先日引き出しを掃除していたら、懐かしいものが出てきました。
すっかり無くしていたと思っていた、学生時代に使っていた腕時計です。
運良く壊れておらず、久しぶりに使おうと思ったのですが、
改めて見ると、バンド(ベルト)やケースが汚れ、さらに傷が無数にありました。
ということで、今回と次回の2回に分けて、この時計の手入れをしてみようと思います。
前半の今回は、超音波洗浄機による洗浄に挑戦し、
金属バンドの隙間に入り込んだ汚れを取ってみます。
1.状況の確認
今回の対象がこちら。カシオの初代オシアナス「OCW-500」です。
今から10年くらい前の製品です。フルメタルのクロノグラフ時計としては、
太陽光発電、電波時計の2つを世界で初めて搭載した――らしいです^^;
(cf. http://oceanus.casio.jp/concept/#first)
当時先進の技術をがんばって詰め込んだ感があり、
今のオシアナスに比べ1.5倍くらいある厚みが特徴です。
スーツ用というよりは、スポーティなジャケパンに適していると思います。
こちらがバンドのバックルですが、結構傷だらけなのが分かります。
ケースも傷だらけ。
バックルの裏には垢やらホコリやらが……汚い(^^;)
2.超音波洗浄機を調達する
ということで、まずはコイツを綺麗に掃除した後で、磨いていこうと思います。
普通の掃除なら、爪楊枝やら柔らかい歯ブラシやらで、ちまちまやるわけですが、
今回は文明の利器に頼ろうと思います。そこで登場するのが、超音波洗浄機です。
超音波洗浄器とは、眼鏡屋の店頭にある「チーン」という音のするアレです。
今回調達したのは東芝の「TKS-210」。Amazonで5千円くらいでした。
もう少し小型の洗浄機も有るのですが、眼鏡も洗浄できるこのタイプを選びました。
到着したばかりのTKS-210
選んだ理由の一つに、本体と洗浄容器が分離可能という点があります。
これにより、いちいち使用場所まで水を運ばなくて良くなりますし、
洗浄容器を使用後に台所でザブザブ丸洗いできます。
蓋を開けると、巨大な緩衝材が出てきました。
取り出したこちらが本体です
本体の中に、洗浄用の補助器具が入っていました。
左上から時計回りに、CD洗浄用の固定装置と2枚同時洗浄時に利用するアダプタ、
アクセサリ用の洗浄皿、時計用の洗浄台です。
左から洗浄容器、本体、フタです。
洗浄容器の裏にはゴム足がついていて、
流し台の上で使っても滑らないよう配慮してあります。さすが日本製……
3.バンドとケースを分離する
超音波洗浄器は、水中の衝撃波で汚れを落とす仕組み。
内部の機構に悪影響が出るため、バンドは洗浄できても、
時計のケース(時計本体)を直接洗浄することは出来ません。
先ほどご紹介したアーチ状の時計用洗浄台を使って、
ケースを水部分から露出させて洗浄しても良いのですが、
今回はバンドとケースを分離してから、バンドのみ洗浄してみます。
使うのはこちらの時計修理セット。
主に、バンドの交換や、金属バンドのパーツ(コマ)の調整に利用しています。
Amazonで3千円弱でした。一つ持っておくと便利だと思います。
今回使うのは、このセット中のハンマーとピン出し用工具の2つだけ。
簡単に分離できました。
(右からハンマー、ピン出し用工具、抜いたピン×2、ケース、バンド)
4.実際に洗浄してみる
水と食器用洗剤(中性洗剤)を洗浄容器入れ、
金属バンドをアクセサリー用洗浄皿にのせたうえで、これに沈めます。
本体に装着し、タイマーをセットしてスタート
チーンと言う独特な音と共に、
バンドのコマとコマの隙間から、みるみる大量の汚れが掻き出されてきます。
凄い。
5.結果
4分ほどで洗浄は終わり、水洗いした物がこちら。
なんか輝きが違う……
完全に綺麗になっています。
ここまで綺麗に落ちるとは思いませんでした。
凄くスッキリし、清潔感が出てきました。
当然ですが、擦り傷は取ることが出来ません。
次回はこちらを何とかしたいと思います。
この超音波洗浄、思ったよりも短時間にでき、
使うのは少量の食器用洗剤と水だけですから、コスパも高いです。
時計の金属バンドだけでなく、タイバーやカフリンクスなんかにも良いかも知れません。
皆さんは、腕時計は金属バンド派ですか? 革バンド派ですか?
私の場合、夏場は汗をかくため金属バンドをすることが多いのですが、
スーツや革靴との親和性から考えると、革バンドの方に軍配が上がりますよね。
革バンドの場合は、靴の色や材質にあわせて取り替える場合が多いのですが、
黒、茶、焦げ茶、薄茶、茶スエード、黒スエード……と、
どんどんとラインナップが増えていくのが困りものです(^^;