前回、電気シェーバーは回転式のフィリップスがお薦めと書いたところ、
「最近のラムダッシュ5枚刃は凄く良いですよ」というメッセージをいただきました。
私が比較した当時のラムダッシュはたしか3枚刃か4枚刃の時代。
最新式を試さずにレビューをするのは確かに公平ではありませんでした。
そんなとき、パナソニックのサイトに「全額返金キャンペーン」の文字が。
※ H26.6.16までの購入に有効とのこと
ということで、今回はこのキャンペーンを口実に利用して、
5枚刃ラムダッシュの最新機種を試してみたいと思います。
また、今回は、少し写真の量が多いので、目次と概要を用意しました。
- ES-LV74フォトレビュー
買った状態、本体外観、自動洗浄器外観、洗浄器の使い方などを、写真で紹介します。 - ラムダッシュES-LV74 利用してみての感想
総論、そり残しの有無、深ぞり度合い、肌への負担、自動洗浄器の良いところと悪いところなどをまとめました。 - ラムダッシュES-LV74 V.S. センソタッチ3D RQ1280CC
私が行き着いた(主力として使っている)フィリップス製の電気シェーバーとの比較です。
外観、ヘッド/剃り心地、附属機能、自動洗浄充電器、動作音の5つで比較します。
1番から御覧戴くことをお薦めしますが、時間が無い方はレビューの核心部分(2番から)を参照してください。
1.ES-LV74 フォトレビュー
とりあえず買ってみた
ラムダッシュの5枚刃は3つの機種があります。
値段が高い(高機能な)順に、ES-LV94、ES-LV74、ES-LV54で、
94と74のみ、全自動の洗浄器(ワンタッチで洗浄~乾燥が可能)がつきます。
94と74は、充電表示のディスプレイが3段階か、10段階かの違いのみで、
他の機能に違いはありません。(そのくせ、値段が1万円近く違います)
ということで、今回はES-LV74を選ぶことにしました。
早速到着。Amazonで\21,980でした。
※ 正式な型番は、ES-LV74と中身が同じで家電量販店向けモデルの「ES-ELV7-A」です
全自動洗浄器つきです。
髭が濃いときのみ力を強くする「ヒゲセンサー」は、今回初めての体験です。
蓋を開けると保証書と取扱説明書が出てきました。
箱を取り出したところ。携帯用のポーチつきです。
青いパウチは、全自動洗浄器の洗浄液です。
ようやく本体の登場。
左が全自動洗浄器、右がシェーバー本体です。
その他附属品。
左からACアダプタ、シェーバー用機械油、掃除用の刷毛、洗浄液。
シェーバー本体外観
遠くから見ると、歴代ラムダッシュと似たような雰囲気ですが……
5枚刃は圧巻です。
また、左右20度、前後25度に傾くシェービングヘッドが特徴的。
少し触っただけでクネクネ・ぬるぬる動くのは面白いですね。
「FREE」の状態でシェービングヘッドが自由に動きます。
「LOCK」の位置で、それが固定される仕組み。
さらにスイッチを押し込むと……
パカツと、トリマーが立ち上がります。
もみあげの処理や、髭を蓄えている方向けの機能です。
外刃を外すと内刃が見えます。
この内刃が、ラムダッシュの特徴である高速振動するとのこと。
取り外した外刃。
外刃の反対側。
外刃のケースに使用開始年月を記載します。
外刃は1年、内刃は2年使えるようです。
往復式電気シェーバーの宿命で、やはり外刃の寿命が短いですね。
電源ボタン。
出張や旅行など、持ち運び中に電源が誤作動しないよう、
物理的なロック機構が搭載されていました。
充電式ですが、ACアダプタから直接繋いでシェービングすることも出来ます。
全自動洗浄充電器外観
本体を装着した状態の全自動洗浄充電器(洗浄器)。
側面のボタンを押すと……
洗浄器全体が持ち上がって、
中から洗浄液用の皿が出てきます。
ブラウンと同じく、洗浄液を吸い上げる方式のようです。
右は髭くずを再度吸い上げないようにするフィルタ装置。
※ フィリップスはシェーバー本体が洗浄液に浸かる仕組み
洗浄器の裏にある安全用スイッチ。
洗浄器を持ち上げた状態で皿が飛び出さないようになっています。
さすが日本製。
洗浄用のボタンは1つのみ。
1回押すと洗浄(CLEAN)と乾燥(DRY)が連続で、
もう1回押すと乾燥(DRY)のみ、もう1回でキャンセルです。
CHECKは異常を、LOWは洗浄液量低下を知らせるインジケータです。
ACアダプタは本体の後に差し込みます。
シェーバーを装着すると自動的に充電が始まります。
洗浄器の使い方
洗浄器の皿に、規定の線まで水道水を入れます。
洗浄液の素を取り出して……
おもむろに注ぎ込みます。
完成です。
一回の交換で、約30日持つとのこと。
あとは容器を洗浄器に装着して、「CLEAN」ボタンを押せば、自動的に洗浄が始まります。
超音波洗浄のためか、結構大きな音がし、
また、ファンによる乾燥音も大きいので、夜中に洗浄することは避けた方が良さそうです。
2.ラムダッシュES-LV74 利用してみての感想
総論
- 細かいところに気が配られたシェーバーだが、まだまだアラが目立ち突っ込みどころは多い
- 従来機種に比べれば、深ぞりを維持したまま肌への負担が減った印象
- 自動洗浄器のランニングコストが安い
となりました。
古いシェーバーを使っている場合などは十分買い換える価値があると思いますが、
私のように最新世代の他社製シェーバーから乗り換える必要があるかというと、疑問符です。
また、うるさいシェーバーは嫌だという方は、避けた方が良いでしょう。
以下、ポイント別の感想です。
そり残しの有無
- ほお、口の周りなどは良く剃れる
- 首やあご、あごの裏は、何往復か繰り返す必要があるがまあ及第点
深ぞり
- ウェットシェービングをせずとも、総じて電気シェーバーとしては高いレベルの深ぞりが可能
- 髭が鋭角に切断され深ぞりが出来る(髭が目立たなくなる)一方、髭が伸びてきたときに触ると、触った指が腕がチリチリと痛い
肌への負担
- 旧来の3枚刃や4枚刃の時に比べると、点ではなく面で肌に当たるようになっているため、いくらかマシになっている
- 繰り返し同じ所を往復させると、若干肌に負担がかかる印象
自動洗浄器の感想
○ 良いところ
- 毎日使っても30日間洗浄液の交換が不要で、ランニングコストが安い
- 温風乾燥機がついているので、2時間もあれば洗浄~乾燥まで完了する
- 手洗いした時用に、乾燥のみのメニューもある
× 改善を要するところ
全自動洗浄後に注油が必要で、「全自動」ではない- 安全のため、洗浄コース終了後にACアダプタを抜く必要があり面倒
- 乾燥中にファンが回るが、結構うるさい
全自動洗浄後、毎度注油が必要と取説に記載があり、
これでは「全自動」ではない気がするのですが……
H26.7.18追記:
読者から、「注油は手動洗浄時のみで自動洗浄時には不要なのではないか」とのコメントがありました。説明書を再度確認したところ、ご指摘の通りでした。
間違った情報を掲載してしまったことについて、お詫びして訂正いたします。
洗浄コース終了後、ACアダプターを抜く必要があると取説に記載がありました。
「省エネのため」ならそのままでも気にする必要は無いのですが、
「安全のため」との記述があり、「アダプターを抜かないと危険」という事でしょうか……。
3.ラムダッシュES-LV74 V.S. センソタッチ3D RQ1280CC
Panasonic ラムダッシュES-LV74と、
フィリップスセンソタッチ3D RQ1280CCの2つを比べてみたいと思います。
比べる項目は下記の5項目です
I. 外観
II. ヘッド/剃り心地
III. 附属機能
IV. 自動洗浄充電器
V. 動作音
なお、フィリップスは商品のメジャーチェンジサイクルが遅いことが有名で、
2年くらい前に購入したRQ1280CCが、いまだに最新機種と同等品です。
(型番が少し変わってRQ1285CCが最新機種です)
I. 外観
- フィリップスの方が細身だが、奥行きが必要
- そこまでサイズに違いは無い
左がラムダッシュ、右がフィリップスです。
フィリップスの方が細身ですが、奥行きに幅があるようです。
II. ヘッド/剃り心地
- フィリップスは特殊な3Dヘッドで、慣れるまで時間がかかる
- ほおや口の周りはラムダッシュの方が深ぞりできるが、
あごやあごの裏、首まわりなどはフィリップスの方が深ぞりできる - 肌への負担はフィリップスの方が優しい
- ラムダッシュの方が総じて早く剃れる
- フィリップスの刃は自動研磨で長持ち
ラムダッシュが長方形を上下させて剃るのに対し、
フィリップスは円を描きながら剃ります。
フィリップスは剃り慣れるまでに1ヶ月くらいかかった記憶があります。
III. 附属機能
- 標準のトリマーは、ラムダッシュの方が広くて使いやすい
- バリカンのアタッチメントをつければ、フィリップスの方が使いやすい
トリマーの比較。左がラムダッシュです。
ラムダッシュの方が広く、もみあげの長さを揃えるのには適していると思います。
ただし、フィリップスはアタッチメントでバリカンが附属しているので、
本格的に使いたいのであれば、フィリップスがお薦め。
バリカンアタッチメントの後ろにあるスイッチで、
刈り取る長さを調節することも出来ます。
IV. 自動洗浄充電器
- ラムダッシュの方が早く洗浄~乾燥終わる
- ラムダッシュの方が洗浄液のランニングコストが安い
- ラムダッシュの洗浄器の方が嵩張らない
- デザイン性はフィリップスの方が上
- 動作音はフィリップスの方が静か
洗浄器の比較。
デザイン性は、流石フィリップス。
部屋に飾るのなら、断然フィリップスだと思います。
ただし、フィリップスは相当かさばります。
ラムダッシュの1.5倍くらいの奥行きが必要です。
フィリップスにはスリムな充電台も附属します。
こちらもデザイン的に非常に優秀です。
V. 動作音
- 圧倒的にフィリップスの方が静か
ラムダッシュの特徴でもある高速のリニアモーター駆動ですが、
髭を高速で刈り取れる一方、ブザーのようなけたたましい音が鳴ってしまいます。
一方、フィリップスは回転式のため、かなり静かな印象です。
賑やかな家電量販店では両者の比較が難しいので、
今回はステレオ録音装置を使って動作音の比較をしてみたいと思います。
A:ラムダッシュの動作音
ブザーのような振動音が聞こえます。
かなり大きな音がするので、
「音楽を聴きながら髭剃りを」なんていうのは難しいです。
B: フィリップスの動作音
若干のモーター音と、外刃と内刃が擦れるシャリシャリという音が特徴的です。
ラムダッシュに比べると、だいぶ静かなのが分かります。
この様に、静音性では、明らかにフィリプスに軍配が上がりました。
両者とも、自動洗浄時にも同じ音が発生するので、
自室に自動洗浄器を置くことを検討している方は注意して下さい。
まとめ
こうして比べてみると、どちらが確実に優位にあるわけではないと言う事が分かります。
フィリップス センソタッチ3D RQ1285CCが\22,480、
パナソニック ラムダッシュ ES-LV74が\21,980ですから、価格的にも殆ど同一です。
あとは自分がどの機能や価値を重視するかにかかっていると思います。
そこで、それぞれを選ぶ上で重視すべき機能を書き出してみました。
ラムダッシュを選ぶべき人はこんな人
- 国産製品が好きだ
- 自動洗浄は手間がかかってもランニングコストの安い方が良い
- 場所は取りたくない
- なるべく早く剃りたい
- 深ぞりしたい
フィリップスを選ぶべき人はこんな人
- 製品のデザインは重要だ
- 作動音は静かな方が良い
- なるべく肌に優しい方が良い
- 刃のそり味は劣化させたくない
- トリマーやバリカンも揃えたい
結局、性能には満足したので、全額返金キャンペーンは使わず、
朝の髭剃りにフィリップス センソタッチ3Dと交互に活躍している状況です。
もし、新しいシェーバーを検討している場合には、試してみる良い機会だと思います。
ただ、やはり解せないのがラムダッシュの
「(充電~洗浄)コース終了後、アダプターを抜く」という一文です。
省エネのためのみなら分かるのですが、「安全のため」というのが気になります。
パナソニックの皆さんは、洗浄コースが終了する時刻に洗浄器の横でスタンバイし、
終了と同時にアダプターをコンセントまたは本体から抜いているのでしょうか……?
(=朝の出社前に洗浄を開始できない?)