みなさんはどんなハンガーを使っていますか?
諸説ありますが、汗を吸ったジャケットを掛ける場合には、吸湿性と型崩れを防ぐ点から、木製で厚手のハンガーが一番と言われています。
ここで何度かご紹介しましたが、わたしはこれまで「ハンガーのながしお」の「高級木製オリジナルハンガー」を使ってきました。 (かれこれ10本近く使っています)
1本1,980円(送料込)で、この部類のハンガーとしては非常にリーズナブルなのですが、別の店でさらに安く、かつ、トラウザーズ(パンツ)掛けの有無を選べるタイプを見つけました。早速人柱として買ってみましたので、レビューします。
# なお、タイトルに書いてあるのでバレていますが、
# 今回ご紹介するのは高級ハンガーで有名なナカタハンガー(中田工芸)のハンガーです。
■ ナカタハンガーを注文してみました
今回注文したのは「木製メンズスーツハンガー5本組」で、送料込\9,450でした。1本当たり\1,890。沢山使うことが分かっている場合は、こちらの方がお得です。結構大きめの段ボールで、注文の2日後には届きました。
H28.3.12追記:本日時点で、\14,000に値上がりしていました。ずいぶんと値上げされてしまいましたね……。ただし、Amazonで「ナカタハンガー アウトレット」で検索すると、9千円台で5本組が見つかりますので、試してみて下さい。
開梱したところ。丁寧にパラフィン紙に包まれています。
はがき大の説明書き。ハンガーの材質はブナ材です。
包装紙を広げたところ。先述の通り、トラウザーズ掛けの無いタイプを注文しました。
(トラウザーズは専用のハンガーで吊すため。こちらの方が軽くて良い。)
中田工芸のロゴが入っています。
きっちり5本入り。並べてみると壮観です。
しっかりとした厚さがあります。型崩れしないために重要です。
ただ厚いだけで無く、肩が前にふれています。スーツの形と同じ――というか、人間の肩と同じ角度ですね。一直線のハンガーに掛けると、これもジャケットの型崩れの原因になります。
ながしおのハンガーもそうなのですが、このクォリティで2千円以下というのは正直信じがたいです。我々消費者にとっては嬉しい限りです。通販のなせる技、といったところでしょうか。
さて、気になるのは、そんな両者の違いです。ナカタ 対 ながしお ということで、両者の比較をしてみます。
■ハンガーのながしお「高級木製オリジナルハンガー」との比較
手前のトラウザーズ掛けがあるタイプがながしお製「高級木製オリジナルハンガー」、うしろがナカタハンガーです。どちらも同じような用途、見た目、価格帯に思います。
(おそらく、お互いに相当意識しているのでは……)
厚さを比較してみます。左がナカタ、右がながしおです。ながしおの方が若干丸みのあるフォルムでしょうか。色もながしおの方が茶色い感じです。
下から見たところ。上がナカタ、下がながしおです。作りは若干ながしおの方が丁寧です。一方、ナカタの方が、前肩の角度が強いように思います。
首の部分。左がナカタ、右がながしおです。若干ながしおの方が丸みが強いです。(ジャケットを掛けたときもながしおの方がフィットしていました)
斜め上から見たところ。この角度から見ると分かるのですが、ながしおの方が首の横幅が広いです。
■ 総評|良いところ
- 価格が安い
この価格(送料込\9,450)で木製ハンガー5本入りはかなり安いです。 - トラウザーズ(パンツ)掛けの有無を選べる
こういったオプションは嬉しいですね。トラウザーズを専用のハンガーで吊している場合には、トラウザーズ掛け無しタイプを選ぶことをお薦めします。ムダに重くならず、またカチャカチャ音が出なく、使い勝手が良いです。 - 機能は十分で、なおかつ美しい
木製、肩の厚み、肩の前振り、首の厚みなど、必要な機能は十分満たした上で、外観も非常に綺麗。部屋に吊しておいても、格好悪くないです。
■ 総評|悪いところ
- 金具が大きい
ポールに引っかけるためのフックが、他のハンガーに比べ大きいというか、湾曲度合いが強いのです。クローゼットとポールの隙間が狭い場合は、引っかかってしまうかも知れません。(その場合でも、以前紹介したWフックハンガーを使って上下に掛けている場合、下に掛ければ問題ありません) - 重い
これは木製ハンガーを使う場合仕方が無いのですが、ブナ材は結構重いので、ブラッシングをする際などは負担になるかもしれません。 - ニスが塗ってある
見た目を良くするためにニスが塗られているのが、吸湿性の問題と滑りやすさから、欲を言えばニス無しが一番です。(ただし、滑りやすい点は、一方で掛けやすさにも繋がるので、直ちに悪い点になるわけではありません)
■ 総評|ながしおとの比較
- 首回りの大きさ:ながしお > ナカタ
ジャケットの首回りが大きい方は、ながしおの方が合うかも知れません - 作りの丁寧さ: ながしお > ナカタ
誤差の範囲ではありますが、手持ちの物は若干、ながしおの方が丁寧でした - 種類の豊富さ: ながしお = ナカタ
トラウザーズ掛けを選べるナカタの方が上では? と思うかも知れませんが、ながしおは肩幅のサイズそのものを3つから選べるのです。トラウザーズ掛けにこだわらず、肩幅が広いかた、逆に狭いかたはながしおが良いと思います。 - 肩の前振り: ながしお < ナカタ
肩の湾曲が強い場合は、ナカタをお薦めします。ただ、あまり気にするような項目ではありません。
以上のような結果になりました。
基本的にどちらもお薦めなのですが、こういったハンガーに手を出したことが無い方は、ながしおで、まずは1本買ってみることをお薦めします。5本まとめて必要な方は、上記の比較を参考に決めてみて下さい。
■ おまけ|プラスチックハンガーでも十分……?
ながしお製のプラスチックハンガー。
バー(トラウザーズ掛け)つきが\550、バー無しが\450円という業務用ハンガー。季節外れの衣服等、吸湿する必要の無いものについては、じつはこちらを使っています。
厚さや機能など、実用性の観点からも抜群のコスパで、また軽いのでブラッシングしやすい優れもの。私は20本近く持っていたりします^^;
普段使いは木製、収納用はプラスチックと分けても良いかも知れませんね。
◆リンク
ナカタハンガー「木製メンズスーツハンガー5本組」
ハンガーのながしお「高級木製オリジナルハンガーMサイズ、L(46cm)サイズ、S(40cm)サイズ」
スーツを買った/作ったときについてくるハンガー、あれも店によって特徴がありますよね。しっかりとしたテーラーなどでは、今回登場したプラスチックハンガーのような大ぶりの物をサービスしてくれる場合もあります。
一方で、肩の厚みが殆ど無いハンガー(ツーリストハンガー)で納品する店があるのも事実です。そんなときは、ある程度の厚みのあるハンガーに掛け替えてやってください。ジャケットを着たときの、肩のフィット感がとても良くなります。