「低価格」「本格仕様」「通販専業」を謳うシャツ屋において、
まさに"東"の横綱的存在であるCAMICIANISTA。
(東西は本社所在地で序列ではありません。"西"の横綱は大阪に本社をもつ土井縫工所ということで^^;)
昨年の11月にカジュアルモデルが発売され、
当時はあまりこなれた印象の物がなかったためスルーしていたのですが、
良さそうな物が出てきたので、早速レビューのために買ってみました。
1.CAMICIANISTA、これまでのおさらい
他記事を見た方はご存じかも知れませんが、
当サイトでのCAMICIANISTAの位置づけ(変遷)を、まずは簡単にご紹介します。
平成22年(2010年)くらい
前年の平成21年12月に発売を開始したカミチャニスタ。
翌年の4月に当サイトで初レビューしましたが、当時の感想は――
- 脱ナイロンシャツに最適
- 縫製品質が低く、神経質な人にはお勧めしない
- スリムフィットのみのラインナップでA体以下の方のみお薦め
といった感じで、ライバルである土井縫工所の足下にも及びませんでした。
とくに、縫製品質の低さは、価格を抑えるためにチャイナで作らせたこと、
チャイナ工場のクオリティコントロールを上手く出来ていなかったこと等が原因だと思います。
また、高瀬貝のボタンを高価な白蝶貝ボタンと謳って販売していたのもこの時期です。
※ 後にメーカ側が事実を公表し謝罪
参考1:当時のレビュー記事
カミチャニスタ(Camicianista)のシャツ ファーストレビュー1「良いところ」
カミチャニスタ(Camicianista)のシャツ ファーストレビュー2「悪いところ」
カミチャニスタ(Camicianista)のシャツ ファーストレビュー3「まとめ」
参考2:土井縫工所の記事一覧
平成24年(2012年)くらい
2年ぶりに購入したら、品質がかなり向上していたのでレビュー記事を書きました。
カミチャニスタが良くなっている……! 2年前と、どこがどう変わったのかレビュー
詳しくは記事を見ていただくとして、
縫製が甘い、種類が少ない、管理体制が悪いといったデメリットの殆どが克服されており、
純粋にお薦めできるシャツメーカーになりました。
平成26年(2014年)くらい
2つの大きな出来事がありました。
1つめは4月の価格改定。
全商品の値下げで、税抜き6,500円だったものが、税抜き5,000円になりました。
この企業努力はとても素晴らしいと思います。
2つめは9月の袖丈調整開始。
但し、土井縫工所より500円高い1500円であること、
土井側は詰め/出し両対応だが、こちらは詰めだけなど、違いはあります。
参考1:
裄丈お直しサービス本日開始!|カミチャニスタ新着情報
参考2:
袖丈調整について|土井縫工所
袖の仕上げを直前で止めておき、どんなサイズの袖丈にも適応するといった方式が秀逸。
2.CAMICIANISTA カジュアルモデルフォトレビュー
それでは、本編のレビューを。
箱が綺麗になった
クロネコヤマトで到着(以前は佐川でした)。
箱が以前の茶色から白色に変更され、清潔感があり、ギフトとしても使えそう。
土井縫工所を意識したのでしょうか?
以前の写真。普通の段ボールでした。
箱のロゴも青色から黒色に。
箱の蓋もフック式で開けやすくなっていました。
そして、蓋を開くとこんなメッセージが。
以前の「安くてイタリア的ディテールてんこ盛りだから我慢しろ」的なオーラから一転、
顧客満足をかなり考えた作りになってきました。
イタリアンファブリックのカジュアルシャツ
これが今回購入したカジュアルシャツ。
茶と紺のチェックです。
通常より3,500円高い、イタリアンファブリックラインの8,500円でした。
去年イタリアンファブリックをレビューしたときに「セール以外では買わないかも」
などと言っておきながら、色使いの良さに惹かれて買ってしまいました。
またボタンの形が変わったようです。
前回(2年前)より若干薄くなったでしょうか……?
ボタンの比較
ということで、歴代のボタンを並べてみました。
1が4年前、2が2年前、3が今回です。
参考として土井縫工所(4)、First Experience(5)、FRAY(6)も並べました。
1→2であきらかに良くなったのですが、
2→3で薄くなり、形もオーソドックスな物になってしまいました。
厚ければ良いというワケではありませんが、イタリアの高級シャツは殆ど厚目です。
通常ラインのコストダウン影響があるのかもしれませんが、
今回買ったのは上級ラインなので、すこしがっかりです。
ディテールのチェック
剣ボロ部分。
きっちりと柄あわせがされています。
背中のヨーク部分。
こちらもきれいに合っています。
3.コーディネート例
ジャケット
とりあえず、紺色のバーズアイ柄ジャケットを着せてみました。
ラペルが太めで茶色のナットボタンという、すこしカジュアル寄りのジャケットです。
シャツのチェックが「茶」と「紺」なので、かなり汎用性が高いです。
ジャケット+タイ
綿のタイを結んでみました。
タイは紺か茶あたりの、無地か小紋柄が合わせやすいと思います。
(ちなみにタイはライバルの土井縫工所製です……^^;)
ウェストコート+タイ
ジャケットをグレイのウェストコート(ベスト)に替えてみました。
これでもまぁ良いのですが……
私はこちらの方が好みですね。
(紺地、白ドット柄のニットタイ)
4.まとめ
上級ラインだったためか生地の質感はよく、
またビスポーク物ほどではないものの動きやすく、なによりシルエットが美しいです。
縫製も細部に亘ってかなり丁寧で、長持ちが期待できそうです。
これまでカミチャニスタは、
「安価に、会社に着てゆく本格仕様のシャツを揃えられるところ」という認識でしたが、
これからは休日やジャケパン用のシャツを揃える店として、十分活用できるでしょう。
一方で、土井縫工所はカジュアルシャツを少しですが揃えつつあるものの、
多くがスーツ用で、まだまだカミチャニスタほどの品揃えがありません。
デニムシャツなど意欲的な取り組みも行っているので、今後に期待したいです。
(とはいえ、スーツ用のシャツは土井縫工所の方が衿が綺麗で個人的には好みです)
これからも、カミチャニスタは要注目のブランドになりそうです。
また注目すべき取り組みが行われたら、レビューしたいと思います。
それでは。