レビュー

First Experienceの新作二重タライボタンを試してみた

投稿日:令和元年(2019) 10月6日

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先日、オーダーシャツ通販大手のFirst Experienceが新しいタイプの貝ボタンを製作、試験販売しました。

そのトライアルに(もちろん自腹で)乗ってみましたので、従来ボタンとの比較を含む感想と今後の展望を考えてみます。



1.注文の経緯

きっかけはFirst Experienceから来たメールマガジンでした。二重タライ(ダブルリングリム)型のボタンを試験販売するというものです。

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△ First Experienceのメールマガジン(R01.09.08)より引用

これまで何着もFirst Experienceでシャツを作ってきましたが、従来のよく言えば「無垢な美しさ」、悪く言うと「のっぺりとした退屈さ」が同居した同店の白蝶貝ボタンに若干飽きてきたこと、また以前土井縫工所の二重タライボタンが好きだったこともあって、思わず飛びついてしまいました。

 



2.外観レビュー

今回は、同時に120番双糸の白色ブロード生地がセールにかかっていましたので、これを使ってかなり保守的なデザインにしてみました。

デザイン詳細

  • 襟型:E23-NEWセミワイド
  • 衿/袖芯のコシ:ミディアム
  • ステッチ:コバ(1mm)
  • カフ型:大丸(7cm)
  • ポケット:なし
  • 前立て:裏前立て(標準7mm)
  • 背デザイン:ダーツ
  • ボタン:白蝶貝(ダブルリングリム)

開封

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純白のシャツです。

 

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衿はセミワイドです。

 

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かなり立体的な雰囲気があります。

 

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袖(カフ)部分。タライの中(1番目の底)が平らなので、光をよく反射しキラキラします。

 

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一方で、タライのもう一段奥(2番目の底)は湾曲しているため、どこから見ても光を反射しているように見えます。

 

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底の部分は少し湾曲しており、とても留め/外しやすい構造です。(実際にスムーズに留め外しができました。)

 

3.これまでのボタンとの比較

続いて、これまでの白蝶貝ボタンとどう変わったのかを比較していきます。

白蝶貝、3mm厚白蝶貝ボタンとの比較

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First Experienceには、これまで「白蝶貝ボタン」(右)と「白蝶貝ボタン(3mm厚)」(左)の2種類がありました。

 

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間に今回の二重タライボタンを置いてみます。

形は右側の薄いタイプと似ていますが、雰囲気はかなりシャープになったと感じます。

 

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穴の間隔が、従来の2つに比べて若干狭いですね……。

 

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この写真は再掲ですが、よく見るとボタンホールがキュッと詰まって、洗練された雰囲気になっているのが分かります。

しかし一方で、穴の間隔を詰めすぎるとクリーニングのプレス時等に損傷しやすいため、耐久性については今後様子を見ていく必要があるでしょう。(また、この間隔の狭さが一つ問題を引き起こしていることが後に分かるのです……。<後述>)

いずれにせよ、従来の白蝶貝ボタンに比べてだいぶスタイリッシュに感じます。

土井縫工所の二重タライとの比較

二重タライのシャツボタンといえば(私の中では)土井縫工所のボタンでした。ということで、比較してみたいと思います。

 

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左がFirst Experience、右が土井縫工所のボタンです。

当初、メルマガに掲載されていたボタンが土井縫工所のボタンと似ているように感じたため、もしかして(土井縫工所の運営元である)do-1から仕入れたの? と思っていたのですが、全然違いますね^^;

土井縫工所は10.5mm、First Experienceは11.5mm(実測は11.3mmでした)のため、迫力はFirst Experienceのほうが上です。

 

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厚みは土井縫工所の方があるように感じますが、実際には両者共に1.8mm(実測値)で同じでした。

これは、First Experienceの二重タライボタンは裏側がお椀型になっており、縁部分は薄いが中央部分は厚い構造のためです。

先述の通り、ボタンがお椀型になっていると、留め外しのし易さが圧倒的に改善されます。

 



4.レギュラー化は困難!?

上述の通り、二重タライボタンはデザイン的も実用的にもとても優秀でした。ぜひ安価でのレギュラー化が実現出来ないかと、お願いを兼ねてボタンの感想をFirst Experienceにメールしました。

しかし、いただいた返信に衝撃の事実が……。

「手付け専用」ボタンだった

なんと、デザインを優先したため結果としてボタン付けミシンに通らない不具合が発生しているとのこと。

実際に今回到着したシャツを再度確認すると、全部手で縫い付けられていました^^;(もちろん、手付けオプション代はかかっていません。)

ヨーロッパ圏の高級オーダーシャツボタンを参考に作ったのが原因だそうで。

現在、ボタンを改良するか手付けオプション(+千円)必須にするかは検討中とのことですが、なんとかデザインを損ねないままボタンを改良し、ミシン対応をしてほしいものです。

白蝶貝ボタンが高騰している

もう一つ悪いニュースが。

もしミシン対応が出来た場合は、現在の白蝶貝ボタンと変わらないオプション価格(千円)での提供を予定しているそうです。

しかし、そもそも白蝶貝の価格がチャイナでの需要急増に伴い高騰していて、白蝶貝ボタン全体で値上げの可能性があるとのこと。

複数のテーラーに確認したのですが、ここ数年で白蝶貝を用いた貝ボタンの金額が倍以上になっているそう。他の貝ボタンでは黒蝶貝も高くなっているようですが、白蝶貝が群を抜いて高くなったそうで。

つい先日、白蝶貝ボタン礼賛の記事を書いたくらいに私は白蝶貝好きなのですが、これは厳しいですね……。

なんとかレギュラー化を……!

構造上の問題、そして価格上の問題というハードルはありそうですが、とても美しいボタンなのでぜひ値段据え置きでレギュラー化をお願いしたいですね。

(似た様なユーザーの声が沢山集まれば、対応してくれる……はず……?)

 

 

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