ここ1~2年、記事更新の頻度が落ちているのは、私の生活環境に大きな変化があったからです。それは、結婚と子の誕生です。
あまり私的なことをここに書きたくないという思いもあり、今まで触れてきませんでした。しかし、スーツやジャケット、靴などのメンズファッション好きはもちろん、自分の趣味に人生の楽しみを感じている男性にとって、それらのライフイベントが趣味に与える影響はとても大きなものです。
結婚や子の誕生はとても喜ばしいことで、世にはびこる「低コスパ論」「子供は嗜好品論」に与することはしません。しかし、それらが自身の趣味の楽しみにどの様な影響を及ぼすのかは、特に20~30代の結婚を控える方にとっては重要な参考情報だと思うので、雑記として残しておくことにしました。
また、それらの影響を、私なりにどう乗り切っているのかも最後に記したいと思います。
1.時間が圧倒的に足りなくなる
どんな趣味でも、時間は必要です。
ファッション好きにとっては、服や靴を買ったり、朝着ていく服を選んだり、日々メンテナンスしたり、情報収集したりといったことが楽しみの中核です。
それらを楽しむ時間は、独身サラリーマンの場合、一日の仕事終わりか土日(完全週休二日の場合)に作る事になります。
しかし、小さな子供ができると、優先順位が大きく変わることになります。
子供の誕生は、もう一つフルタイムの仕事を持つことと同一です。今の会社に勤めながら、子育てというもう一つの業務(以下、子育て業務)に従事することになるのです。
平日
子育て業務は、保育園という業務委託先へ、平日の日中帯のみ仕事をアウトソースできます。しかし、それも夕方までで、会社の業務をいったん終了すると、子育て業務が間髪を入れず開始され、それは子供の寝かしつけが終わるまで続きます。
業務量の多い会社、業界、年代(30代前後)の方は、毎日定時で上がることは難しいでしょう。そのため、子供の寝かしつけが終わった後に、リモートワークで業務を再開する必要があります。(善悪は別として、スーパーフレックス、裁量労働、リモートワークなど、大企業を中心に会社の制度はそういった働き方に対応しつつあります。)
また、子供を寝かつしけた後も、自身の夕食や入浴、翌日の準備、子供が荒らした部屋の片付け、夫婦の会話など、趣味より優先順位が高い時間が続くため、平日に趣味の時間を作ることは難しくなります。
国によっては、高給ホワイトカラー層や経営者層を中心に、ベビーシッターを上手く活用して、自身の時間を確保する習慣もあるようです。しかし、日本においては「子供と接する時間は長ければ長いほど良い」という思想が強く、アウトソースは「甘え」として許されない傾向にあります。
土日
子供からすると、平日に見る親は、朝と夕方に保育園への送迎と寝かしつけをしてくれるのみの存在です。従って、子供へは土日に多くの時間接してあげなければなりません。子育て業務のコアタイムは土日なのです。
土日は車で遠くまで出かけたり、ショッピングモールに連れて行きます。お昼は夫婦交代で、食べ散らかしたり、泣いたり、集中力が切れて食べなくなった子供を、なんとかあやしながら食事を与えます。突然走り回ったら捕まえて、店の商品を壊しそうになるのを防ぎながら、スーツや靴、ネクタイなどが並んだエリアを横目に、おもちゃ売り場やプレイルームで一日を過ごします。
帰宅し、夕食、入浴、翌日の準備、子供が荒らした部屋の片付け、洗濯、寝かしつけ、自身の夕食等々を済ませれば、やっと自由時間が始まります。しかし、日中の激務に加え、平日蓄積した疲労によって死んだように眠ることになります。
「平日は土日を恋しく思い、土日は平日を恋しく思う。」 これは子育てに奮闘中の、私の親族が発した言葉ですが、けだし名言だと感じました。
2.好きなものを着られなくなる
独身時代、または子供が生まれる前の既婚時代は、平日忙しかろうと、土日に自分の好きな服を着て、買い物や夕食を楽しんだ(でいる)方も多いことでしょう。
しかし、子供が生まれると、そうはいかなくなります。
子供を抱いていると大量のヨダレが服につくこともありますし、抱っこひもで服がシワシワになります。手づかみで食事をしケチャップや油が大量についたその手で服を掴まれることもあります。最悪、糞尿がつきます。
外で子供が走り回れば、追いかけて捕まえなければならず、走りにくく滑りやすい革靴はNG。腕時計はなめられてヨダレだらけになりますので、非防水はNG。
高い靴は、子供やベビーカーに踏まれる覚悟も必要です。
このように、子供と一緒にいるときは、いつ如何なる時も「動きやすく汚れても良い」が第一優先の格好になります。
今まで買いそろえたスーツ、ジャケット、革靴は、もはや土日に日の目を見ることは無いのです。
3.お金が足りなくなる
「子育て業務」は、お金を貰う会社の仕事と異なり、逆にお金を払うことになります。
ミルクや離乳食、おむつといった必需品はもちろん、すぐにサイズアウトするし大きさの割には割高なのに食べこぼしや保育園用に大量の枚数が必要な子供服、保育園や一時預かり費用、無限の将来性に期待して始める習い事、つい高いグレードのものを買ってしまうおもちゃ、極めつけは子供のためにと広く余裕のある間取りを選んだ住居(の家賃orローン)。
これらが趣味に優先され、瞬く間にお金が消し飛びます。そして、残った僅かなお金も、将来の教育資金として引当金に計上され……。
こうして、独身時代にはコンスタントに買えていた数万円の靴、十数万円のジャケットやスーツは、優先順位「最低」として永遠に購入の順番が回ってくることは無くなります。
4.私の対応策
「時間が圧倒的に足りなくなる」への対応
私の場合、比較的長時間労働の業界におり、長時間労働気味の部門において長時間労働の職位で働いています。
ということで、平日は寝る前の1~2時間が空き時間となっていますが、インターネットでの情報収集(仕事や経済関連)や読書に充てることが多く、自由時間は主に土日です。
そんな私を見かねた妻が、とても有難いことに土曜や日曜に里帰りして私に時間を作ってくれることがあり、そういうタイミングで靴を磨いたり記事を書いたりと趣味の時間を作れています。
好きなものを着られなくなる
デニム素材で作ったシャツやジャケットが活躍しています^^;
但し、子供に汚されるケースが多いので、いずれもシャツジャケット等のウォッシャブルが前提ですね……。
靴も、土日はスニーカーが多くなりましたが、クレープソールなどある程度グリップが効く靴は重宝しています。 とはいえ、平日もテレワークが依然多く、この項目は対策がそこまで対策が取れていません……。
お金が足りなくなる
我が家は、私が家計を管理しているので、比較的自由に消費と貯蓄/投資の振りわけができています。
妻も正社員/フルタイムで働いているため1馬力に比べて余裕はありますが、それでも高いファッションアイテムを購入する際の妻の目は痛いものがあります。
独身時代に購入した靴やスーツを、メンテナンスで長く使うということが大事になってきています。
5.おわりに
本当に趣味や仕事に生きる人にとっては、一生を独身で過ごすというのも重要な選択肢です。
今の時代、独身でも世間体的に全く問題無く、東京では男性の3人に1人が生涯未婚で、離婚者も含めると独身者は半数近くとなり、多数派になりつつあります。さらに、結婚はするが、子供を敢えて持たないという選択肢も当然あります。
男性も女性もフルタイムで働き、さらにフルタイムで家事や育児をすることが当然となった現在、子供を作る選択肢を敢えて選ぶ必要は無くなったのかもしれません。
しかし私の場合、趣味は大好きですが、それが人生にとって何番目に必要なものかと問うたとき、中年期や老後において、妻子や孫に囲まれて生活したい気持ちを優先した結果、仕事と子育て業務の「二足のフルタイムわらじ」を履き、「どこまで続くぬかるみぞ」と歩む選択をしました。今のことろ、想定以上の大変さに四苦八苦していますが、後悔はしていません。(認知的不協和の解消をしているのでは? と問われれば、100%そうではない、と言いきることは困難ではありますが……^^;)
まぁ、物事全ては1/0、ON/OFFではないので、少しでも時間やお金に余裕を見つけ、趣味を継続したいと思います。
皆様の環境は如何ですか? こういう工夫がある、こういう悩みがある、という方は気軽にコメントを残していただけると幸いです。