「靴なんて1足、多くても予備で+1あれば十分」と同僚に言われたことがあります。
たしかに、家に帰ったら玄関の土間に靴を脱ぎ捨て、翌日その靴を履いていく、汚くなったら買い直す、というパターンは多数派かも知れません。
革靴が好きな方や、ファッションに興味がある方にとっては信じがたいかも知れませんが、「1足派」からすると革靴を複数持つのは贅沢、道楽、靴箱の無駄遣いなのでしょう。
今回は、そんな1足派の方に向けて、革靴を複数持ち、ローテーションすべき理由(メリット)を5つご紹介します。
革靴が好きで無く、ファッションに興味が無い方にこそ、ぜひ実践いただきたいと感じます。
理由1:靴の寿命が伸びる
一つ目は、靴の寿命が延びること。
「そりゃ、2足あれば2足分の、3足あれば3足分の寿命になるでしょ」といわれそうですが、そうではありません。
1日履いた靴は大量の汗を吸っており、連用することでダメージを受けます。そのため、中1日、できれば中2日空けることで、1足当たりの寿命が延びるのです。
これだけでも、昨日脱ぎ捨てた靴をそのまま履いて出かけない、大きなメリットになると思います。が、追加で4つもあります。
理由2:足が臭くなくなる
同じ靴を毎日履くと、もうひとつ深刻な問題が発生します。それは、足が臭くなると言うことです。
靴の中は、足から出た大量の汗と体温で、雑菌が繁殖しやすい環境です。そのうえ、毎日同じ靴を履くことで、靴の中が湿った状態で維持されることになり、雑菌が繁殖しやすくなります。
ぬれ雑巾を干さすに放置すると臭くなるのと同じです。連日ぬれ雑巾を履きたくないですよね?
一方、中2日程度置くことで、いったん靴の中を乾燥させることができ、雑菌の繁殖を抑えることができます。
なお、より臭いの発生を抑えたいという方は、焼成カルシウムの防臭剤がオススメです。出張で連日同じ靴を履かざるを得ないときも、出かける前に靴の中に振りかけておくと、悪臭を防止できます。
製品としては以前レビューしてその後も愛用している「グランズレメディ」と「シャイニーキックス」の2つを推奨します。かなり効果てきめんです。
焼成カルシウムの防臭剤
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また、靴の臭いそのものにフォーカスした記事も有りますので、お悩みの方はこちらもご覧下さい。
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忘年会/新年会、革靴と足の悪臭を防止するテクニック
忘年会で気をつけたい、靴と足の臭い。革靴と足の悪臭を防止する方法について、5つのポイントからまとめてみます。また、グランズレメディと同じ効果のある、使いやすいボトル入り消臭剤についてもレビューします。
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理由3:足をいたわれる
連用するとダメージが蓄積するのは、なにも靴だけではありません。
はき慣れた靴なら問題無いですが、下ろしたての靴を毎日履くと、靴と足の合わない部分が連日当たることになり、足が負け靴擦れよって痛みます。
従って、靴をローテーションすることで、靴擦れを防ぎ、足をいたわることができます。
たとえ、全て靴擦れしやすい新品の靴だとしても、ローテーションすることで当たる部分が微妙に変わるため、足が痛くなりづらいのです。
理由4:服装に変化を付けやすくなる
靴が一種類だと、合うスーツや小物が限られます。
代表的なのは色。
靴が黒色ならば、ベルトや鞄等の革製品は黒色が合わせやすくなりますが、逆に茶色は難しくなります。
茶色のベルトや鞄に合うジャケパンを着たいなら、ぜひ2足目には茶靴を買うと良いでしょう。
このように、靴の種類を増やすことで、「この靴に合うスーツやジャケットは何だろう?」とファッションに興味を持つようにもなる方もいます。
彼氏やご主人に、もうすこし服に興味を持ってほしいと思っている方は、ぜひ普段履いているのとは違う、オシャレな革靴をプレゼントしてあげて下さい。
理由5:靴の機能を活用出来る
靴にも機能が様々あります。
ストラップシューズなら脱ぎ履きがし易いため座敷の飲み会に、防水靴なら降雨時に、と、適切な役割があります。
「毎日防水のストラップシューズで良いのでは?」と言われてしまいそうですが、もちろんメリット1~4に書いたとおりでオススメしません^^;
複数足揃えて、それぞれに役割を与え、その日の予定や天候に合わせて靴を選び、そこからスーツやシャツ、ネクタイを合わせていくとファッションを楽しむことができます。
(とはいえ、防水のストラップシューズ/スリップオンシューズを複数揃えてローテーションする、服装で悩みたくない、決断は少なくしたい、という方にとってはそれがベストかも知れません(cf. ディシジョンファティーグ;決定疲労)。なお、私の場合は、前日夜にコーディネートを決めることでこの問題を回避しています。)
おわりに
靴好きの方からすると基本的なことかも知れませんが、実際には多くのサラリーマンが毎日同じ靴を履いているようです。(私のまわりだけ?)
以前会社の飲み会で、男性陣が毎日同じ靴を履いているといると言う話になり、女性陣がドン引きしていた、ということがありました。(ただし、○十足でローテーションしている、というのもドン引き対象だろうと思います。そこは言わない方が吉です^^;)
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昨年の記事「令和5年 ベスト・バイ」で、自身のローテーション例を取り上げてほしいというコメントをいただき、書き始めたのですが、「そもそもローテーションの必要性が余り認知されていない」というこの問題があって、まずは靴にフォーカスした本稿を書きました。
次回は、実際に私のローテーションをご紹介したいと思います。(あまり参考にならないと思いますが……)