先日、親戚のビジネス用シャツ購入に同行する機会がありました。
その時話題になったのが、スーツやジャケパンのシャツには何色が良いかということ。
というのも、量販店のシャツ売り場は、クールビズの影響でかなりカラフルな様相を呈していたからです。
「ビジネスでは白以外認めない」という方もいれば、「カラーシャツじゃなきゃ嫌だ」という方もいらっしゃることでしょう。
今回はスーツやジャケット用のシャツにはどんな色がオススメか、初心者向けに(私の主観が盛大に入りますが)お伝え出来ればと思います。
おことわり
身も蓋もない話をすると、結局ファッションは(まわりに迷惑を掛けない範囲において)何を着るのも自由です。したがって、結局は「自分の好きな色のシャツを着るべき」が正解だと思います。
しかし、「どうすると美しく見えるか」や「自分自身をどう見せたいか」というのもファッションの重要な要素ですから、その参考となればと思い、記事を書いています。
購入時の工夫も重要
なお、肌の色や、合わせたいスーツ/ジャケットの色によっても「映える色」は異なります。従って購入時には、「実際にジャケットとセットで見る」、「顔の下にシャツを持ってきて顔色がよく見えるか確認する」、などの工夫をしてみると良いでしょう。
1.一番のオススメは薄い水色
個人的に最もオススメなのは、薄い水色のシャツです。
ジャケットの色と合わせやすい
ビジネスシーンでのジャケットに多い色は、紺かグレイでしょう。
グレイはもちろんのこと、紺であれば同系色のグラデーションとして、とてもオシャレに見えます。
ネクタイとも合わせやすい
ポイントはなるべく薄い水色にすること。そうすることで、様々なネクタイとも相性が良くなります。
特に、ネイビーや茶色のネクタイとはとても相性が良いです。
また、ネクタイの柄にシャツと似た様な色が含まれていると、(「色を拾う」という言い方をしますが)かなり色合わせがよく見えます。
汚れが目立ちにくい
ビジネスの現場では、清潔な印象がとても重要(女性とのデートも、ですが^^;)。
残念ながら、シャツは洗濯やクリーニングに出すうちに、どうしても少しずつ汚れてきます。
しかし、水色は汚れが目立ちにくく、清潔感を維持し易いです。
著しく異なるわけでも、埋没するわけでもない色
日本でのビジネスにおけるファッションは「周囲と著しく異なる格好をしない」ことも重要ですが、一方で同化しすぎても、相手に印象を与えられません。
一般的に、ビジネス用シャツの標準的な色は白です。
したがって、白いシャツを選んだ上で周囲と差をつけるためには、よほど質の良い生地か、仕立てが良いか、デザインがよいか、他の部分で頑張るかなど、ハードルが高くなります。
その点、薄い水色は著しく異なるわけでは無いが、同化してしまうほど周囲の皆が着ている色でも無い、という絶妙なポジションにあります。
2.無難な白色
とはいえ、王道の白色も、重要な選択肢の一つです。
コーディネートし易い
ビジネススタイルに限った話ではありませんが、取り入れる色の数が多くなればなるほど、コーディネートは難しくなります。
せいぜい2色、多くても3色くらいでしょうか。
例えば、ジャケットに茶色、シャツに水色をもってくると、私ならネクタイは茶系か青系のどちらかを選ぶと思います。
ジャケットかシャツのどちらかの同系色を持ってくることで、全体の色を2色に抑えるためです。
一方、シャツを白色にすると、ジャケットで1色、ネクタイで1色とそれぞれ異なる配色が可能になり、コーディネートが易しくなります。
正式なシーンには白一択
普段のビジネスシーンであれば色つきのシャツでもかまいません。
しかし、冠婚葬祭はもちろん、ビジネスにおいても式典への参加や謝罪など、格や厳粛さを求められるシーンにあっては、白色一択です。
3.その他の色
一応、その他の色についても考えてみます。
アイボリー
純白では無く、すこし黄みがかった色がアイボリー(要は「象牙色」)です。
白色よりも優しく温かい印象になるほか、少しカジュアル感を出すにも最適です。
薄いアイボリーであれば、ビジネスシーンでも全く問題無いでしょう。
個人的には、生成りの麻(あまり漂白していない麻生地)で、夏場のジャケパンに合わせるのが好きです。
薄いグレー
効果はアイボリーに近いですが、もうすこしカジュアル寄りになると思います。
濃さにもよりますが、雰囲気としては「夜遊び用のシャツ」といったところでしょうか。
ただ、ネイビーのジャケットとも相性が良いため、あえてビジネス色を出したくないシーンでは良さそうです。
薄いグリーン
市販品では余り無い色ですが、麻の生地でたまに見かけます。
コーディネートの難しい色ですが、茶色との相性は良く、茶色のジャケットやネクタイと合わせるのがオススメ。
同系色(緑色)のコーディネートも良いですが、やり過ぎるとお店やテーマパークの制服に見えるので注意が必要です。
薄いピンク
顔色がよく見えるようになる、と言われている色です。
ただし、薄い色にしないとかなり派手になってしまうので、特にビジネス用途を想定している場合は注意します。
また、「お洒落にとても気を遣っている」「派手な装いが好き」というメッセージとして捉えられる可能性が高いため、さりげなくオシャレをしたいとい方には不向きでしょう。(私もずいぶん昔に1着だけ持っていましたが、1~2回しか着ることはありませんでした。)
4.濃い色には注意
ここまで様々な色を見てきましたが、共通して重要なのは「色の濃さに注意」と言う点です。
基本的に、色が濃ければ濃いほど、「カジュアル」「夜遊び」「普通じゃ無い」感が出てきます。
特に、ビジネス用途では、清潔感を出すため、薄い色を用いることが重要です。
逆に、仕事的な雰囲気を消すため、あえてカジュアルに倒すために濃い色のシャツを着るというテクニックは使えます(上記写真)。
購入時の注意
布の面積に注意
また、シャツを購入する際、畳まれた状態では、実際に着たときよりも色を薄く感じる事があるので注意が必要です。
パッケージに入っているシャツを見て「このくらいの薄さなら良いだろう」と思って購入し、いざ広げて着てみると思ったより濃かった、ということが起きやすいです。
これはオーダーシャツにも言えます。小さな布生地(バンチ、スワッチ)から選ぶ際、薄く見えても実際に仕立てると濃く感じる事は多いものです。
店舗の照明にも注意
ほかにも、店舗の照明にも注意します。
例えばアイボリーの生地を選ぶ際、店舗内の照明が蛍光灯など薄い(色温度が高く青みが強い)色だと実際よりも薄く感じ、白熱灯など濃い(色温度が低い赤みが強い)色だと実際よりも濃く感じます。
従って、なるべく太陽光か、太陽光に近い照明の下で確認することが重要です。
5. 太いストライプやチャックは中級者以上向け
最後まで触れませんでしたが、色の他にもシャツは柄も考える必要があります。たとえば、ストライプやチェックという選択肢です。
ただ、もしこの記事を読んでいる方が、あまりシャツを持っていないという方であれば、まずは無地の生地を揃えることをオススメします。
というのも、柄のシャツは、柄が入ったネクタイやジャケットと合わせづらい、いわゆる「ケンカをする」ことが多く、コーディネートの幅を狭めるからです。(ただし、遠目には無地に見える細かいストライプやチェックは無地と同様に扱うことが出来るため、使い勝手が良いです。)
この話は長くなるので、別の機会に取り上げようと思います。
まとめ
スーツスタイルにどんな色のシャツが良いかと言われれば、個人的には薄い水色がオススメです。
とはいえ、冠婚葬祭や式典、謝罪シーンなど向けに、白いシャツも用意しておく必要はあります。
アイボリー、グレー、グリーン、ピンクなど様々な色のシャツもあり、決して悪くはないのですが、少なくとも白や水色よりはカジュアル度が上がること、そして濃い色は「夜遊び」「普通じゃ無い」感が出てしまうことに注意が必要です。
なお(繰り返しになりますが)、服は、他人に迷惑を掛けない範囲でどんなものを着ても良いと思います。
ただ、自分をどう見せたいか、自分にはどんな服が似合うかを前提にコーディネートを考える場合には、シャツの色が重要な役割を果たすことを知っておくと、役に立ちます。