優秀な職人は道具を大切に扱うといいます。同じように、私たちビジネスマンも、仕事道具であるスーツやジャケット、靴や時計は大切に扱ってこそプロフェッショナルだと思います。
それらの取り扱いについて、普段目にしたり自分がやってしまって「これ、やめたほうが良いなぁ……」と思う度にメモしていたら結構な量になりました。
まずはジャケットに絞ってご紹介します。
服好きの方には当たり前な内容かも知れません。。。
1.ジャケットに肩掛け鞄を合わせる
サラリーマンに人気の「肩掛け鞄」ですが、ジャケットを着ている際に、(格好良い悪いの問題以前に)肩に掛けて使うのはお薦めできません。
肩を変形/摩耗させる
ジャケットの肩の中には、シルエットを格好良くするために、肩から胸に掛けて詰め物(パッド)や芯地が入っています。
しかし、重い肩掛け鞄のベルトで長時間肩を潰し続けると、パッドが崩れて元に戻らなくなります。これにより、左右で肩の形が違う、みっともないシルエットになるわけです。
アンコンジャケットなど一部の詰め物のが無いジャケットも、鞄のベルトは歩行時僅かに動くため、肩の生地が摩耗することは避けられません。
賛否はあろうかと思いますが、これらのことを考えるとまだリュックサックの方がマシだと思います。(力が両肩と背中に分散されるため。)
裾や太ももも摩耗する
また、肩掛け鞄は、ベルトが擦れる肩や衿はもちろん、鞄本体の内側と強く擦れるジャケットの裾やズボンの太もも部分も摩耗させます。
スーツやジャケットの生地は、簡単に破れなく強いように見えます。しかし、実はこすれには弱いのです。擦れることで簡単にテカリが生じ、ジャケットの寿命を縮めます。
2.薄いハンガーにジャケットを掛ける
職場で、出先で、思った以上に見かけるのが「薄いハンガーにジャケットを掛ける」光景です。
薄いハンガーはジャケットのシルエットを壊す
残念ながら、クリーニング店で使う針金ハンガーや「収納力UP」を謳うプラ製ハンガーなどに、テーラードジャケットを掛けてしまう方をよく見かけます。
しかし、薄いハンガーにジャケットを掛けると、肩の部分に負担がかかり、崩れたりハンガーの形がついてしまったりします。
これでは、構築感が命であるジャケットが台無しです。
ジャケットは、肩部分に厚みがあり、首回りがしっかりあるハンガーに掛けるようにします。特に長時間掛ける場合には注意します。
3.椅子の背もたれにジャケットを掛ける
オフィスチェアにジャケットを掛けている人、よく見かけますよね。
椅子の背もたれは、人間の肩を模しているわけではないため、1と同じ理由(型崩れが起きる恐れがある)でNGなのは言うまでもありませんが、実際にはもっと大きな問題があると考えています。
手で触られやすく、汚れやすい
オフィスチェアを移動するとき、どこを持ちますか?
そう、基本的には背もたれを持って動かすわけですが、そこにジャケットが掛かっていると、ジャケットをつかんで移動させられます。
一度や二度なら良いですが、観察していると、一日のうち結構な回数を自分で触ったり、他人に触られたりすることに気がつきます。
したがって、ジャケットの命である生地の美しさが、手の皮脂や汗、汚れによって損なわれるリスクが高くなるわけです。
接触による損傷もあり得る
また、椅子同士、椅子と机など、思った以上にオフィスチェアは室内の他の什器と接触します。
しかし、そこにジャケットが掛かっている場合は、ジャケットと擦れ、摩耗したりキズや汚れがつくことになります。
襟首が潰れやすい
背もたれにジャケットを実際に掛けてみるとわかりますが、掛けただけでもジャケットの衿は変形しています。
この状態でも問題なのに、さらに人が座り、背もたれにもたれ掛かると、衿が潰れたままプレスされ、衿がさらに変形することに……。
4.居酒屋のハンガーにジャケットを掛ける
またまた掛ける場所の話。しかし居酒屋のハンガーが薄い……という話ではありません。
燻製にされる
居酒屋に到着すると、ハンガーを渡しつつ、自席付近の長押(なげし。柱と直角に交わる板状の材木。)に次々と掛けていく光景をよく見かけますよね。
しかしこの状態はよくありません。たとえ厚手のハンガーに掛けていたとしても、匂いや汚れがつきやすいからです。
都内では喫煙可能な居酒屋は減っているとは言え、まだまだ飲食店は煙が多いですし、プレートや鍋などが出てくるシーンでは、油を含む煙に燻されることになります。
畳むかクロークへ
クロークがあるような店では収納をお願いする方法もありますが、私の場合は裏側にして畳んで、荷物と一緒に置くようにしています。
ジャケットの畳み方については、過去に記事にしていますので適宜参照して下さい。
5.頬杖(ほおづえ)をつく
デスクで疲れたり、会議が長引いてくると、頬杖をつく方を見かけますが、これも止めた方がよいです。
机は意外と擦れやすい
オフィス机は一見ツルツルしていますが、表面をよく見ると、実際は結構ザラザラ/ボコボコしているタイプが多いです。
これは、キズが目立たないためとか、紙が張り付かないようにするためなのだそうですが、そんな机で頬杖をついていると肘の部分が思ったより早くテカリ始めます。
私の同僚にも、よく肘をつきながら投影資料のチェックをしている人がいましたが、彼の肘は案の定光っていました^^;
おわりに
実際には、このほかにも様々な止めた方が良い習慣や癖があると思います。
あんまり神経質になりすぎるのも楽しくないですが、今回は少し気をつけるだけですぐに改善される項目を優先して挙げてみました。
皆さんの周りはいかがですか? 気づいたことがありましたら、是非コメントをください。