梅雨や秋雨は、靴や服にはびこるカビなどにとって、とても過ごしやすくなる季節です。
我が家は隣に小さな丘陵がある関係で、ものすごく湿気ています。特に、5月以降は凄いです。そこで、一昨年から、炭による除湿――というよりは、調湿を目指して、「炭八」を導入してみました。
要は炭なんですが、多孔質+内容物が漏れにくい(=服を汚しにくい)ということで、買ってみました。
そして2年間使ってみて…… というのが、今回のレビューです。
※ R4.12.4追記:10年間使ってみて、の感想も記事末尾に追記しました
0.当初検討した除湿方法
炭八にたどり着くまで、色々な除湿方法を考えたり、実践したりしました。以下の通りです。
風通し作戦
アイデア:サーキュレーターで風を送り続ければ、カビは発生しない!?
→ クローゼットは開けっ放しにしなくてはいけないし、靴箱は無理…… ということで【×】
除湿器作戦
アイデア:除湿といえば除湿器! クローゼットに除湿機を入れられないか……。
→ 電源の確保、排水方法、スペース的に無理…… ということで【×】
使い捨て吸湿剤
アイデア:服+除湿といえば吸湿剤(ジョイペットとか)!
→ 長期保存には適しているが、頻繁に開け閉めをするスペースには不向き……。また、中身を捨てたり入れ替えたりと手間がかかる。 ということで【△(不十分)】
そして、炭に行き着きました。
炭による調湿
アイデア:昔から床下の調湿材として活躍していた炭ならばどうか?
→ 強力な吸湿は期待できないが、長期間かけた穏やかな調湿には使えそう…… ということで【○】
1.消臭にも使える炭
実は、最初に導入したのは靴箱だけでした。カビといったら、やはり服よりも靴ですしね。また、炭は消臭にも使えるからです。
今回導入したのが、この業界では大手らしい出雲カーボンの「炭八 タンス用」です。とりあえず、5袋セットを買いました。
こいつです。
それで、これを靴箱に入れていきました。靴箱といっても、靴を買ったときについてくる収納箱に入れてはダメです。あれは、相当吸排湿が悪く、結構な確率でカビます。(もし使うなら、蓋を開け、布を掛けておくと良いです。)
2.まずは1年間使ってみた結果 → 結構除湿できる
ということで、炭八を靴箱に入れて1年間使ってみました。
以前ご紹介した自作カビ防止スプレーですが、こちらは主に靴の中のみを防止する使い方しかしていませんでした。
ですから、雨が少し降った後、降雨後の処置をせずに靴箱に入れたままコバにカビが発生……というのも、若干有りました。
しかし、炭八を入れた靴箱のみ、まったくコバのカビが発生しませんでした。
勿論、しっかりと雨に濡れた後は、靴の乾燥をしてから収納する必要があります。しかし、霧雨程度や普段の湿気程度であれば、炭で除湿可能なことが分かったことは、結構な収穫でした。
これはタンスにも導入すべきじゃないか? ということで、クローゼット用に炭八の大袋タイプを購入するに至ったわけです。
3.「大袋」「押し入れ用」を1年使った結果→ 除湿はまぁまぁ、消臭は凄い
まず買ったのはこちら。
巨大な「炭八 大袋」です。
炭八タンス用が0.6リットルなのに対し、こちらは12リットル。20倍の容量です。
そして、コイツを普段使っているクローゼットに敷きました。
さらに買い足したのがこちら。
棒状の「炭八 押入れ用」です。
こちらは、オフシーズンのクローゼット用として購入。隙間にすっぽりと入るサイズなので、取り回しが楽です。
大袋にせよ、押し入れ用にせよ、今までに比べ服がべたつかなくなったような気がします。
靴のように、カビが生えなくなった、などの事実を確認しづらいので、そこまでヨイショできませんが、クローゼットの臭いは段違いに無くなった気がします。長年の臭いが消えた、という感じでしょうか。
4.「炭八」の調湿効果を保つために
なんで今日のエントリーが炭八かというと、関東一帯がかなり晴れていたので、炭八の天日干しをしたからです。
また、2年間使っておきながら、こいつを紹介してなかったなぁと^^;
炭は周囲の湿度が高いときは湿気を吸い上げ、逆に周りが低いときは、自身の湿気を放出します。
だから、他の方法が「除湿」なのに対し、こちらは「調湿」になるわけです。で、その機能を利用して、天日干しをすると、買ったばかりの時と同じくらいに湿気を吸うようになります。
また、臭いの成分はほとんどが揮発性です。
干すことで揮発し、炭が吸い取った臭いもリセットできます。ということで、1シーズンに1回は天日干しをしたいところです。
朝起きたら、こんなに晴れていました。ということで……
窓際に炭八をずらり。まだ日の角度の関係で直射日光にはなっていませんが、そのうち差し込んでくる予定。
窓を開けて、換気を良くしながら天日干しにすることをお薦めします。湿気と臭いをグングン取り除くことが出来ます。
5.まとめ
- 梅雨時、靴箱/クローゼットの湿気は除去する必要があり、除湿器、除湿材、換気だけではやりづらい
- 靴箱の除湿に炭は効果テキメンで、特にソール/コバのカビ防止に良い
- 靴やクローゼット内の脱臭にも効果が有った
- 靴箱には「タンス用」、クローゼットには「大袋」か「押し入れ用」がお薦め
- 最低1シーズンに1回は天日干しをすると、調湿効果と消臭効果が回復する
レビューを書いていたら、また欲しくなってきました。
次の設置目標は、これからの季節寝汗で湿気そうなベッドの下、トラウザーズ(ズボン)用の引き出し用といったところでしょうか……。
(あとがき)10年間使ってみた
※ R04.12.04追記
炭八を利用し始めて約10年が経ちました。結果として、10年間愛用することになりました。
使ってみて思ったのが、やはり使い捨ての除湿剤を使うよりも、炭八の方がカビ発生防止に効果があるということです。
なぜかというと、カビの防止を目的とする場合は、湿度を下げることに加えて、換気することが重要だからです。つまり、換気をしつつ利用出来る炭八が、クローゼットや靴箱の調湿には最適なわけですね。
また、炭八を入れるかどうかで、クローゼットや靴箱の臭いがかなり軽減されたのも大きな成果です。
外回りで汗の臭いがしたスーツ類は、スチームで消臭することが一般的です。しかし、手間だったりスチームをしたとしてもかすかに臭いが残っていたりし、それがクローゼット全体の臭になりやすいのですが、それが全く感じなくなるのです。
炭八を使ったからカビない! とは断言できませんが、炭八を使いつつ適切に換気をすることで、カビの発生をかなり抑えることができますし、消臭にとても効果があることは言えます。