皆さん、衣替えは終わりましたか?
今回のテーマは、衣替えといってもスーツやコートでは無く、ネクタイについてです。
ネクタイの衣替えをする意味(メリット)や、衣替えの対象となる秋冬/春夏ネクタイの特徴とは何かを考えます。また、先日実際に衣替えしたときの様子もご紹介したいと思います。
1.ネクタイの衣替えをする意味
ネクタイなんて、オールシーズンじゃ無いの? と思った方。 ある意味正解です^^;
とはいえ、秋冬の方が、あるいは春夏にお洒落なネクタイも一定数存在しているのも事実です。
こういったタイを入れ替えることで、いくつかのメリットが出てきます。
① 沢山のネクタイを所有できる
新入社員のころはあんなに少なかったネクタイが、ある程度年次を重ねるとどんどんと増えてきます。(そして、増えれば増えるほど、ローテーションの間隔が開き、傷みが少なくなって、さらにその数を増します。)
そんなとき、秋冬と春夏のタイを入れ替えることで、より多くのタイを第一線に置くことか出来るようになります。つまり、沢山のネクタイを所有できるというわけです。
② ネクタイを選びやすくなる
第一線にあるネクタイが、その季節に相応しいものばかりであれば選びやすいですよね。
逆に、季節外れのものが混ざっていると、「これは色が合うけど季節感が……」などと、選ぶ時に迷いやすくなります。
③ ネクタイをメンテナンスしやすくなる
衣替えが、そのネクタイが継続して利用できるか――傷んでいないか、汚れやシミがついていないかなどを確認する良い機会になります。
気をつけて食事をしていても、ネクタイは食べこぼしなどがどうしてもつきやすいアイテムです。
もちろん、シルクのネクタイはクリーニングに向いていません。しかし、カビの一大繁殖地になって他の衣類に広がる前に、シミや汚れがついていた場合は、迷わず業者に出しましょう。
2.秋冬ネクタイの特徴
続いて、どんなネクタイがこれからの季節に活躍するのかを見ていきます。
ポイントは、起毛感、厚手、暖色の3つです。
① 起毛感があるもの
スーツやジャケットの素材と同じく、起毛感のあるネクタイは秋冬にピッタリです。素材としてはウールや起毛させた絹が代表的です。
そして、起毛感のあるジャケットに、起毛感のあるネクタイを合わせることで、とても暖かみのある見た目になります。
一方で、起毛感はフォーマル性を落とす要素にもなります。このため、時と場所を考慮し、やり過ぎには注意しています。
② 厚手のもの
厚手のネクタイも、秋冬にピッタリです。
また、肉厚でも光沢があれば、フォーマルシーンに十分耐えます。
一方で、ノット(結び目)が大きくなりやすいので、購入の際、自分の好みに合うサイズになるか、確認することが大事です。
③ 暖色のもの
秋は紅葉/落葉の季節でもあり、また温かそうな色が映える時期です。
色は好みがあり、また肌の色とあわせる必要もありますが、個人的には秋冬は暖色と相性の良い季節であると感じています。
こちらも、寒色の青系統に比べると若干フォーマル度が落ちますが、普段の通勤であれば問題ないでしょう。
3.春夏ネクタイの特徴
続いて、今の季節に仕舞われる側のネクタイである、春夏ものの特徴を見ていきます。
① ザックリ感のあるもの
この様に、目地がザックリとしているものは、温かいシーズンで、とても涼しげに見えます。
素材としては、麻、綿、ネップ(小さな繊維の塊)のある絹やサマーウールなどが該当します。
麻のシャツや、強撚糸を使ったザックリとした生地(ゴワつきがありサラッとした手触りの生地)を使ったスーツとも相性が良いです。
また、ザックリとした、という意味ではニットタイ(編みネクタイ)も該当します。
② 薄手のもの
生地そのものが薄いネクタイ、または裏地を省いて薄く仕立てたネクタイも、温かい時期にピッタリです。
三つ揃いのスーツだと変化がわかりにくいですが、ジャケパンなどでタイがヒラヒラすると、とても涼しげです。
③ 薄い色や緑系統のもの
涼しげに見える薄い色や白の面積が広いタイ、また緑系統の新緑を彷彿とさせるタイは、春夏にオススメです。
こちらもやり過ぎはカジュアルな雰囲気が出てしまいますが、その場合は三つ揃いなどで露出面積を減らすと良いです。
4.衣替えの様子
実際に先日行った、ネクタイの衣替えの様子をご紹介します。
なお、本来であれば、ネクタイを2つ折りに出来る着物用桐箪笥や大きな衣装箱に入れるのがベストです。しかし、スペースの関係で靴箱を利用してしまっています^^;。 余裕がある方はぜひ衣装箱をご利用ください……。
また本サイトの記事全般に言えることですが、上記の事情からも「自分で試す場合は自己責任」がお約束です(長年やっていて特に問題は発生していませんが……)。
① 秋冬物を取り出す
こんな感じで秋冬物のタイが収納されています。防虫剤と、除湿剤を入れ、ビニールで密閉しています。
取り出したところ。
余裕をもって収納すればシワになりづらく、良いネクタイであれば吊しておくとシワは簡単に取れます。
② 春夏物のタイをハンガーからおろす
春夏物のタイを、第一線で使っているハンガーから取り出します。
このとき、ネクタイにシミや汚れがついていないか、よく確認します。見つけた場合は、クリーニングに出しましょう(汚れを放置すると、収納中のカビの原因にもなります)。
なお、当然ですが、季節感が強い(春夏物と秋冬物の)タイが同数程度だと、最も効率的に衣替えが出来ます。意図はしていなかったのですが、私の場合はほぼ同数でした。
③ 秋冬物のタイをハンガーに掛ける
秋冬物のタイを、ハンガーに掛けていきます。
このとき、多少シワがついていても、吊している間に素材の復元性で取れますが、綿や麻など取れにくい場合はスチームをあてます(直接アイロンでのプレスは、ペチャンコになるのでNG)。
④ 春夏物のタイを揃えて並べる
本来であれば2つ折りが望ましいのですが、自宅にそんなスペースをとる(広くて薄い)衣裳ケースは置けないため、靴箱を再利用してしまいます。
靴箱を使う場合は、だいたい5つ折りくらいになります。
⑤ 収納する
シワにならないようビニール袋に入れ、防虫剤と乾燥剤(カビ防止剤入り)も入れた後、靴箱に収納します。
なお、専用のタンスで保管する場合は、通気性を重視してビニール袋には入れないようにします。ビニール袋に入れる場合は、必ず乾燥剤を併用してください。
このネクタイたちに再会するのは(記事の写真用に引っ張り出されなければ)半年後です。
リンク
本記事内で使用していた製品は、下記の通りです。
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