衣類用消臭スプレー。一般衣類用としては「ファブリーズ」や「リセッシュ」、専用品としては「プラウドメン」などが有名ですよね。
皆さんはスーツやジャケットにこれらを使うことはありますか?
今回はリクエストにお応えして、スーツに衣類用消臭スプレーを使っても良いか、どんな時に使った方が良く、あるいは使うべきで無いか、そして、読者アンケートの結果もご紹介したいと思います。
1.衣類用消臭スプレーをスーツに使っても問題無いか
衣類用消臭スプレーをスーツに使っても問題無いのでしょうか。
結論から言うと、少量かつ限定的な利用であれば、ほとんどの場合問題が無い(影響がない)でしょう。
これは、製品を発売しているメーカーの主張に加え、複数のテーラーやクリーニング業者に聞いた上での、私なりの意見です。
ただ、「少量かつ限定的」かつ「ほとんどの場合」というのがミソで、注意すべき点はあります。
消臭や香りの上書きで、汚れをごまかしてしまう恐れ
臭いがつくと言う事は、単純に臭いの成分が付着したパターンの他に、そもそも汚れが付いているパーンも多いです。
従って、スーツに汚れがついてクリーニングしなければならないのにもかかわらず、消臭スプレーの香りでごまかし放置した結果、根本的な汚れが落ちづらくなる、という可能性があります。
香りが無個性になる
自身の香りに個性を求めますか?
もし求めるのであれば、(後述する)スチーム等別の消臭方法で臭いを消した上で、又は(効果は劣りますが)無香料タイプの消臭剤を使った上で、好きな香水等を纏うと良いでしょう。
消臭剤の香りのラインナップは、あっても数種類です。皆が嗅いだことのある臭いですから、「ファブリーズのおじさん」というイメージを持たれるかも知れません^^; もちろん、クサいよりは何倍もマシですが……。
衣類に与える影響は僅かだが残る
メーカーは、消臭スプレーが繊維を縮ませるなどの影響はないと言っています。
Q. 衣類・布製品に繰り返しスプレーしても大丈夫? 生地への影響は?
A. 繰り返して使っても、生地を傷めたりすることはありません。また、ベタつきや、生地の風合いが変わることもありません。
花王株式会社「リセッシュ」ウェブサイトより(https://www.kao.co.jp/resesh/faq/)
R03.10.09閲覧
しかし、消臭スプレーに含まれる水分によって輪染みになったり、含まれる薬剤の影響により光沢感が無くなるケースがあるとのこと。
知り合いのクリーニング業者に聞くと、毎日、多量にバシャバシャ使用しているケースで発生するそう。特に、ある程度良い値段のスーツはウールなどの動物性繊維で作られていますが、それらの輝きが失われることがあるとのこと。
たしかに、水が入ったスプレーを毎日吹きかけていても、恐らくそうなるでしょうね^^;
つまり、結論にも書いたとおり、「少量かつ限定的な利用」が必要になるわけです。
2.衣類用消臭スプレーを使う意味がある場合
続いて、どんな場合に衣類用消臭スプレーの利用が向いているかを考えます。
消臭の時間が取れない場合
様々な事情で、ゆっくり臭いを取っている時間が無い場合、衣類用消臭スプレーは威力を発揮するでしょう。
例えば、午前中に顧客のキーマンとたばこ部屋で距離を縮めつつ、午後イチでたばこ嫌いの顧客と会議がある……。そんな場合ですね。
接待が多い方、たばこを吸う方などは、会社に常備しておいても良いかも知れません。
消臭スプレーの香りを気に入った
消臭スプレーには、一般的な家庭用とは別に、プラウドメンなどのスーツや高級衣料向けの製品もあります。
これらは香りも工夫されているので、もしこの香りが気に入ったのであれば、水分によるダメージを気をつけつつ使うというのもアリだと思います。
3.衣類用消臭スプレー使わないほうが良い場合
次に、衣類用消臭スプレーを使わない方が良い場合を考えます。
香水を使いたい
アロマの精油と異なり、複雑に合成された市販の香りは混ぜない方が良いです。上級者には香水をミックスして使う人もいますが、かなり例外的です。
従って、気に入った香水がある人、香水による自己演出をしたい人などは、消臭スプレーとの併用は避けた方が良いでしょう。
無香料タイプや、「乾くと臭いは残りません」とっているタイプもありますが、連用するとどうしても臭いは残ります。
衣類のダメージを極力減らしたい
「服にダメージのある成分はありません。」とメーカーは言いますし、少量ならば確かにその通りでしょう。
しかし、何の成分も入っていない水でも、毎日スーツにスプレーしたら、油が抜けて表面がパサパサになってくるのと同様、多用にはダメージがあることも確かです。
従って、衣類のダメージを極力減らしたい人は使わない方が良いでしょう。
(但し、スーツは「何代もの後世に残すべき家宝」ではありません。大事に使い生地の寿命を延ばしたとしても、デザインの寿命もあります。したがって、ある程度のダメージは許容しつつ、ビジネスマンとしての体面を保つべく消臭スプレーを使うことも選択肢の一つです。要はバランスの問題だと考えます。)
4.オススメの消臭方法
消臭スプレーを使わない消臭方法について、参考までにお伝えします。
その1:スチーマーを使う
市販されている衣類用スチーマーを使う方法です。
スチームが生地に適切な湿気を吸わせ、その湿気が放出される際に臭いの成分も蒸発していきます。
スプレーでは無いため、スーツが水浸しになってダメージを負うこともありません。
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その2:お風呂を使う
出張先等でスチーマーが無い場合にも使える方法です。
バスタブに熱めの湯を張ってスチームを充満させます。(その際、煙探知式の火災報知器が作動しないように注意して下さい。)
あとは、5分~10分程度スーツをバスルームに吊し、その後部屋で乾燥させます。
スチーマーに比べて全体的に消臭されます。
その3:ドライヤーや乾燥機を使う
少し荒技ですが、スチーマーを使った後にドライヤーや浴室乾燥機に軽く掛けると臭いが飛びやすくなります。
但し、生地が傷むので短時間にとどめ、乾燥させすぎないようにして下さい。
5.読者の評価
9月25日から昨日までの2週間、本サイトのトップページで「スーツ/ジャケットに、衣類用消臭スプレーやスーツリフレッシャーなどを使っていますか?」という質問のアンケートをとりました。
投票結果
投票総数は132票で、使うが30票(約23%)、使わないが102票(約77%)と、約8割の方が衣類用消臭スプレーを使わないという結果でした。
また、お気に入りの製品を聞いたところ、2人の方から「プラウドメン」との回答をいただきました。
投票にご協力下さいまして、ありがとうございました。
結果に対する感想
消臭スプレーは、3~4割の方がスーツにも使っているのではと考えていましたが、思ったより少ない結果でした。
このサイトの読者を対象にした(ある意味偏った)アンケートでもあるため、「臭いを気にしないので使わない」というよりは、「服へのダメージが心配」とか「スチームが一番」と考えている方が多いのではないかと推測します^^;
また、「お気に入り」はプラウドメンが2票でしたが、私も個人的にはプラウドメンの香りは好きです。(ただ、香水を付けるので、あまり使うことはありませんが……。)
6.最後に
衣類用消臭スプレー/スーツリフレッシャーの利用について、そこまで神経質になる必要はありません。
しかし、連用したり、多量に使ったりすることは、服のダメージに繋がります。
スチームをしている時間や手段が無い場合など、やむを得ない場合は効果的な消臭方法ですから、ビジネスマンとしての体面や清潔感を保つためも、是々非々で利用したいものです。