「1~2回しか着ずに泣く泣く捨てた」、「似た様なものばかりを買ってしまった」等々、ファッションにまつわる無駄遣いは深刻な問題です。
女性ものは流行のサイクルが早く、1アイテムあたりの値段が安い傾向にあり、無駄遣いのダメージは比較的小さいです。
しかし、メンズファシッション、それもスーツスタイルのアイテムは、長く使うことが前提で高価。アイテムが占領する収納スペースまで考えると、無駄遣いの代償はかなりのものです。
季節が移り、新しいファッションアイテムの購入を検討している方も多いのでは無いでしょうか。
そこで、(サラリーマン平均より多く買い漁っているであろう)私が実践している、無駄遣い防止のTipsをご紹介したいと思います。
1.アイテム購入時に、組み合わせを想像する
「好きな物」だけで選ぶと後悔する
例えばネクタイを購入するとき、どんな基準で選んでいますか?
品質、コスパ、好きな色や柄でしょうか。
お気に入りの色柄を見つけると、さっとブランドや値段を確認し、お値打ちと感じればすぐにレジヘ……行く前に思いとどまりましょう。
これをやってしまうと、いつの間にか100本単位でネクタイが増殖し、平均単価を本数に掛けて絶望することになります(実体験)。
「ワードローブとの相性」を考える
そこで重要なのが、ワードローブとの相性です。
つまり、
- 所持アイテムと何通りの組み合わせが出来るか
- 似た様なものばかりになっていないか
この2つを考える必要があります。
所持アイテムと何通りの組み合わせが出来るか
再びネクタイを例に取ります。
ネクタイは基本的にシャツやスーツと組み合わさって、初めて価値が出るアイテムです。
このとき、アイテム単体ではいくら品質が良く綺麗に見えても、使い勝手が悪いものを買ってしまっては、低コスパになってしまいます。
当たり前の話に聞こえますが、私を含め、実践出来ていないケースは多いと思います。
似た様なものばかりになっていないか
さらに、組み合わせだけ考えてもNGです。
アレと合いそうだ、これと合いそうだ、と思いを巡らせても、似た様なアイテムで溢れ(あふれ)かえっては、本末転倒だからです。
僅かな表情の違いを楽しみたいのは分かります。しかし、その違いが全身のコーディネートにどこまで影響をしているか、その予算でもっと効果的なアイテムを購入できたのでは、等を冷静に考える必要があります。
(NG例:僅かな違いの、紺無地のネクタイを大量所有しているとか。あ、私のことですね。)
2.試着をためらわない
試着、面倒ですよね。わかります(私も嫌いでした。)。
まず、店員に声を掛けるのが恥ずかしいし、散々付き合わせたら「1着くらい買って帰らないとダメ」みたいな雰囲気になりそう……。
しかし、ここでガンガン試着できるかが、その後の幸福度に大きく影響するのです。一瞬の面倒で、寿命の長いメンズアイテムの満足度を上げられると思ったら安い話ではないですか?
試着は、見た目と着心地を確かめる最適な方法
既製服において、試着は見た目と着心地を確かめるのに最適な方法です。
体にあっているか、動かしづらくないかはもちろん、生地の色が自分の顔色と合うか、遠くから見た時にどう見えるかなど、手に取っただけでは分からないポイントを、一括して効率的に確認出来るからです。
面倒に感じるかもしれませんが、それでも試着はアイテム選びで最も効率的な方法なのです。
店員はそこまで面倒と思っていない
そして、ほとんどの店員は試着を面倒と思っていません。毎日何十回と繰り返される、ルーティンの一つだからです。
実際、何人もの店員にこの話題を振ったことがあるのですが、よほどの忙しいタイミングや長時間拘束しなければ大丈夫です。
――まぁ、タテマエのお話かも知れませんが。
服の値段には店員の人件費が含まれている
冷静に考えてみてください。服の値段には製造原価、テナント料、水道光熱費などに加え、店員の人件費が加味されています。
つまり、手に取ったジャケットは、試着される前提で販売されていますし、試着せずに(=最も効率的に自分に合うかを確認せずに)買うのは、その分損をしていると言えます。
3.欲しいものは一旦書き出す
人間の欲求は、時間と共に変化することがあります。
例えば、宴会で散々食べて飲んだ後でも、無性にラーメンを食べたくなることはありませんか?(私はあります。)
そして、仲間とラーメン屋に入ってスープまで完食しますが、帰宅後や翌日に悔やむのです。あれは無駄な塩と油と炭水化物の摂取であったと。
一方、ラーメン屋の前で思いとどまり、仲間と別れて家に帰ると「お腹いっぱいで、ラーメンなんて不要だった……」と気がつくのです。
スマホやノートに「欲しいものリスト」を作る
ファッションアイテムの場合でも、この「飲み会後ラーメン現象」が発生することがあります。
スーツを新調したばかりなのに、そのスーツに合わせるシャツが欲しくなる。シャツを買ったらネクタイ……と、際限がありません。特に、高い品物を買った後は金額感が麻痺するので要注意です。
そこで、スマホやノートに「欲しいものリスト」をつくり、欲しくなったらそこに書いておきます。
数日~1週間くらい経って見返すと、なんでそこに書いたか分からない品物が出てビックリすることも。(私だけ?)
これだけでも、だいぶファッションに対する物欲を抑えることが出来ます。
安く買うテクニックにもなる
この方法には、もう一つのメリットがあります。それは、セール時の注文リストになることです。
セレクトショップのファミリーセールや、ECサイトのセール時にリストを見返してみてください。
まだ欲しいものがあったら、このとき購入することで、(例え本当に必要なものであったとしても)衝動的に買うより、安く手に入れることが出来るはずです。
4.年間の予算を決める
ファッションに支出する上限金額を、予め決めてしまうというのも手です。
5%ルールで使いすぎを可視化
手取り金額の一定の割合を予算とする方法は、収入の増減が他の職種に比べて安定しているサラリーマンにとって、とても使いやすいテクニックです。
家族構成や住環境でも大きく変わりますが、よく聞くのが「5%ルール」です。
たとえば、年間の手取りが300万円とすると、5%、つまり15万円が年間被服費の予算になります。
普段着をファストファッションで抑えてしまえば、年2着くらいはイージーオーダーが楽しめそうですね。
(まぁ、ファッションが趣味の方は、被服予算+趣味予算で10%くらい取ってもいい気がしますが……ダメですかね?)
角の立たない断り方にも使える
付き合いのある店員やテーラーに良い商品/生地を勧められたとき、「予算都合」はスマートな断り文句になります。
単に「いらない」「今はやめておく」だと断りづらいという方も、「今年度はもう予算オーバーで……」とか「年初の大きな買い物で予算を使い切っていて……」と断るとスマートです。
ただし、本当に自分に合わない製品や生地には、店員に自分の好みを覚えて貰う意味で、素直にNGを伝えた方が良いです。
なお、その後別の品物をその店で買うことになった場合は、「補正予算がついた」とか言っておけばOKでしょう。
(実際には、店員はほとんど気にしていないと思います。自分の中で、断る心理障壁を下げるという意味で有益な手段です。)
5.自身のワードローブを可視化する
無駄遣い防止で最も有効な対策ですが、徹底が難しいのが「ワードローブの可視化」です。
組み合わせの想定にはアイテム把握が必須
このテクニックは、冒頭で取り上げた「1.アイテム購入時に、組み合わせを想像する」と一緒に効力を発揮します。
特に、ファッションが好きになり、沢山アイテムを保有しだした方ほど、威力が出ます。
スーツ、ジャケット、ネクタイ、シャツなど、何も考えずに購入すると、すぐにどんなものを持っているか分からなくなります……。
可視化のアイディア5選
そこで、私が活用しているアイディアを5つご紹介します。
- 写真を撮っておく
- 色別にハンガーへ掛ける
- ズボンもハンガーに掛ける
- 季節ごとにまとめて収納/管理する
- 衣替えは必ずやる
それぞれご紹介します。
1)写真を撮っておく
今はスマホで簡単に写真が撮れる時代です。
購入したスーツやネクタイは、スマホで撮影してgoogle photos等にアルバムを作り、その中に雑に入れておきましょう。
特段整理せずとも、店頭でそのフォルダを見返すだけでも、組み合わせを考えたり、類似製品の重複購入を回避出来ます。
2)色別にハンガーへ掛ける
スーツやネクタイなどは、色別にハンガーにかけると可視化が進みます。
例えば、同じ青いネクタイでも、ドット柄、無地、ストライプ等々様々あります。同系色を集めることで、それぞれの違いが際立ち、どんな色柄を持っていたかが、より記憶に残ります。
柄別にまとめても良いですが、私の場合は色別にした方がより把握出来る様になりました。
ネクタイのハンガーについて興味がある方は↓をご覧下さい。
3)ズボンはハンガーに掛ける
ズボンは引き出しでは無く、ハンガー収納がオススメです。
もちろん、シワになりにくいというメリットもありますが、ハンガーにかけることで生地や色柄を総覧出来るからです。
ズボンハンガーについても詳細は↓をご覧下さい。
4)季節ごとにまとめて収納/管理する
同じ色柄であっても、着られる季節が異なれば別物です。
従って、収納スペースはもちろん、アイテムをノートやExcel等で管理する場合は、かならず季節が分かるようにします。
季節ごとのワードローブを把握するのはとても重要ですし、次の項目で紹介する衣替えが格段に楽になります。
5)衣替えは必ずやる
衣替えは、自身のワードローブを再点検&可視化する重要なイベントです。
ずっと同じ収納の配置にしておくと、見えづらい部分にあるアイテムが放置され、使われないですし記憶に残りません。
強制的に入れ替えることで、「こんなの持ってたっけ……」という発見に繋がります。
おわりに
今回、記事のタイトルに【反省会】とあるのは、私がこれまでやってきた無駄遣いへの反省という意味です。
そして、今回並べた5つの項目は、その失敗や無駄遣いを踏まえ、私が実施している再発防止策でした(一部脚色含む。)。
これらを実践することで、だいぶ無駄遣いが減り、満足するアイテムに投資できていると感じるようになりました。
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皆さんは、ファッションで無駄遣いをしないために、どんな工夫をしていますか? よいアイデアがありましたら、ぜひ下のコメント欄から情報をお寄せください!(それ以外のコメントもお待ちしています。)