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「コバクレヨン」ってなに? コバインキ、コバクレヨン、油性靴墨のコバケア比較レビュー

投稿日:平成25年(2013) 1月26日  更新日:令和2年(2020) 3月9日 

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前回、コバインキの話をした際に少し言及したコバクレヨン

コバ(靴底のフチ)が禿げてきた際に染色するコバインキのクレヨン版です。

今回は、このコバクレヨンとコバインキと、仕上がりにどの様な違いが有るのかをレビューします。

さらに、通常の油性靴墨(缶に入っている靴墨)によるケアとも比較します。

コバインキ、コバクレヨン、そして靴墨の違いを見ていきましょう。

 

そもそもコバクレヨンってなに?

今回用意したコバクレヨン。

正確には、コロンブス製・Boot Black「革コバ専用補色クレヨン」という名前です。

メーカー側の売り文句としては、概ね以下の通りでしょう。

  • インキタイプでは無いので、液だれしない
  • 油性なので、色移りしにくい
  • コバインキのように、塗った後油性靴墨を塗り込む必要が無い

要は、「手軽である」という所に尽きると思います。

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上の写真が、中身を取り出したところです。

児童教育用のクレヨンよりも1回りくらい太く、長さも1.5倍くらいあります。

 

コバクレヨンの使い方

実験に入る前に、コバクレヨンの使い方をおさらいしておきます。

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メーカー純正、箱書きの取扱説明書です。

「色の薄くなったコバ面に塗って下さい」
「柔らかな布でコバ面に広げるように伸ばして下さい」

と、使い方は至ってシンプル。サイズも小さいので、嵩張らなくて良さそうです。

 

使い比べ コバクレヨン v.s. コバインキ v.s. 靴墨単独

今回コバクレヨンと比較するのは、前回登場したコバインキ、そして日常のケアで利用する油性の靴墨です。

 

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こちらがコバインキ。

詳細は前回のエントリーを御覧下さい。

 

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こちらが油性靴墨。今回もサフィール ビーズワックスの通常版を用意しました。

コバインキを使わないシューケアでは、こいつを歯ブラシでコバに塗り込むことをお薦めしています。

今回は、そういった通常のケアとどの様な違いがあるのかも見てみます。

 

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そして、被検体の靴です。 フチの部分が禿げているのが分かります。

毎回の手入れでは油性靴墨を歯ブラシで塗り込んではいるのですが、何回か履くと、この様に地の色が目立ってきます。

 

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まず、どの部分に何を塗ったか分かるように、附箋でマークします。

左がコバインキ、中央がコバクレヨン、そして一番右端が油性靴墨を塗ります。

 

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それぞれを塗っただけの状態です。

明らかにコバインキ(左)だけが「染色」されている風な感じですね。コバクレヨン(中)と靴墨(右)に、この時点であまり違いは感じられません。

 

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先ほどの状態では、コバクレヨンと靴墨がマットな状態だったので、ストッキングを使って磨いてみました。 良い感じに光っているのが分かります。

ただ、このままでは水性のコバインキが雨に弱い状態ですので、上から靴墨を塗ります。

 

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この写真ではわかりにくいのですが、明らかにコバインキ+靴墨の光り方が他を圧倒しています。

コバインキで強力に染色したうえで、靴墨で艶を出したからでしょう。一方、コバクレヨンと靴墨の違いはあまり分かりませんでした。

 

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附箋を取ってみます。 左がコバインキ、中央がコバクレヨン、右が靴墨です。

附箋を貼っていた部分が染色されていないのですが、コバインキとの境目が、一番くっきりしているように見えます。

 

後日談

上記評価のままだと、靴墨と見た目が変わらないということで、コバクレヨンの立場が無くなってしまうのですが^^;

実は、この話には後日談があります。

実験の後、上の状態のまま数回履き込みました。(附箋を貼っていた場所はみっともないので、コバクレヨン補修部分を左右に伸ばしましたが。)

その結果、コバクレヨンで補修した部分は、靴墨に比べ禿げにくいことが分かりました。

これは勝手な想像ですが、靴墨の染色力の主体は顔料(微少な粉を表面に付着させる方法)なのですが、実はコバクレヨンには顔料に加えて染料(皮革繊維を染める方法)も入っているためだと思います。

顔料は革の表面に「色が乗っている状態」なので、摩擦ですぐに色落ちしてしまいます。

しかし、染料は「革の繊維を染色する」ため、摩擦で色が落ちにくいというわけ――という勝手な想像です。(間違っていたらご指摘下さい^^;)

 

まとめ

上記後日談を踏まえると、以下のような関係が成り立つことが分かります。

  1. コバインキ(染料)+油性靴墨(顔料)
    メリット:
     オーソドックスな方法で、一番綺麗に仕上がり、退色もしにくい
    デメリット:インキを乾かす時間や2製品使わなければならないので、手間と時間がかかる
  2. コバクレヨン(顔料+染料)
    メリット: 簡単に補色が可能で、(コバインキに劣るが)退色もしにくい
    デメリット:コバインキペアに発色が劣り、クレヨン状なので塗りづらい
  3. 油性靴墨(顔料)
    メリット: 日々のケアに採り入れやすく、歯ブラシを使えばウエルトの部分まで塗り込み可
    デメリット:顔料なので禿げやすく、頻繁な手入れが必要、根本的な染色にはならない

したがって、

  • 時間がある方、より美しくしたい方  コバインキをご利用下さい
  • 手軽にケアしたい方、不器用な方  コバクレヨンをご利用下さい
  • 頻繁に靴をケアする方  油性靴墨のみでもOKです

というところでしょうか。

個人的なお薦めは、「日々のケアは靴墨のみで」&「四半期に1度コバインキを使ってケア」 です。

 

こう考えると、コバクレヨンが帯に短したすきに長し状態になっているように見えますが、

「靴のケアに時間を掛けたくないけど、コバの色あせは何とかしたい」
「コバインキ+靴墨のケアは面倒そうで嫌だ」
「コバインキは水性で、洋服やカーペットに色移りする可能性もあるから使いたくない」

と言う方には、便利なアイテムだと思います。

 

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