みなさんは、革靴を履いて自転車に乗ることはありますか?
今回は、そんなシーンで活躍する、自転車のペダルに注目。 革靴でも靴底を傷つけず、滑らず、乗りやすいペダルへの交換をしてみましたので、ご紹介します。
1.「革靴+標準のペダル」ではNGなわけ
駅まで遠い、交通機関が無い、職場の拠点間移動に使う、健康のため……等々、皆様もスーツで――つまり革靴を履いて自転車に乗ることがあるかと思います。
また、都市部(特に東京都区部)は駐車スペースがなく、自転車移動が楽だったりします。
そんなときに気をつけたいのが、自転車のペダルです。
問題1:靴底を傷つける
デザインをスポーティにしようと、特にスポーツ専用でも無いのに、ペダルが金属製のギザギザになっている事があります。
泥まみれのトレッキングシューズだったら有効かも知れませんが、これを革靴で踏むと靴底がかなり傷み、見た目にも目立ちます。
注意点2:靴が滑る
前述の金属ペダルはもちろん、一般的な樹脂製のペダルも、革靴でこぐと、とても滑ります。
力を入れて踏んだ時、靴が滑ってペダルから外れたり、その弾みでアッパーにキズをつけそうになったり等、私も経験があります^^;
単純に危ないですし、靴を傷つける原因にもなるわけです。
2.交換用ペダルを購入
ということで、革靴でも滑りにくいペダルを購入し、交換してみることにしました。
今回購入したのは、WellgoのLU-T11というアルミ製のペダル。 Amazonで一組2,000円前後で購入しました。
特徴はなんといっても、ペダルに貼り付けられたゴムです。
これで、靴底をしっかりとグリップしてくれる……はず。
台湾製で、多少安心です。
3.ペダルを実際に交換してみる
私は特に自転車が趣味というわけではないため、詳しい友人に聞いたり、実際に交換している動画等を見ながらやってみました。
一言で言うととても簡単で、ちゃんとした道具があればすぐに出来ると思います。(とはいえ、自分で試すときは自己責任で。自信が無いときは自転車屋に頼みましょう……。)
順を追ってご紹介します。
1)道具を揃える
今回、こんな道具を使いました。
① レンチ
ペダルを外したり、はめたりに使用します。自転車のペダルに利用するのは、15mmが主流のようです。
当初、自転車のメンテ用に持っていた①’の小さめのレンチを使用しましたが、ネジが固着していて、上手く外れませんでした。
そのため、①のペダル専用のレンチを購入しました。Amazonで1,000円程度でした。
② グリス
ネジが固着しないために、またネジをスムーズにはめられるよう、グリースを塗る必要があるため購入しました。安心のシマノ デュラエースグリスで、こちらも1,000円程度でした。
KURE-556やシリコンスプレー、KUREチェーンルブなどは持っていたのですが、友人曰くグリースの方が良い、というアドバイスでした。
ペダル交換にしか使わないのはもったいなく、ベアリングを使用している部分へのメンテナンスのほか、腕時計の金属バックルのきしみにも使えるようで、改めて試してみようと思います。
③ ペダル
先ほど購入したペダルです。
2)既存のペダルを外す
まずは、もともとついていたペダルを外してみます。
ペダルレンチを使って、右側のペダルを外します。
自転車後方に取っ手が来るようレンチを装着し、取っ手を地面に向けて押します。
このとき、勢いよくやり過ぎると、レンチを握った手で、チェーンや自転車本体を殴って怪我をするので注意します^^;
外れました。
続いて左側も同様に外します。このとき、左側は逆さネジなので、右側と同じ向きでの装着――「自転車後方に取っ手が来るようレンチを装着し、取っ手を地面に向けて押す」でOKです。
最後に、ティッシュでクランクのペダル穴を拭き取っておきます(古いグリスを拭う)。
ここまで、所要時間5分程度でした。
3)新しいペダルを装着する
続いて、新しいペダルを装着してみます。
ペダルには左右があります。大抵、ネジの部分に記載があるようですので確認します。
このペダルはR、つまり右側用であることがわかります。
固着を防ぐため、またスムーズに挿入・かみ合わせるために、グリスを塗布します。
そして、最初のうちは手で、硬くなってきたら先ほど使ったペダルレンチを逆回転させ、締め上げます。
完成したのがこちら。結構モダンな感じで綺麗ですね。
初めての経験でしたが、所要時間は取り外しから完了まで、左右で15分程度でした。
なお、先述したように、取り外した直後のネジ穴や、グリスがはみ出した部分は、しっかりティッシュで拭きます。
こんな感じでかなりの油汚れが出ているため、放置するとトラウザーズ(ズボン)を汚す原因になるからです(この汚れ、クリーニングでもなかなか落ちません……)。
4.交換してみての感想、乗り心地
○ しっかりとグリップされる
交換後初乗車の数分は、今までと違う感覚に戸惑いました(そのため、出勤時にぶっつけ本番では無く、交換後少し乗ってみると良いです)。
しかし、慣れるとそのしっかりとグリップされる感覚に、とても満足出来ます。
特に、足のどの部分で押しても、ペダルがグリップ出来るのはとても快適です。
○ 当然、キズはつかない
ペダルと靴底の間は全てゴムのため、当然キズはつきませんでした。
「今の踏み込み、傷ついてるよなぁ」などと思いながら乗らなくても良いので、精神的に楽になります^^;
X アウトドアには向かないかも
泥が少しついたゴム底のスニーカーで乗ったとき、これまでのアルミ製に比べてすこし滑る感覚がありました。
そのため、アウトドア用途には向かないかも知れません。 あくまで、街乗り用、通勤用だと思います。
? 耐久性は……
ゴム部品が使われているので、耐久性(摩耗と劣化)は避けられないのでは? と考えています。
とはいえ、一組2,000円という安さを考えると、2~3年に1回は交換しても良いくらいです(もっと持つと思いますが)。
総評:買い
ペダルがしっかりグリップされ、安全に走行できること。そして、靴底が傷みにくくなることから、もっと早く交換しておけば……と思いました。
特に、おろしたての靴で自転車に乗り(乗るなよ……^^;)、次の靴磨きで、傷ついたソールを見た時の落胆は何度も経験しましたが、これさえ有れば防げていたのか……と、今更ながら悔しい思いです。
安全面からも、見た目からも、革靴向きペダルへの交換は、是非オススメしたいです。
また「こっちの方が革靴に向いているよ」というペダルがありましたら、是非ご紹介下さい。
5.(おまけ)自転車とスーツ、その他の対策
そのほか、スーツを着て自転車を乗る場合のTIPSをご紹介します。
1)服装への対策:裾バンドを使って、裾汚れを防ぐ
スーツを着て、長時間自転車に乗る場合、裾バンド必須です。
特に、チェーンがむき出しのタイプは、これが無いとトラウザーズの裾が、機械油で真っ黒になります。
2)自転車への対策:自転車パーツ(チェーンケースや泥よけ)で汚れを防ぐ
スポーツタイプの自転車の場合、チェーンやチェーンホイールにケース(カバー)がついていないことがあります。
これらが直接服に接触しないよう、できればケースをつけたいところです(見た目が格好悪くなる場合があるため、躊躇しがちですが……)。
また、同じくついていないことがあるのが、泥よけ。水たまりを走ったとき、泥水を跳ね上げることを防いでくれます。 泥よけも、スーツのことを考えるとあった方がよいでしょう。
3)自転車への対策:こまめな掃除で汚れを防ぐ
かなり基本的な事ですが……。
自転車は、駐車時のチリや排ガス、汚れた機械油など、服を汚す原因が沢山ついています。
安全のためにもメンテナンスは必要ですが、服を汚さないためにも、しっかりとし清掃が必要です。
機械油を取り去れない部分は、前項のようにケースで保護しますが、それ以外はきちんと拭いておきます(特に、冬場にコートを着たときには重要……)。
個人的には、シリコン剤入りのブリヂストンポリッシュ100を使って磨くと、汚れがつきにくくなるのでオススメです。
スーツと自転車。長時間の乗車は、トラウザーズの股部分を傷めたり、シワが入ったりと向かないかも知れません。
しかし、短時間であれば、少しの対策で快適に乗れるようになると思いますので、是非試してみて下さい。
また、こんな対策をしている、という意見/情報がありましたら、コメント欄よりぜひお寄せ下さい。
追伸:
来週は出張のため、お休みします……。
リンク
- 交換したペダル:http://amzn.to/2zwgauP
- 交換時に使用したペダルレンチ:http://amzn.to/2zwipOL
- 交換時に使用したグリス:http://amzn.to/2hs5kiu