皆さんは腕時計の「Dバックル」を活用していますか?
普段腕時計をしない方や金属バンドを使う方には関係のない話かもしれませんが、革ベルトの腕時計を使うことが多い方にとってはかなり便利なツールです。
以前、Dバックルに関する記事を書いた際、アクセス、コメントやメッセージなど、予想を超える反響がり、関心の高さに驚きました。
その際メッセージの中で、アマゾンで安価に売られているDバックルの情報をいただきました。調べて見ると、結構良いものがありそうで、今回はいくつか自腹購入して、私なりに評価をしてみることにしました。
(参考)Dバックルの良さとは?
本題に入る前に、「Dバックル」を使ったことが無い方向けに、その良い点を簡単にまとめましたので紹介します。
(詳細は以前の記事「腕時計が快適・安全になる「Dバックル」を考える」をご覧下さい。)
良い点1・トイレや作業時、迅速に時計を脱着できる
Dバックルの良さは、革ベルトの時計を、金属ベルト並に素早く脱着できる様になることです。
トイレでしっかりと手を洗いたい、または手洗い時に時計へ水を掛けたくないという方にとって、とても便利。
また、例えば会議室のレイアウトを変更したり、什器の移動を手伝ったりなど、腕時計をしたままだと作業しづらい、または時計を外しておきたいといったシーンがありますが、そんなときも素早く対応できるので便利です。
良い点2・時計を落としづらくなる
構造上、腕時計を留めたり外したりする作業は片手で行わざるを得ませんが、普通の革ベルトはすこし手が滑っただけで時計が地面に落下します。
そして、時計のケースが傷ついたり、ガラスが割れたり、そして動かなくなったりと、散々な結果をもたらします。(特に、飲み会時、「迫る尿意」+「アルコールでふらつく手元」+「オシャレなトイレの硬い石畳」というコンボは、落下のリスクと落下時の被害をかなり高めます。)
そんなとき、Dバックルを付けていれば、腕時計が輪っか状になるため落下しづらくなります。
良い点3・革ベルトが長持ちする
革ベルトが最も劣化するポイントは、ベルト穴の部分。脱着する度に刺さるバックルのピンによる負担はかなり大きく、ここからひび割れたり破れたりしてきます。
Dバックルを使えば、ピンが固定されたままになるため、劣化が少なくなり、革ベルトが長持ちすると言うわけです。
レビューの経緯
冒頭に述べたとおり、読者の方から情報があったことも確かですが、実は以前から安価なDバックルが無いものかと探していました。
Dバックルの数を増やしたくなった
一番の理由は、Dバックルの数を確保したくなったからです。
靴の色に合わせて、腕時計の革バンドを替えている方は多いと思います。しかし、いちいちDバックルまで付け替えていては面倒なうえに、頻繁な付け替えは革ベルトの劣化につながります。
そこで、よく使う革ベルトは、いっそすべてDバックルをつけっぱなしにしてしまおう、と思ったのです。
有名メーカーは5千円~
とはいえ、有名メーカーのDバックルは5千円からと、そこそこ値が張ります。(もう少し安い物もあるのですが、つけ心地の良い三つ折りタイプに絞ると、だいたいこれくらいの値段です。ちなみに私は、ドレス用にはカミーユフォルネを、それ以外にはモレラートのディプロヤンテ2を使っています。)
一方、アマゾンで多数取り扱いのある非有名メーカーの製品を見ると、千円~2千円程度で販売しているものもあり、サイズや色も豊富で、なかなか良さそうです。
これなら、数を確保できそう……ということで、人柱として試してみることを決めました。
購入した製品
今回、Amazonで売られている2千円前後のDバックルを4つ買ってみました。
それぞれ、外観、ベルトへの取り付けやすさ、使い心地、コスパの観点から見ていきます。
①Flying Meet Shop Dバックル
4製品のなかで、唯一ハードケースに入っていました。
なお、購入時1,480円でしたが、直営店の在庫(Amazonの在庫でプライムの対象)がなくなると、他店(マーケットプレイス)の割高な金額になってしまうようなので注意します。
外観
金額に比べると、思った以上に綺麗です。4~5千円のDバックルと言われても分からないくらい。
バックル部分の厚さは閉じた状態で10.9mmと標準的です。
取り付けやすさ
カラーの分かりやすい取付説明書と、簡易バネ棒外しとバネ棒がついてきます。
バネ棒を取り付けます。
今回は全て16mm(尾錠のサイズを測ればOK)の製品を購入しました。
簡単に取り付けられました。
使い心地
腕への密着感は申し分ないのですが……
バックルの噛み合わせが硬く、はめるのに少し力が要りました。
外観は美しいのですが、少し工作精度が悪そうです。
コスパと総評
このクオリティで1,480円は安すぎです。
閉じる際の金具に多少硬さがありますが、それでもこの値段は充分に買いだと思います。
- 外観:A
- 取付易さ:A
- 使い心地:B
- コスパ:A
- 総評:B+
(外観~使い心地について、「A」が5,500円のディプロヤンテ2と同じです。)
②iStrap Dバックル
厚手のチャック付き袋に入っており、簡易なバネ棒外しとバネ棒が附属します。
購入時1,599円でした。
[イストラップ]iStrap 10mm12mm 14mm 16mm 18mm 20mmスチール腕時計バンドプッシュ式Dバックル 時計両開き...
外観
こちらも申し分ない美しさです。
内側が綺麗な加工(スピン仕上げ)になっていました。高級感が出る仕上げですが、低価格のDバックルに使われていると驚きます。
厚みは①と同じ実測10.9mmでした。
取り付けやすさ
先ほどと同じ時計に取り付けました。(銀色のケースに金色のバックルは通常取り付けませんが、比較のためにご容赦下さい。)
附属している簡易バネ棒外しを使って、こちらも簡単に取り付けることが出来ましたが、唯一取付説明書が同封されていませんでした。
初めてDバックルに手を出す方は気をつけた方が良さそうです。
使い心地
こちらも腕によくフィットして、使い心地に問題はありませんでした。
また、バックルの開閉もスムーズで、工作精度は高そうだと感じました。
コスパと総評
先ほどとコメントが似通っていて恐縮ですが……1,599円でこのレベルのDバックルは驚きです。
- 外観:A
- 取付易さ:B+
- 使い心地:A
- コスパ:A
- 総評:A
③Best Master Dバックル
今回購入した中で、唯一の2千円台(2,480円)でした。
外観
まず感じたのが、他の3製品に比べてとても美しいことです。
全体的なデザインや、全て曲面でカットされた仕上げなど、完成度が高いです。
取り付けやすさ
白黒ですが、見やすい取付説明書が附属しています。
こちらも問題無く取り付けることが出来ました。
使い心地
この製品、バックルの固定金具が特殊です。上の写真にある①、②、④の通り、通常は細いピン状の爪で固定しますが、この製品(③)は直線状の爪(矢印部分)で固定します。
△ 通常のDバックル。細いピン状の爪を小さな穴に固定する方式。
通常は、バックルを閉じようとしたとき、左右上下に余計な力が加わっていると上手くはまらず、閉じることが出来ません。しかし、この製品は多少乱暴に押してもすんなり閉じる事が出来ます。
このように品質や使い心地は非常に良いのですが、他の3製品より1~2mm程度厚みがあるというデメリットも。(実測12.2mm)
見た目には大きな影響はないもきの、薄かったり小ぶりな時計を使っていると、Dバックルの存在感が大きいと感じるかも知れません。
コスパと総評
有名メーカー製に比べると、2,480円は充分安いのですが、個人的には②よりはコスパが下がる印象です。
なお、この製品のみ、クリーニング用のシートが附属します。
- 外観:A+
- 取付易さ:A
- 使い心地:B+
- コスパ:B
- 総評:A-
④Calme Dバックル
最後はこちら。今回購入した4製品のなかで最安値の1,380円です。
こんな安くても、カラーの取付説明書、簡易バネ棒外し、バネ棒が附属します。
外観
これは好みの問題ですが、他の3製品に比べると、テカテカ感がなくマットな印象です。
価格上仕方が無いかもしれませんが、少し安っぽさが出ているように思います。
ただし、4製品のなかで一番薄手(実測10.5mm)でした。
取り付けやすさ
一方、取付説明書はかなり豪華で分かりやすく、初心者にお勧めできます。
こちらも問題無く取り付けることができました。
使い心地
他の製品と異なる点が2つ。一つは留具に反発がないこと、もう一つは少しぐらつきがあったことです。
一つ目の留具の反発について。バックルを外す際、通常は留具が反発して簡単に外せる機能がついていることが多いのですが、この製品にはありません。
左がこの製品、右が②のDバックルです。
②にはバックルの内部に少し持ち上がった突起があり、これがバネとなって留具に勢いがついて外れます。
しかしこの製品(④)にはそのバネがないため、ボタンを押した後に手で留具を引き起こす必要があり、若干手間が増えます。
2つめのぐらつきについてですが、尾錠側の金具について、遊びが若干大きい印象があります。
通常使用には問題無いと思いますが、バックルが開いている状態で力が加わった際、どの程度持つかが心配です。
コスパと総評
1,380円と破格でしたが、機能や品質を他製品と比較すると値段相応といった感じです。
- 外観:B
- 取付易さ:A
- 使い心地:B-
- コスパ:B
- 総評:B
まとめ
今回驚いたのは、購入した格安Dバックルの4製品すべてが及第点だったことです。
この価格であれば、革ベルト全てにDバックルを装着しておくという選択肢も、アリだと感じました。
もちろん、長期使用したわけではありませんから、耐久性は未知数であり、高級時計に用いるのは勇気がいりますが、少なくともそう簡単に壊れるようには見えませんでした。
今後使ってみて、問題があればこのサイトで報告したいと思います。
ベストバイ
個人的には②「iStrap Dバックル」がベストバイでした。
取付説明書が入っていないことが唯一の欠点ですが、取付方法はどのDバックルも同じですから、ネットを検索すれば簡単に見つけることが出来ます。
[イストラップ]iStrap 10mm12mm 14mm 16mm 18mm 20mmスチール腕時計バンドプッシュ式Dバックル 時計両開き...