考察

スーツスタイルにもっと「麻シャツ」を!

投稿日:平成29年(2017) 5月21日

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日差しが強く、汗ばむ日が多くなってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

そんな「日差しは強いけれど、風が吹くと涼しい……」、こんな季節にピッタリなのが麻のシャツです。

しかし、平日のオフィス街を眺めても、麻シャツを着ている若手のサラリーマンは稀です。カジュアル着であれば、かなり上手く着こなしている方を見かけるのですが何故なんでしょうか……。

今回はそんな疑問から、着心地も見た目にも涼しい、麻シャツについて、平日のスーツスタイルの観点を中心に考えます。



1.綿とポリエステルだけがドレスシャツじゃ無い

麻シャツ=カジュアルの構図

麻と言えば、夏用のカジュアル着として人気が高い素材です。一方で、ドレスシャツの素材と言えば、何を思い浮かべるでしょうか。

手軽で安価なポリエステルや綿ポリ混紡がメインという方や、見た目や着心地の観点から綿100%じゃ無きゃ嫌、という方も居ることでしょう。しかし、麻を思い浮かべる方は、少ないのではないでしょうか。

事実、スーツ量販店のシャツコーナーを見ても、綿、ポリエステル、綿ポリ混紡の3種類が殆どです。

ドレス用途にも十分耐えうる麻シャツ

もちろん、麻はカジュアルな雰囲気になる生地が多いことも事実です。しかし、麻綿混紡のものを中心に、この時期のビジネス用としてピッタリな素材は、実は沢山あります。

カジュアル素材と見られがちな麻ですが、まだまだ平日のスーツスタイルに活用出来る余地はあるのではないかと考えます。

 

2.麻シャツの効能(着心地編)

続いては、麻シャツの何が良いの? を見ていきます。

① 涼しい

麻シャツの再大の特徴の一つに、その涼しさが挙げられます。個人的な体感では、涼しさを謳った機能性素材(大体は化繊)よりもだいぶ上です。

これは、麻特有の「汗をよく吸う」「風を良く通す」という2つの性質がもたらす効果です。

 

② 快適(ベタヘタしない)

日本の夏は湿度が高く、どうしてもシャツがべたつきます。しかし麻シャツならば、繊維にコシやざらつきがあるため、かなり汗をかいても肌に張り付くことはありません。

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▲ 麻が保持できる水分量は綿に比べて高い。触ったときにヒンヤリするのもこのため。また、引っ張り強度も綿に比べて高いことも分かる

もちろん、これらの機能は麻の混紡率が高くなればなるほど良くなります。しかし、30%程度の混紡率であっても、綿100%、ましてやポリエステルから比べると雲泥の差です。夏場のスーツスタイルにはぴったりだと思いませんか?

続いて、見た目の効能を見ていきましょう。

 



3. 麻シャツの効能(見た目編)

① 涼しげに見える

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リネンは繊維が均一で無いこと、またドレス用の細番手の生地には透け感があることから、見た目にも涼しげに見えます。

まぁ、一番は、「麻の生地だ!」→「夏用の素材ですね」→「季節感があって涼しげだなぁ」という、風鈴などと同じ、連想や風物詩的な効果が大きいのかも知れませんが……。

② 意外と光沢がある

これも細番手生地限定ですが、実はリネンはかなり光沢がある素材です。

 

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この写真は綿麻混紡のシャツに、麻100%のジャケットを着せたものです。麻というと、ザックリとしたイメージがありますが、素材によっては、このように光沢がある物を選べます。

③ 意外とパリッと見える

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麻というと、ヨレヨレでシワがつきやすいイメージです。これはこれで味なのですが、ビジネス用途の場合は死活問題ですよね。

しかし、綿混紡でしっかりとアイロンが掛けられていると、意外とパリッとしています。特に、襟の芯材が硬い物を選べば、一日中襟周りは綺麗ですし、十分ドレスシャツとしての利用に耐えます。

 

4.オススメのスタイル(スーツ編)

続いて、麻シャツを取り入れる際の、オススメをみていきます。1つめはスーツ編です。

① ホワイトの綿混紡

まずは、定番の白シャツから入ると良いでしょう。というのも、色つきの生地は、生地見本からは濃さや柔らかさを判断しづらく、カジュアルっぽい見た目のシャツになる恐れがあるからです。

また、素材も、最初は綿混紡が良いと思います。綿が入っていることで、カジュアルっぽい素材をある程度排除できるからです。

もちろん、麻100%でもビジネスに使える生地はありますが、数は少ないです。「ビジネス用にいけるかも……」と思っても、出来上がると「カジュアルっぽい……」なんて失敗か過去に何回かありました^^;

② 彩度の低い水色

次にオススメなのが、薄い水色、それも彩度が低めの水色です。

麻素材の場合、濃いめや、鮮やかな水色は、どうしてもカジュアルな雰囲気が出やすいです。しかし、薄い色で、かつ彩度を落とす(簡単に言うと、くすんだ色にする)ことで、シックなイメージになります。

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具体例がこちら。麻シルク混のタイと、四ツ杢のモヘアウール混スーツを合わせてみました。

 

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暑くなってくれば、一日中ジャケットを脱ぎ、ウェストコートだけで過ごしても良さそうです。

③ 結婚式も麻シャツで

結婚式や披露宴でノータイはありえませんよね。そして、この時期の結婚式はどうしても暖か過ぎるものです。そんなときこそ、麻素材を活用してみてはいかがでしょうか。

私も、この時期の冠婚葬祭用のシャツは全て麻素材で揃えています。

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これは麻50%混紡のシャツなのですが、カジュアルさは全くありません。むしろ、細番手の麻素材が綺麗な光沢感を出しています。

 



5.オススメのスタイル(ノータイジャケパン編)

さすがに7月になると、三つ揃いで頑張る……というわけにも行かなくなってきます。そこで活躍するのがジャケパンですが、このスタイルにも当然、麻素材が活躍します。

① 麻100%のザックリしたボタンダウン

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スーツ編でご紹介した薄い水色の生地に、ノータイ(アンタイド)でジャケットを羽織らせました。

これはこれで良いのですが、この様なつるっとした綿麻混の生地は、どうしてもタイドアップしないと物足りなくなります。

 

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そこで、もう少し濃いめで、さらに「これぞ麻」といった雰囲気のザックリ系の生地をもってきます。ジャケットのザックリ感とマッチして、落ち着きが出ました。また、このときボタンダウンかつ固めの襟だと、襟が立ちやすく格好がつきやすいです。

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▲ 生地の比較

 

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先ほどのグレイのジャケットは、ウールリネンでしたが、業種業態によっては、麻の生成りのジャケットを持ってくるのも手です(私の場合は休日用ですが……)。

③ 番外:開襟シャツ

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ビジネスには向きませんが、麻の開襟シャツも見直されてよいスタイルだと思います。

これだけだと、なんだかだらしないですが……

 

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ジャケットに共地のポケットチーフを差せば、夏場のカジュアルパーティに、ピッタリなスタイルになります。

 

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夏場のノータイスタイルでは、ポケットチーフが重要な役割を果たします。私の場合は、シャツを仕立てる際に、その端切れで作って貰うことが多いです。一番右は白いチーフですが、このくらい色の種類があると、変化が付けやすくて便利です。

 

6.おわりに

麻は本当に面白い素材です。夏場の着心地/見た目共に優れた素材であることはもちろん、種類※、細さ(薄さ)、混紡率などによって、様々な表情を見せてくれるからです。

※:「麻」といっても、通常使われる亜麻以外に数種類有り、それぞれに特徴があります。特にラミー(苧麻)はコシがあってとても好きなのですが、この話は長くなるので改めて……^^;

そのため、本日のメインテーマであるシャツ以外に、ジャケット、ネクタイ、ポケットチーフ、靴下など、スーツスタイルの色々な場所で活躍できる素材だと思います。

このように、麻は、もうすこしスーツスタイルにおいて見直されても良い素材だと思うのですが、皆さんはどの様に考えますか?

 

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