このサイトで何度も採り上げている「土井縫工所」のシャツですが、
デニムシャツを新発売するというので、早速人柱として購入、レビューをします。
(値段は\9,975でした)
ここ2~3年来、セレクトショップや雑誌では、ジャケパンと合わせる形でデニムシャツをしきりに宣伝してきました。しかし、海外製のボタンダウンや、フラップポケットつきの、いかにも「労働着」然とした、野暮ったい物が多かったのですが、今回は「ドレスシャツ」然とした出来映えです。
デニムというとその出自から「労働着」というイメージが少なくなく、
素材そのものを原因として、一般企業のサラリーマンが会社へ着ていくことは憚られてきました。
しかし、こいつはかなり上品で、状況が許せばビジネスカジュアルとしても行けそうです。
それでは、早速レビューに移ります。
■ レビュー1:デニムシャツが到着
いつも通り、白い箱に入って到着しました。
土井縫工所の正体は大手シャツ工場「DO-1」。あまり隠す気は無いようです。
納品書とデニムシャツが入っています。
今回は「鹿の子タイ」も同時購入したので、これも同梱されている模様。
(鹿の子タイは、後日レビューしようと思います)
納品書と一緒に、生地見本が入っていました。
以前購入したときにも入っていたのですが、その時の倍の量になっています。
相当生地数を増やしているようです。
いつも通り、布の袋に入っています。
ご存じの方も多いと思いますが、この袋を10枚集めるとシャツが無料でもらえる――らしいです。
まだ10枚に到達していないので試していませんが……
取り出してみた第一印象は、「上品なドレスシャツ」でした。
まさに、デニムでドレスシャツを作ったといった感じです。
■レビュー2;生地と縫製を確かめる
まずは襟元です。従来のデニムシャツにありがちな「クタッ」とした印象が全くありません。
考えようによってはちぐはぐな感じもするのですが、これはこれでアリだと思いました。
毎回思うのですが、土井縫工所の衿は非常に美しいです。
いつも通り、替えボタンは裾縫い付けではなく、高級シャツと同じく予備のカラーステイ(カラーキーパー)と一緒に、袋に入っています。
ボタン大×1,ボタン小(襟と剣ボロ用)×1、カラーステイ×2
ヨーク(後ろ衿下)部分です。スプリットヨーク仕様。
縫製はいつも通りとても丁寧です。
前立てのボタン。写真では見えませんが、頑丈に縫い付けられている上に、わざわざ樹脂で縫い糸を固めており、強度が大幅にアップしています。海外のシャツでは殆ど見ない仕様で、過剰品質とも言えそうですが、私はこういった細かい気配りを高く評価したいと思います。
ボタン穴かがり。
手縫いのように綺麗では無いですが、及第点。
第一ボタンだけ、小さいボタンを使用しています。
これは第一ボタンを留めるのが非常に楽になる仕様です。
袖の部分。
いつも通り丁寧な仕上がりです。
裏側まで綺麗に仕上げるのは、国産ならではと言えます。
(海外製の特に同価格帯では、見えないところはあまり気を配らないことが多いです)
脇の裏側です。
丁寧に巻き伏せ縫いされています。ガゼットも有り。
こういった厚手の生地でしたら素肌に着ても透けないので、こういう仕様は有難いですね。
左右の衿をあわせてみました。
完全に左右対称で、カッティング/縫製技術の高さをうかがうことが出来ます。
(タイドアップしたときに、衿が左右対称であると、非常に綺麗に見えます)
オマケ。いつもの「敷島帆布」タグが「INDIGO」タグになっていました。
■レビュー3;着心地とコーディネート
生地がとても柔らかく、上品です。
ゴワゴワした感じが一切無く、タイトフィットのジャケットも、
違和感なく羽織ることが出来ると思います。
土井縫工所のサイトには、
「様々なコーディネートに合わせていただけるアイテム」とありますが、
こいつは是非、ジャケットと合わせるべきアイテムだと思いました。
もちろん、今回はワイドスプレッドの衿型を選んだので、そのせいもありかなり上品になっているのですが、ジャケットにタイドアップするのがお薦めです。
従来の古典的なデニムシャツとは、明らかに違う製品になっていると思います。
なお、着用時の雰囲気などは、公式サイトにいくつか写真がありますので、そちらを御覧下さい。
(こことかここ)
■ まとめ
- 土井縫工所が1万円弱で買えるデニムシャツを発売
- 非常に上品な生地で、ジャケパンに最適
- この金額ではあり得ないほど縫製が丁寧で丈夫、特に衿が美しい
土井縫工所では変わり種のこいつですが、
コストパフォーマンスはいつも通り非常に高いと思います。
まだ洗っていないのですが、どの様な生地の変化が起こるのかも楽しみです。
週末のジャケパンスタイル用シャツとして。
また、ドレスコードが緩い会社&上司を前提とするならば、内勤用の1着としてもお薦めです。
(とはいえ――私が保守的すぎるのかもしれませんが――やはりデニムを会社に着ていくのは少し抵抗があり、やはり「上品な週末ジャケパンスタイル」が一番だと思います)
次回は同時購入した鹿の子タイを紹介しようと思います。
今回のデニムシャツにあわせて、茶色を選んでみました。お楽しみに。