

(業者の視点に立つと……シミ抜きは、色素を透過・吸引するように行いますが、この位置の裏側はジャケットの表地であるため、作業が難しいのだと思います。)

 

6.おわりに

「せんたく便」ですが、個人的には及第点でした。

特に、コートなど値が張るアイテムが多い場合は、せんたく便のような料金体系が効果を発揮すると思います。

衣服の点数が少ない、入社年次が浅い方には難しいかも知れませんが、リスクヘッジ以外に「他を知る」という意味で勉強になりました。

 

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