みなさんは、スーツやジャケットのをどのくらいの頻度でクリーニングしていますか?
1回着たら? 汚れたら? はたまた、気づいた時に、でしょうか。
例外はありますが、私は1つのスーツやジャケットについて、年1回しかクリーニングに出しません。
本日は、なぜクリーニングを年1回しか出さないのか、その理由をご紹介します。
1.クリーニングのしすぎは、スーツにダメージを与えるから
1つめは、クリーニングのしすぎが、スーツにダメージを与えるからです。
「え? クリーニングはスーツを綺麗にするモノでしょ?」という声が聞こえます。たしかに、ある一面では、クリーニングはスーツを綺麗にします。しかし、その裏でクリーニングはスーツを傷めるのです。
クリーニングによる脱脂
クリーニングは、主に有機溶剤を使って、衣類についた油汚れを取ってくれるサービスです。
一方、スーツの美しさの源である生地の輝きは、繊維に適度な脂分が残り、かつ毛の表面が整っている状態で発揮されます。しかし、クリーニングを繰り返すことでこれが損なわれてしまいます。
美しい髪の毛を、ベンジンで何度も洗ったらパサパサになるのと同じです。
攪拌やプレスによるダメージ
高品質なクリーニング業者であれば、洗髪後のリンスのように、適度な脂分を補充してくれるところもあります。
しかし、それでも洗濯時の攪拌(かくはん)による擦れは避けられませんし、洗った後のスーツはアイロンでプレスしなければならず、こちらも同じくダメージになります。
高品質なクリーニングを使うためでもある
我々サラリーマンの小遣いは有限です。
もし、何度もクリーニングをするとなると、格安業者を使う必要がありますが、安価には安価なりの理由があります。
例えば、汚れた溶剤を使いまわしている、同時に沢山の洗濯物を洗う、洗濯後のケアが甘い、職人の士気/練度が低い(例えばプレスが下手、荒い)、などです。
つまり、相場より安いクリーニング屋は、より(相対的に)衣服にダメージを与える可能性が高いのです。
そのため、高品質なクリーニング屋を使う為に、回数を少なくしています。(また、私の場合は保管クリーニングを使っているため、普通のクリーニングに加えて割高、ということもあります。)
2.汚れないように気をつけ、かつ日頃メンテナンスしているから
2つめは、汚れないように気をつけ、かつ日頃メンテナンスをしているからです。
もちろん、しっかり汚れが付いてしまった服の放置はNG。食べ物をこぼしたとか、泥汚れが盛大についたとか、そういった場合は落ちにくくなる前にクリーニングに出しましょう。
とはいえ、日頃から少し気をつけるだけで、汚れを防ぐ事は出来ます。
シャツやアンダーシャツをしっかり着る
スーツの襟や袖の汚れは、ジャストサイズのシャツ(ワイシャツ)を着ることで防ぐ事が出来ます。
ジャケットを羽織ったとき、首や手首の肌にジャケットの生地が直接触れていませんか? 肌とジャケット生地の間で、シャツが守ってくれていればOKです。
また、汗かきのかたは、アンダーシャツも着用し、スーツに汗が浸透しないようにします。
飲食のタイミングでは細心の注意を
スーツの汚れでもっとも厄介なのは食べこぼしや飲みこぼしです。自分で気をつけても、酔った同僚から浴びせられた、というパターンも含みます^^;
宴会時、ジャケットは脱いでおく、泥酔者に近寄らない、(焼き肉店等では)前掛けを活用するなど、基本動作が大切です。
日頃のメンテナンスも重要
着崩れや、水分/土埃によるダメージを防ぐ事も重要です。帰宅したらブラッシングする、雨に降られた際はしっかり水分を取る、疲れていても必ずハンガーに掛けるなど、こちらも基本動作を徹底します。
また、梅雨や秋雨時には、カビ対策として保管場所の湿度にも注意します。
3.十分な着数を持っているから
最後は、十分な着数を持っているからです。
実は、2の「汚れないように気をつけ、かつ日頃メンテナンス」をしっかり出来ていたとしても、十分な着数でローテーション出来なければ、クリーニングの回数は増やすべきです。
季節毎に着用するスーツ/ジャケットが異なる
3シーズンやオールシーズンを謳うスーツがあります。それらを通年で使えばコスパはよいものの、実際には季節感を大切にした方がオシャレに見えるものです。
春夏秋冬それぞれ……とまでは言いませんが、少なくとも夏用(晩春~初秋)、冬用(晩秋~初春)の2ローテーションはあったほうがいいです。
そして、それぞれのシーズン終わりに保管クリーニングに出してしまえば、クローゼットも活用出来ます。
毎日違うスーツ/ジャケットを着る
そして、同じシーズンの中でも、複数着は必要です。
もちろん、働き方が多様化した昨今、毎日スーツを着ない方も多いと思いますが、その場合は着数は少なくてOK。
目安としては、1つのスーツやジャケットは1週間に1度しか着ない、くらいが必要です。
私の場合、その頻度は2週間に1回程度であるため、たとえ半年間の平日を毎日、スーツやジャケットを着たとしても、1クールに12回程度しか着用しない計算になります。(実際には休暇や年末年始で10回に満たないくらいです。そして、最近はクールビズや在宅勤務も増えているので6回程度でしょうか。)
さすがに、新入社員の方には難しいかも知れません。しかし、入社後数年経てば夏用、冬用それぞれ5着ずつくらいは揃った状況になります。そうなると、1シーズンに1回とはいかないまでも、2回くらいにクリーニング回数は抑えられると思います。
おわりに
今回の記事は、私が着道楽(十分な着数を持っている)であることや、逃げ足が速い(泥酔したアブナイ同僚を探知識別し、避難できる)ことを自慢したいわけではありません。
未だに(あるいは昨今の事情のためか)、スーツの見栄えや清潔感のためにクリーニングを頻繁にしている、という話を聞くからです。
スーツやジャケットは下着とわけが違います。下着は毎日洗って頂きたいですが、クリーニングは少ないに越したことはありません。
ただし、繰り返しになりますが、十分な着数や危機管理、日頃のメンテナンスによって汚れていないことが前提です。特に、食べこぼしなど、染みになる汚れが付いたときには、躊躇せずクリーニングに出すことも、また重要です。