何度か本サイトでも取り上げているオンラインシャツ店「First Experience」ですが、先日新しい縫製ラインである「CAMI SETTE」が誕生しました。
これまでの「プレミアムライン」(以前はUEMACHIモデリングと表記されていましたが、最近は見なくなりました)に1,000円プラスで選べ、メリットも多いのですか、利用できるオプションに制約があり、また見た目も従来と違うなど、注意する点もありそうです。
そこで、いつも通り人柱として1着注文してみました。ディテール、シルエット、着心地など、レビューしてみます。
※ なお、本記事はH30年6月に作成したシャツを元に作成しています。最新の仕様については、First Experienceのサイトを御確認下さい。
※ First Experienceとは特に利害関係の無い「勝手レビュー」です^^;
外観レビュー1:開封
いつもの段ボールに入ってきたのですが、以前とは少し違う雰囲気です。
First Experienceで特徴的だった、不織布の袋がビニール袋になっています。
こちらが以前の様子。
この袋、結構便利だったんですけどね……^^;
シールに使われているロゴも、先日のサイト改装から変更になったようです。
(おまけ)First Experience歴代シール
納品時に不織布の袋を留めていたシール。
全く需要が無いと思いますが、おもしろいので歴代の写真を集めてみました。(網羅的では無く、途中抜けがあるかも知れません。)
△ H28年の前半。先ほどはフランス語でしたが、こちらは英語でJAPAN。
△ H25年の初回購入時のもの。店名の書体も古いタイプです。H26年はシールを撮影していませんでした……残念。
外観レビュー2:ディテール
今回は、トーマスメイソンの生地がセールにかかっていたので、こちらを選択。普段は高くて買えないゴールドラインの140番双糸です。
百貨店で軽く3万円以上するおそろしい生地ですが、3ミリの白蝶貝に、名入れオプションをつけても15,292円(税込・送料・CAMI SETTEのオプション料金込)でした。
襟型は、以前レビューしたNEWセミワイドを選択(参照:「First Experienceの新襟型「NEWセミワイド」を試す」)。
一部選べないディテール(後述)もありますが、基本はプレミアムラインと同じです。
生地は、秋に向けた厚手のヘリンボーンです(気が早すぎ^^;)。
少し見にくいですが、前身頃に大きな切替え(縫い目、矢印部分)があります。
これが、CAMI SETTEの特徴である(名前の由来でもある)7つのパーツに分割して縫製している証し。
おなじく、後ろ身頃にも切替(矢印部分)があります。
上に載せた薄い水色のシャツは、一般的なプレミアムラインのもの。
通常はこんな感じにのっぺりとしています。
スプリットヨークにはなりません。
通常のプレミアムラインはこんな感じに、背中にも切替(矢印部分)があります。
スプリットヨークはあくまで好みで、どちらが良いとは言えませんが(柄あわせが必要なため、高価格帯のシャツの証拠だ、と感じる方がいるかも)、ストライプ柄などで「スプリットさせたい!」という場合には、通常のプレミアムラインを選んだ方が良いでしょう。
裾部分。ガゼット(裾に取り付けられる補強布で、一般的に高価格帯のシャツに多い)はありません。
元々は耐久性向上の為の意匠ですが、外からは見えないのでスプリットヨーク以上に「高級アピール」なディテールなので、個人的にはあまり重要視していません。
通常のプレミアムラインのガゼット(矢印部分)。ガゼットが無いと嫌という方は、こちらをどうぞ。
縫製のレベルはこれまでと同じ?
職人毎に個人差はあろうかと思いますが、縫製については、素人目には通常のプレミアムラインと変わらない良い品質のものでした。
ただし、オプションで入れたネームについては、CAMI SETTEの方が15%程度小さく(短く)なっていました。工場か、またはラインが違うのでしょうか。
ネームのサイズが小さい方がよい、という方はCAMI SETTEが選択肢に入ると思います(個人的には小さいネームの方が好みです)。
外観レビュー3:シルエット
続いて、気になるシルエットを比較してみます。
私の体型にメリハリが無いからか(^^;)、または元々ウェストコート(ベスト)の着用を前提としてゆとりを持たせるデザインのためか、シルエットで比較するとあまり違いは無いように見えます。
(従来タイプのものは背中にダーツを入れる仕立てを選択しているため、本来だったらもう少しだぼっとしているかもしれません。)
アームホールから一直線に、下に伸びる切替(矢印部分)があります。
今回は、無地のヘリンボーンを選択したため、遠目には切替は目立ちませんが、近づくと「あれっ?」と気づきます。
CAMI SETTEの前立て(前ボタン付近の仕様、下の写真参照)は、縦方向にラインが入る「表前立て」しか選べない仕様のため、切替部分と統一感が出て違和感はありませんが、それでも太いストライプの生地だと目立つかも知れませんね。
△ 裏前立て。布が裏側に折り返されるため、のっぺりとした印象になる。
襟は相変わらずとても綺麗です。
――と、このようにシルエットの点からは特に変化はありませんが、切替がアクセントになるのは確かなようです。
とはいえ、このデザインは、布の連続性を断ち切ってしまうとも取れるため、シャツに綺麗なドレープを求める方には不評かも知れませんね……。
着心地レビュー
着心地はどう変わった?
早速着てみたところ、着心地については従来より向上しているな、と感じられました。胸やウエスト周りのフィット感が良くなっているという印象です。
女性用スーツの様に、パーツ毎にサイズ調整を行うことが出来るため、より体にフィットするデザインになったのかもしれません。
胸板が厚い人など、通常のシャツでは補正が効きづらい体型の場合などは、さらに良い変化が見込めるかも知れません。
人によっては注意すべき点も……
CAMI SETTEは、これまでと同様に体のサイズに合わせたシャツが出来上がりますが、例外的に腕周りのサイズ指定ができません。
従って、腕周りが平均に比べてかなり太い方や細い方など、腕の太さを調整したい場合は、通常のプレミアムラインを選んだ方が良いと思います。
また、なで肩やいかり肩などを補正するオプションも選択出来ませんので、その点も注意します。
まとめ
CAMI SETTEを薦める人、注意した方が良い人をそれぞれまとめてみます。
こんな人にオススメメ
- シャツの着心地を少しでも良くしたい
- 他人とは少し違うディテールのシャツを着たい
- 胸板が他人より厚く、普通のシャツだと寸胴に見える
こんな人は注意
- シャツもドレープ重視で、すっきりとしたデザインが好きだ(裏前立てしか着ない、など)
- 腕がかなり太い/細い、または強いいかり肩/なで肩だ
- ボタンダウンにはボックスプリーツに限る(ボックスプリーツにしたい)
まだまだオプションが固定で選べない部分が多く、また見た目が普通のシャツとは異なることもあって、個人的には少しクセが強い、First Experienceの常連向けラインの様に感じました。
たった千円で追加できるオプションですので、興味がある方は挑戦してみて下さい。
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