靴の履きこなし

靴を脱ぐとき、「靴ひも」はほどく?

投稿日:平成29年(2017) 10月1日 

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みなさんは、靴を脱ぐときに、毎回靴ひもをほどきますか?

今回は、そもそも靴ひもをほどく必要があるのか、ほどかないデメリットには何があるのか、そしてどうすれば素早く脱ぎ履き出来るかについても考えてみたいと思います。

1.靴ひもをほどかない人は多い

少し前、会社の飲み会にて。

普段は靴を脱がない店か、自分で下駄箱に入れるタイプが多いのですが、その時は店員が収納してくれる店でした。

玄関にズラっと置かれた靴を見て気になったのが、殆どの靴が、ひもを結んだままだった――靴ひもを緩めずに脱がれていた、ということです。

靴ひもをほどきたくない気持ちはよく分かる

靴ひもをほどくと、脱ぐときはもちろん、履くときも時間がかかるというデメリットが生まれます。

そのため、小さな玄関で後ろが待っていたり、または自分がホスト側で急いでいたりと、サラリーマン的な様々な事情で、やむを得ず靴ひもは結んだまま、という方もいらっしゃることでしょう。

しかし一方で、つっかけスニーカーと同じ要領で「靴ひもは緩んだ時にしめるもの」「なんでほどく必要があるの?」という認識の方も、多くいらっしゃるようです(会社の同僚にもけっこういました^^;)。

そこで、難しい問題に触れる前に、まずは靴ひもをほどかないことによるデメリットをおさらいしてみます。

 

2.靴ひもをほどかないで脱ぐのは、何が悪い?

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結論を書いてしまうと、面倒でも革靴を脱ぐときには靴ひもを緩め、履くときにはしめることをオススメします。

というのも、靴ひもを緩めないことで、以下のような不利益があるからです。

① 靴へのダメージ

一つ目は、靴が傷んでしまうことです。

殆どの革靴は、脱ぎ履きする際に、靴ひもをほどくことを前提に設計されています。極端なたとえですが、ドアノブをひねらずにドアをこじ開けるようなものです。

靴ひもをほどかずに靴を脱ぐことで、鳩目(紐を通す穴)や履き口全体を傷め、確実に靴の寿命を縮めます。

そして、脱ぐときよりも深刻なのが、靴ひもを留めたまま靴を履くこと。履き口がボロボロになります。

「靴ひもをほどかずに脱ぎ履きする」に、「靴べらを使わずに履く」「手を使わずに脱ぐ」を加えたのが、個人的には「靴を傷める3コンボ」だと感じます。そして、これをしている人が多すぎるように思います。

② 履き心地の悪化

そもそも、靴ひもをほどかずに靴が脱げるということは、紐が緩くて靴が足に固定されていないか、靴が大きすぎる(サイズが合っていない)ということです。

そしてそんな状況の革靴は、履き心地が非常に悪くるばかりか、足をくじいたり、つま先を痛めたり、靴擦れの原因にもなります。

言い換えると、本当はもっと快適に歩行できるのに、もったいないなぁ……という状況にあるわけです。

 

3.紐靴のスマートな脱ぎ履き方法は?

とはいえ、最初の項目で述べたように、「サラリーマン的な、早く脱ぎ履きしたい諸事情」で、やむなく靴ひもをほどかずにいる方も多いでしょう。

そこで、少しでも早く脱ぎ履きするためにはどうしたら良いかを考えてみます。

① 靴べらを常に持ち歩く

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店や家から出ようとするときに、靴べらを探してオロオロしたり、最悪つま先をトントンして無理矢理履いたりしていませんか?

そこで、自分の靴べらを携帯することで、玄関でのもたつきを減らすことが出来ます。

よりスマートなのは、ゲスト(招待された側)や女性に玄関備え付けの靴べらを手渡しつつ、その隙に自分は携帯用の靴べらを取り出して靴を履くことです。

マイ靴べらで「靴べらまち」が無くなり、スムーズに外へ出られます。

携帯靴べらのストック

ちなみに私は、出かける前に靴べらを探すのが大変なので、安い靴べらを大量にストックしています。

オススメはコロンブスのイタリーシューホーンA(下の写真)。1つ200円という安さで、かつ軽く、丈夫で、見た目もそこそこで、とても使いやすいです。

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今では、全てのズボンに、予めこの靴べらを装備しているような勢いです^^;

② ベロが固定されている靴を選ぶ

靴を急いで履こうとしたときに課題になるのが、くつのベロが引っかかることでしょう。

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特に、内羽根の靴は、ベロを足の甲に巻き込みがちなので、靴を購入する際に、ベロが固定されているタイプを選ぶと良いです。

 

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▲ 固定されていないタイプ

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▲ 固定されているタイプ

もちろん、ベロが固定されていないタイプは、靴ひもを取り外し/装着しやすく、靴磨きが楽になります。

しかし、スムーズに靴を履くことを優先すると、固定されているタイプがオススメです。

③ 鳩目(アイレット)の少ない靴を選ぶ

一番的な内羽根の靴は、鳩目が5~6個です。

しかし、外羽根の靴を中心に、鳩目が少ないものもあります。こういった靴を選んでおけば、しめる箇所が少なくなるため、時間短縮につながります。

 

4.それでも靴ひもをほどきたくない時は?

……と、早く紐靴を脱ぎ履きする方法を挙げてみましたが、やはり決定打に欠けるかも知れません。(オススメの方法があったら、コメントお待ちしています!)

 

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そこで、どうしても入退出を早くしたいという場合にオススメなのが、通称モンクストラップと呼ばれるスリップオンシューズです。

モンクストラップに使われるストラップの多くは、見えない部分にゴムが使われており、バックルを外さなくても脱ぎ履きが出来る様になっています。

また、ローファーなどの非紐靴は、一般的にカジュアル靴として分類され、ビジネスのスーツスタイルでは不適当なことが多いです。

しかし、プレーントゥやストレートチップタイプのモンクストラップであれば、ビジネスはもちろん、よほど格式が高くない限りは冠婚葬祭にも許容されます。

意外とダブルモンクストラップは難しい

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モンクストラップにはシングルとダブルの2種類があります。

近年の流行はダブルモンクストラップとよばれる、ストラップが2カ所あるタイプのようです。

ダブルは、見た目はシャープな印象ですが、足を強めに押さえつけるタイプが多いため、実際には脱ぎ履きにまごつくことが多い印象です。

一方で、シングルはサイズ合わせが難しいというデメリットがあるものの、脱ぎ履きのし易さという点ではオススメです。(紐靴に比べると、ダブルもフィッティングが難しいですが。)

ちなみに私の場合、飲み会がある(または予想される)場合は、ほぼモンクストラップを履いて行くようにしています。

 

5.(おまけ)革靴の、靴ひも結びの基本とTIPS

最後に、靴ひもを結ぶ上での基本とTIPSを、靴を履く順番でご紹介したいと思います。

一般的に革靴は、運動靴よりもかなりタイトに縛ります。文字では伝えづらいので、もし、専門のシューフィッターに見て貰ったことがないという方は、ぜひ一度その感覚を体験して下さい。

私も学生時代、スコッチグレインの直営店にお世話になったことがありますが、こんなに強めなのかと、その時の衝撃は相当なものでした^^;。

① 靴ひもは古くないか

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靴ひもは消耗品です。

切れたら交換するのでは無く、見た目の問題からも、毛羽立ちが酷くなったなと思ったら交換します。

靴を磨く際に、靴ひもが交換時期で無いかを、毎度確認するようにすると良いでしょう。

② パラレル結びになっているか

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靴ひもの結び方にはいくつかありますが、オススメはパラレルです。

綺麗に見え、かつ均等に力が加わるので、靴ひもが緩みにくいからです。

買ったばかりの靴は、シングルで結ばれていることがあるので、確認してみましょう。

③ 紐は最低3カ所緩める

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それでは、いよいよ靴ひもを緩め、履く準備をします。

当然、結んである一番上の部分は緩めますが、最低限2番目と3番目の部分も緩めることをオススメします(上図の、赤い部分を緩める)。

とくに、内羽根の靴の場合や、鳩目の数が5個以上有る場合には、徹底した方が良いです。

④ 靴べらを必ず使う

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ついに足を入れるわけですが、靴を守るためにも、靴べらは必ず使いましょう。

⑤ かかとを接地し、つま先を立てる

靴ひもをしめるときに大事な点が2つ。一つは、足を入れた後、かかとを地面につけ、つま先を上に向け立たせることです。

これにより、ヒールカップ部分にかかとがおさまった状態で、紐を締めることができます。

足の裏全体が、ペタッと地面についた状態でしめても、実は甲の部分だけ固定していて踵が遊んでいた、ということがあり得るので注意。

⑥ 奥からしめる

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もう一つが、紐を奥からしめていくことです。

靴ひもを手前だけしめても、面ではなく点でのおさえになり、靴を足にしっかり固定出来ません。

そこで、奥(つま先の方)から手前に向かって、水平に渡されている紐を順に引っ張りながら、しめていく必要があります。

 

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