透けない下着の代名詞的なグンゼのSEEK。
以前から記事のコメントなどで、複数の方から「ロングホーズも良い製品ですよ」と推奨いただいたので、今回試してみることにしました。
今回は、標準的なもの、リブ柄のもの、麻入りのものの3つについて、実際に買ってレビューします。
1.「SEEK」の「ロングホーズ」とは?
※ 例によって、ご存知の方は読み飛ばして下さい。
SEEKとは
透けない下着
SEEKとは、当サイトでも何度か取り上げてきましたが、日本を代表する下着メーカー「グンゼ」のブランドの一つ。
そして代表的な製品が、透けないアンダーシャツです。着心地も素晴らしいのですが、夏場に発生し易い「シャツの下着透け」がない下着として、SEEKといえば――な存在です
そんなSEEKのナインナップの一つとして、本製品があります。
高級/高品質路線
SEEKのもう一つの特徴は、高級/高品質路線であること。
売り場も百貨店に限られ、ネット販売も百貨店や公式サイト以外では殆ど見かけません(当初は公式サイトですら取扱が無かった記憶があります)。
SEEKの下着は1枚2,000円以上(種類によっては、1万円近いものもあります)で、サラリーマンにとっては痛い出費です。しかし、これまでのSEEKの製品をみると、クオリティの高さから納得の価格でした。
ロングホーズとは
最悪な「すね毛見え」
いくら上等で清潔で、サイズ感のあったスーツや靴を身に付けていても、靴とズボンの裾から肌――とりわけすね毛が見えただけで、全てが台無しになります。
しかし、一般的なソックスではすぐにずり下がってしまいます。ソックスが足首で蛇腹になっている方、見かけませんか? この状態で足でも組もうものなら……。
これを防いでくれるのがロングホーズです。
ロングホーズは足を美しく見せる
また、上等なロングホーズは、ズボンの裾から覗く足首とふくらはぎを、とても綺麗に見せます。
そのため、ロングホーズは、スーツスタイルを完成させる上では、必須アイテムであると思います。
2.購入したSEEKの靴下
製品サイトを見ても、どういう種類構成になっているのかよく分からなかったので、とりあえず以下の3種類をグンゼの公式ストアから購入してみました。
① 1x1リブの「SXD102」
② リブ柄の「SXF134」
③ 麻繊維が入った「SXF109」
それぞれ税込2,160円。
靴下1足に2千円も……? と思われるかも知れませんが、結論から書くと、履いてみて納得の値段でした。
それでは、1つずつ見ていきます。(製品サイトへのリンクは、記事の末尾に記載しています)
3.レビュー①:1x1リブの「SXD102」
外観レビュー
3足以上で送料無料ということもあって、今回はグンゼ公式の「グンゼストア」から購入しました。
SEEKは定価販売が原則で、滅多に割引がされません。そのため、百貨店経由で株主優待や「友の会」、または御帳場カードなどを活用した方が、安く買えるかも知れません。
こちらがパッケージ。色は「モクネイビー」を買いました。
細かい部材も、SEEKオリジナルです。こういった点は、贈答品として向いていると思います。
(一方で、包装は簡易で良いから安くしてくれ、という声もあろうかと思いますが……)
綺麗な深い青色に、SEEKの文字が映えます。「モク」ネイビーということで、とても深みのある良い色です。
ロングホーズを履いたことの無い方には、少し長く感じるかも知れません。
ただ、慣れてしまうともう普通のソックスには戻れなくなります。
トルソー(また使う事になるとは^^;)に着せてみました。
上と下で、切替(生地の異なる部分)があります。
以前レビューしたタビオ(タビオ(Tabio)のロングホーズを4種類試してみました)や、ハリソン(高クオリティ/低コストの日本製ロングホーズ「ハリソン(HALISON)」)にもこの様な切替がありましたが、SEEKの方がより顕著です。
しかもこの切替に加え、最上部にあるずり落ち防止のための部分、さらに足裏の部分と、全4層構造だったりします(手間がかかっています……)。
安い靴下は、曲線の縫い目がある親指やくるぶし付近に、生地余りや縫い目のごわつきが出てしまう(これが当たると結構痛い)のですが、SEEKでは全くありません。
足の裏は甲の部分と違う、耐久性の高そうな生地が使われており、靴を脱ぐ習慣のある日本の生活にマッチしそうです。
履き心地レビュー
レビュー②③と共通する部分ですが、ここで履き心地をレビューします。
一度水を通す
まず、最初に足を通して思ったのが「他社に比べて少し大きいかなぁ……」ということ。
ただ、綿が主な素材であるため、一回水を通したところ、多の靴下とサイズ感はあまり変わりませんでした。
(綿製品に共通かも知れませんが)おろした後は、一度水を通した方が良さそうです。
肌に吸い付く
その上で感じたのが、足への吸い付きが良いこと。
単に締め付けが強いのでは無く(むしろ快適性は高い)、優しくフィットするような感じです。
つま先に立体感がある
また、つま先には立体感があり余裕を感じます。このため、指を動かしやすくなっています。
ズボンがくっつかない
(これは製品の宣伝文句にもなっていますが)ズボンがくっつかないことに一番驚きました。
特に、冬の乾燥した時期は静電気でホーズにズボンの裏がくっつくことがあります。しかし、SEEKはふくらはぎの部分が普通の化繊では無くキュプラ(綿由来の再生繊維)が使われていることもあり、くっつきません。
4.レビュー②:リブ柄の「SXF134」
2つめはこちら。リブの中が色違いになっている、すこしお洒落なタイプです。
また、前項で紹介した「SXD102」は、材質が「綿・キュプラ・ナイロン・ポリウレタン」となっていました。
一方こちらは、「綿・ナイロン・キュプラ 」で出来ており、加水分解でボロボロになるというイメージで敬遠されがちなポリウレタンが入っていません。
外観レビュー
こちらは「モクブラック」という色を選びました。
写真では少し赤っぽく見えますが、実際にはもう少し落ち着いた色です。
ホーズは、スーツと同系色か、濃いグレー(靴に近い色)を使うのが基本です。しかし、この様なリブ柄であれば、落ち着いたアクセントに使う事も出来ます(この色なら、紺やグレイのスーツにも合います)。
履き心地レビュー
レビュー①に加えて、履き心地をレビューします。
ポリウレタンの有無は……
編み方が違うと言う事も有って、正直明確な違いを感じる事が出来ませんでした。
強いて言えば、若干全体的に締め付けが弱いかな……というくらいです。
引っかかりはこちらの方が強い
また、これは編み方のせいもあると思いますが、①で紹介したSXD102よりは、ズボンへの引っかかりが若干強いと感じました。
5.レビュー③: 麻繊維が入った「SXF109」
最後は、麻繊維が特徴的なSXF109です。
外観レビュー
こちらは「チャコールグレー」を選びました。
前の2足より、ザックリとした素材感があります。
逆に、光沢感は有りません。
履き心地レビュー
レビュー①②に加えて、履き心地をレビューします。
シャリ感はまずまず
麻が入っており通気性が良く、これからの温かい時期には向いていると感じます。
とはいえ、そこまでシャリ感があるわけでも無いため、オールシーズンで使える程度でした。
確かに、素材表示を見ると「綿・ナイロン・キュプラ・麻・ポリウレタン」の順で、(素材の組み入れが多い順に記載されるため)麻の配合は少なめということが分かります。
少し毛羽立ちが目立つ?
個体差があるかも知れませんが、先に挙げた2つに比べ、毛羽立ちは目立ちました(履き心地にはそこまで影響しません)。
麻が入っているのが影響しているかも知れませんね。
6.結局どれがオススメ?
比較
個性の異なる3種類を購入してみましたが、ざっと比較するとこんな感じです。
- 標準的な物が欲しい → ①SXD102
- 少しお洒落なタイプが欲しい → ②SXF134
- 少しでも涼感が欲しい → ③SXF109
どれか一つ選べと言われたら、汎用性が高い①SXD102と答えます。
値段分の価値はあるか
1足2,000円という価格は、安い靴下からするととても高く感じますが、結論としては買う価値あり、でした。
特に、ズボンとの相性を気にしている人にオススメできます。また、男性への安価な贈答品としてもオススメです。
とはいえ、YGのカットオフシャツの様に(参考:SEEKの半額! グンゼYGのカットオフ下着を試してみました)、包装等を簡易にして、系列ブランドから廉価版のホーズが出ないかな……と密かに期待しています^^;
7.ハリソンやタビオとの比較
最後に、これまでレビューしたハリソンとタビオとの比較をしてみます。
履き心地:ズボンが引っかかる人はSEEK一択
正直、ここまでサラサラだとは思いませんでした。
切替の上部分が、意図的にサラサラになるよう、作られているのだと感じます。
ふくらはぎが大きいなど、困っている人はこれ一択だと感じました。(ハリソンの綿100%も似た様な効果がありますが、耐久性や光沢はSEEKの方が上です。)
指先の快適さもSEEKに軍配だが、好みは分かれる
また、指先部分の縫製が立体的で、とても指が動かしやすいのがSEEKの特徴です。
ただし、指先までピタッと包まれたいという場合には、タビオかハリソンがオススメです。
見た目:ラグジュアリーな見た目はSEEKかタビオ
見た目の艶感は、SEEKとタビオで良い勝負です。(ハリソンの綿、綿/ナイロン混は履き心地優先で天然素材の比率が多いからか、光沢感はそこまでありません。)
見えないところで言うと、SEEKの縫製が、その値段分だけ良いかなぁ……と感じます。
素材:天然素材重視ならハリソン
一方で、天然素材にこだわるのであれば、引き続きハリソンが優勢です。
もちろん、ナイロン入りよりも耐久性に劣るものの、肌触りは抜群です。
価格:「少しでも安い本格派」なら、タビオとハリソン
タビオとハリソンは2,000円以下が殆どです。また、SEEKはセールが殆ど無いため、数を揃えるとなるとSEEKは不利だと思います。
とはいえ、それでも高すぎ……という方は、soxボックスのロングホーズがコスパ抜群でオススメです。(1足500円前後のロングホーズ。以前のレビュー記事:コストパフォーマンス抜群! ソックスbox408 オリジナルホーズ レビュー)
8.おわりに
一時期はパンセレラやソッツィなど、舶来の高い靴下が、セレクトショップの片隅で売られていただけでした。
しかし、ここ数年は「ホーズ」の言葉も一般化し、少し大きめの紳士用品売り場では普通に見かけるようになりました。
SEEKの様に、主要紙や大手雑誌にバンバン広告を打てるブランドが、ロングホーズの取り扱いを始めた影響も、大きいと思います。
スーツには必須のホーズ。最初はストッキングみたいで違和感があるかも知れませんがとても良い物です。未体験の方はこの機会にぜひお試し下さい!
リンク
以下は、グンゼ公式「グンゼストア」へのリンクです。
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