乾燥する季節に大活躍するのがスキンケアクリームですよね。
先日、「青缶」として有名なニベアクリームとそっくりな製品が、「NIVEA MEN」シリーズから発売されました。
そこで、実際に購入して試してみました。 使い心地の違い、推奨する使い分け、おまけとして革製品に使えるのかどうか、まで考えてみます。
1.外観レビュー
全体
こちらがニベアメン(NIVEA MEN)クリーム。
Amazonから500円弱で購入出来ました。既存のニベアクリーム(以下、青缶)と比べると、少し高めです。
左が青缶。少し小さく見えますが、実際にこの2つは容量が違います。
青缶が56g、ニベアメンクリームが75gです。
製造国
よく見るとニベアの生まれ故郷であるドイツ製でした(私の持っている青缶はどれも日本製)。
ネットの情報を調べてみると、ニベアメンクリームは海外ではすでに発売されていたため、今のところ製造拠点が海外にあるのかも知れません。
フタの構造
外観上の違いは大きさ以外にもあります。それがフタの作り。
こちらは青缶の蓋ですが、特にストッパーなどは無く、上からかぶせてあるだけです。
一方、ニベアメンクリームはひねる事でフタがロックされるタイプです。
もちろん、青缶の作りは精巧で、簡単には外れません。それでも、出張などで持ち出すとき、荷物の中でフタが開いてしまわないか不安になる事は有り、こちらの方が安心できます。
開封
それでは、実際に開封してみます。今回は青缶も新品の物を追加購入して、同時に比較してみます。
フタを開けたところ。アルミのシートで覆われ、初回開封時まで、中身が劣化しないようになっています。
ちなみにこちらは青缶のシール。だいぶデザインが異なりますね。
あけていくとビックリ。青缶の先入観から、クリームチーズ状を想像したのですが、ゲル状でした。
シールの裏はヨーグルトのフタ状態に^^;
やはり軟らかいので、シールだけで無く、その後の利用時にもフタにくっつきやすいですね。
左が青缶、右がニベアメンクリームです。ニベアメンクリームの方が軟らかく、水っぽいかんじがするのは分かりますでしょうか。
わかりにくかったので手に塗ってみました。先ほど同様、右がニベアメンクリームです。
粘度が明らかに異なります。たとえて言うなら、青缶が油絵の具、ニベアメンクリームが水彩絵の具の感覚です――というより、青缶が「無色のサフィールノワール クレム1925」、ニベアメンクリームが「モウブレイのデリケートクリーム」といった方が、靴好きの方には分かりやすいかも知れません^^;
2.成分比較
この2製品、違いは容量や、男性向けの清涼感がある香料の有無くらいかなぁ……と、当初勝手に想像していました。
しかし、実際に開けてみると全く想像と違ったので、具体的に成分にどんな違いがあるのか、確認してみることにしました。
まず青缶ですが、主な成分は
- 水
- ミネラルオイル
- ワセリン
- グリセリン
- ……
と続きますが、
ニベアメンクリームを見ると、
- 水
- グリセリン
- ミネラルオイル
- 変性アルコール
- ステアリン酸
- ワセリン
- ……
といった感じです。
注目すべきは、その記載順序。化粧品の表記は原則多い順に記載されます(1%未満の物を除く)。
そのため、ニベアメンクリームは青缶に比べてグリセリンの量が多く、ワセリンの量が少ないことが分かります。
グリセリンもワセリンも保湿剤ですが、ワセリンの粘性が高いため、触った雰囲気に大きな違いが出たのだと思います。
この差異は、次の項目でご紹介する、使用感の違いにも現れます。
3.使い心地
それではいよいよ、使い心地の比較に入っていきます。
ニベアメンクリームはべたつかない
まず、一番の違いはベタつきの有無です。
私の友人に「ニベアの青缶はベタつくから嫌い」という人がいます。たしかに、青缶はワセリンの含有量が多いからか、かなりベタつきます。
一方、ニベアメンクリームは、余りベタつきません。前項で、サフィールノワールとデリケートクリームとの違いを例えとして挙げましたが、まさにそれくらいの違いがあります。
青缶を夏場に使うのは厳しいですが、ニベアメンクリームならいけると思います。
香りが違う
青缶は、男性用/女性用とも、どちらでも使える香りですが、ニベアメンクリームは明らかに男性用の香りです。
青缶と同じ香りだと思って購入すると、違いに驚くかも知れません。
ニベアメンシリーズを使ったことがある方は分かると思いますが、このシリーズでよく出てくる香りです。(ニベアメン・アフターシェーブローションと同じ香りだと感じました。)
個人的には「香水を使うなら、化粧品や柔軟剤は無香料を使うべき」という主義です。ただ、日本の大多数のサラリーマンは香水を使いませんから、これはこれで良いのかも知れません。
肌への浸透度合いが違う
肌につけてから暫く経つと、青缶のテカリやべたつきはそのまま保持されるのですが、ニベアメンクリームは肌に吸収されてしまう感覚がありました。
どちらがよい、というわけではありません。青缶は保湿とコーティングが長時間続き、ニベアメンクリームは保湿のみが静かに続く、という感覚です。
これは、肌表面を保護し続けるワセリンと、浸透していくグリセリン、というそれぞれの特性そのままなので、含有量の違いが現れているのだと思います。
4.ニベア青缶とニベアメンの使い分け
夏場ならニベアメンクリーム
私は以前から青缶(チューブタイプの方が多いかも)を使ってきました。しかし、ワセリン的なベタベタ感が強く、利用はかさつく冬場に限定されていました。
しかし、ニベアメンクリームには、こういったベタつきが少なく、オールシーズンで使えると感じます。
肌の保護なら青缶、スッキリ使いたいならニベアメンクリーム
このベタつきが少ないという特徴は、特に脂性肌の男性にはうってつけでしょう。
また、洗顔後や、髭剃り後など顔の保湿はもちろん、良く伸びるので体全体にも使いやすいです。
逆に、既に肌が荒れているなど、強力に肌を保護したいという場合には、青缶の方が向いていると感じます。
(ただし、肌荒れがひどい場合は白色ワセリンや、それよりも純度の高いプロペトをオススメします。そして、悪化するようでしたら、必ず皮膚科に行きましょう。)
コスパは青缶に軍配
今回は、小さい方の青缶を紹介しましたが、169gの大きな青缶ならAmazonで1つ500円弱で購入出来ます。
一方、ニベアメンクリームは、75gと半分以下ですが同じくらいの値段。1グラム単価はほぼ倍、ということになります。
ニベアメンクリームは新製品のため、これから価格が熟(こな)れてくるのかも知れませんが、青缶レベルのコスパを期待するのは酷かも知れませんね。
5.感想とオススメの利用法
アフターシェーブローションとして
この製品を購入してから、様々な使い方を試してみましたが、一番しっくりきたのがアフターシェーブローションとして、でした。
かなり伸び、ベタつかず、肌がとてもしっとりします。なにより塗ったときの刺激が少ないのがよいですね。
ただ、香りがある程度あるので、無香料が絶対いい、という方にはオススメしません(といっても、他のアフターシェーブローションと変わらない程度です)。
出張用のオールマイティクリームとして
これまで出張には、嵩張る男性用化粧品の本体は持っていかず、その試供品のパウチを持参していました。
とはいえ、上手く取り出せなかったり、量が微妙だったり、そもそも試供品が底をついたりと、運用があまりしっくりきていませんでした。
その点、ニベアメンクリームなら、コンパクトな1缶で髭剃り後の顔や、ガサツキやすい手をはじめ、体全体をそこそこケア出来るため、旅行用には最適だとおもいます。
初めての男性用肌ケア化粧品として
本製品は、既に部位別に使う製品が決まっている、といった上級者にはいまさらな感があるかもしれません。
しかし、いままで「男性に化粧品なんて……」と使って来なかった方の、初めての肌ケア製品としては、とても良いでしょう。
手と爪の間がガサガサだったり、頬に粉を吹いていたり、指がひび割れていたりと、意外と身だしなみの範囲においてもNGな男性は多いと感じます。
まずは安価で手軽な、こういった製品から使ってみると良いのでは無いかと思います。
6.(おまけ)革製品に使える?
革/靴好きにとって、青缶には有名な用途があります。それは「革のメンテナンスに使える」という説があることです。
正直、個人的には普通の革ケア製品を使った方がいいと思うのですが、こういったものは意外性がウケるので、ご存じの方も多いかと思います。
ということで、ニベアメンクリームも、革製品に使えるかを試してみます。
光らず、よく浸透する
革のベルトに、青缶とニベアメンクリームを塗って比べてみます。
左が青缶、右がニベアメンクリームです。
塗った感覚としては、やはり青缶がサフィールノワール、ニベアメンクリームがモウブレイのデリケートクリームによく似ています。
青缶は油っぽさや光沢感を残したまま広がり、やがてマットな感じに。ニベアメンクリームは、塗った瞬間から浸透が始まり、すぐにマットな感じになります。最初、シミになるかなと心配したのですが、この革の場合は大丈夫でした。
非常用としてはあり?
両製品とも、ロウ分などの光沢を出す成分は入っていないようです。従って、本格的な革製品のケアに単独で使うことは難しいでしょう。
ただ、出張先などで「革がみすぼらしくなり、どうしてもメンテしたい」という非常用として、使えると言うことを覚えておいて損はないと思います。
リンク
※ニベアクリームは今回紹介したサイズよりも大きい「大缶」サイズです