本日は、ファッションというよりビジネス現場での振る舞いについてです。
私は中学生の頃から自作PCをするほど無類のPC好きですし、会社の業務にもPCを多用しています。一方で、顧客折衝など、対外的な打合せには極力PC(ノートパソコン)を出さないようにしています。
本日は、その理由を3つと、それでも例外はあるよね、というお話です。
打合せでPCを使うのは確かに便利だが……
議事録をすぐに早く作れたり、その場で資料を修正したり、はたまた内職できたり^^;と、打ち合わせの席でPCを出しておくのはとても便利です。
しかし、そんなメリットを遙かに上回るデメリットがあるため、私は極力打合せでPCを使わないようにしています。
もしものために机の上に出しておいても、画面は開きません。
「失礼だから」とかいう精神論ではなく、そこには実利に繋がる明確な理由があります。
理由1:画面が両者を隔てる「壁」になる
ノートとペンでメモを取るのも、PCでメモを取るのも同じでは無いか、と思われる方もいるでしょう。
しかし、PCはノートと違い、画面を立ち上げる必要があるため、自分と相手の間に物理的な壁を作ってしまうのです。これが、相手との心理的距離を遠ざけてしまい、親密感や信頼関係の向上に大きな障害になります。
ノートとペンだと、相手から紙に文字を書いている事実=何をしているか、が見えます。一方、PCは手元が画面に隠れ、そしてそもそも画面も見えませんから、何をやっているか分からないのです。(実際には、よほど視力が良くなければ、ノートの文字なんて見えません。しかし、自分の発言を理解しながら書き取っていると相手が良いように解釈してくれるのです。)
ノートとペンでも、バインダー(クリップボード)で筆記面と手を隠しながらメモを取ると、同様に不愉快な効果を与えることが出来ます。
理由2:会話に集中していない(内職をしている)と思われる
ノートであれば、視線を下に落とすのは筆記時のみです。しかしPCは、メールの通知がきたり、参考資料を見たり、ググったり、同席者とチャットで打合せ相手の批判をしたり……と、画面をチラチラ見てしまいがちです。
つまり、相手から見ると、頻繁に視線を下げているように見えるのです。これが、相手に「話を真剣に訊いていない」とか、「自信が無さそう」と思われる原因になります。
そして、アイコンタクトが少なくなると、「会話に集中していない」と思われるようになります。また、複数人での打合せ、特に自身がメインスピーカーで無い場合は、内職をしていると見なされる可能性も。
その結果、先方から「打合せや議論の内容に貢献していない無用なやつ」と見なされます。
理由3:タイプ音を不快に感じる人がいる
騒がしいオフィス内の打合せスペースならよいのですが、客先で通されるのは一般的に静寂な会議室です。優しくタイピングしても、カチャカチャ、パタパタというタイピング音はどうしても響き渡ります。メモの量が多くなったり、相手とのアイコンタクトをしなきゃ、などと気が削がれると、指に力が入ってさらに音は大きくなります。
このタイプ音を不快に思う人や、気が散ると感じる人が一定数いるため、少しでも商談や議論に集中させたい場合は紙とペンの方が無難なのです。
ただし、何事にも例外はある
何事にも「例外」はあるもので、私は次の2つにおいては、例え客先でもPCを使っています。
①調べながら会話する必要がある場合
一つ目は、自身が顧客の業界に疎かったり、前任者から引き継いだばかりだったりと、やむを得ず調べながら会話をする必要がある場合です。
ただし、次の工夫を入れています。
- 「時々資料をPCで確認させてください」と最初に断る(打合せに必要なことをしているとアピール)
- 自分の真正面ではなく、少しナナメにPCを置く(相手と自分の間に壁は設けない)
- メモは紙とペンで取る(不快な音を出さない、視線を落とさない)
②資料をその場で修正する必要がある場合
打合せのあとにすぐ提出する場合や、資料修正そのものが打合せ目的の場合です。
オススメなのは、プロジェクターや大型ディスプレイがある会議室で打合せをセットして、映し出しながら修正してしまうことです。
関係が深くない顧客や、相手の役職が自分より数ランク高いと難しいかも知れませんが、顧客との共同作業のような形になって、かえって連帯感が深まることが多いです。
おわりに
打合せにPCを持ち込むことについての批判は、10年前は「神聖な打合せに、おもちゃ/機械物を持ち込むな」という精神論が支配していました。しかし、今のご時世、それを言う人は居なくなりました。
しかし、そういった精神論を語る方が居なくなった結果、無邪気に対外打合せにPCを持ち込む方が増えたように思います。そんな中、精神論以外にもデメリットは存在するというのが本日の趣旨でした。
みなさんの「打合せスタイル」はどの様な物でしょうか?
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