前回、ユニクロの透けない下着「エアリズムシームレス」をご紹介したところ、「SEEKは高いのでこちらで我慢します」の声を、コメントやダイレクトメッセージで複数戴きました。
SEEKとエアリズムシームレスの価格差は約2倍(セール時は約3倍)。確かにこの価格差ではユニクロに流れてしまいますが、やはり化繊100%というのはイヤという方も多いはず。
そこで、調べて見たところ、SEEKの製造元であるグンゼの別ブランド「YG」から今年3月、SEEKと似た様な製品が、SEEKの半額で発売されているのを見つけました。
早速2種類購入し、レビューしてみましたので、ご紹介します。
1.製品概要
① YG CUT OFF Vネック
- 製品名:YG CUT OFF VネックTシャツ
- 製品番号:YV0415
- メーカー:グンゼ
- 材質:綿90%、ポリウレタン10%
- 色:ヌードベージュ
- 生産国:日本
- 購入価格:\1,605(税込)
- リンク:
公式、Amazon.co.jp
② YG CUT OFF Vネック短袖
- 製品名:YG CUT OFF VネックTシャツ(短袖)
- 製品番号:YV014P
- メーカー:グンゼ
- 材質:綿55%、ポリエステル30%、ポリウレタン10%
- 色:クリアーベージュ
- 生産国:日本
- 購入価格:\1,620(税込)
- リンク:
公式、Amazon.co.jp
H30.08.14追記:
現在は売り切れになっていて、後継のYV1912を公式サイト、又は下記リンクから購入することが出来ます。
R02.03.09追記:
後継のYV1915が発売されています。
両者似ているようですが、下線の通り、素材や袖の長さが異なります。
いずれもAmazonから購入しました。5月12日から25日まではクーポンコード「2016MAYOFF」で15%OFFで購入出来るようです<詳細>。(もう少し待ってから買えばよかったと少し後悔……)
2.フォトレビュー
① YG CUT OFF Vネック
パッケージです。
なんと、表面でカットオフの主張をしているのはここだけです。SEEKに遠慮しているのでしょうか……?
取り出してみました。ヌードベージュという色を買ってみましたが、少しピンクがかった色です。
しっかりカットオフになっています。
綿90%と、SEEKのスタンダードライン(綿35%、キュプラ25%、ポリエステル25%、ポリウレタン15%)よりも天然繊維多めです。普通のSEEKより高価なプレミアムラインと同じ配合とは……。
「YG」ブランド自体がコットンを前面に打ち出しているからでしょうか。
ボディに着せてみました。
2つめまでボタンを外してもインナーが見えることはありません。
白いシャツでも、殆ど透けてみえません。
② YG CUT OFF Vネック短袖
続いて短袖の方を。
こちらのパッケージは箱形です。
①とは異なり、カットオフを前面に打ち出しています。ただ、SEEKの様に「透けない」という謳い文句ではありません……。
と思ったら、ちゃんと裏側には透けないことが売りとして書いてありました(①も確認したら同様でした)。表側に堂々と書けないのは、メインストリームに対する社内的な配慮があるのでしょうか^^;
取り出したところ。
こちらも綺麗なカットオフ。
素材は綿55%、ポリエステル30%、ポリウレタン10%です。
SEEKのスタンダードラインが綿35%、キュプラ25%、ポリエステル25%、ポリウレタン15%ですが、綿の再生繊維であるキュプラを綿と捉えると、殆ど同じ配合です。
こちらもボディに着せてみました。
おなじく、第2ボタンまで見えることは無く、透けも感じられません。
特徴的な短袖
製品名通り、こちらはかなり袖が短いのが特徴。
袖の短いポロシャツでも……
インナーが中から見えるなんてことはありません。
①の場合はこちら。着た当初は大丈夫でも、動いている内に出てきたりしますよね。(特に、化繊で伸びやすい、最初のエアリズムにそんなことが多かった記憶があります。)
3.SEEKとの製品比較
続いて、SEEKとどの様に違うのかを項目別に見ていきます。
A) 素材
前項でも言及しましたが、①の方はSEEKのプレミアムラインと同じ素材表記で、②の方はスタンダードラインとほぼ同じでした。
そこで、違いを詳しく知るため、グンゼのサポートセンターにどう違うのか確認したところ「同じ配合でも、SEEKの方がより高価な素材を使用し、高品質な織り方をしている」との事でした。
上が②のYG、下がSEEKのスタンダードラインです。
見た目はあまり変わらないのですが、触り心地はSEEKの方が良い気がします。ただし、あくまで言われてみないと気づかない程度です。
B) 縫製
上が①のYG、下がSEEKのスタンダードラインです。肩の縫い目は全く同じに見えます。(恐らく同じ機械を使っているのでは無いでしょうか……。)
YGはSEEKとおなじく、脇の部分も縫い目がなく裾もカットオフ仕様です。(なお、YGと同価格帯のエアリズムシームレスは脇の縫い目あり、裾も縫い目ありです。)
上がSEEKのタグ、下がYGのタグです。ここは、擦れたり蒸れたりしにくいよう、プリントされているSEEKの方が上手(うわて)ですね。
C) ラインナップ
色
YGは製品によって、肌色が1種類のものと、SEEKと同様に2種類のものが有ります。
サイズ
こちらも似た様な感じで、YGは基本M、L、LLの3種類、SEEKは3ないし4種類(Sが入る)です。
種類展開
YGはカットオフだけのブランドではないので、カットオフの種類だけ見るとさすがにSEEKより少ないのは確かです。
4.SEEKとの使用感比較
SEEKスタンダードラインやプレミアムライン(こちらは未レビュー)との比較です。
A) 透け
ほぼ違いはありません。カットオフの部分の品質も変わらず、またYG、SEEKともに肌の色に合わせて2種類の肌色を用意していることもあり、色素が薄い方、濃い方両方に対応できます。
B)肌触り
綿っぽい肌触りでは、YGの①とSEEKプレミアムラインは似た様な感触です。
ただ、YGの②とSEEKスタンダードラインでは、キュプラを使っているSEEKの方が、若干肌触りがすべすべしているように思います。
5.まとめ
店頭やサポートセンターでの質問、自分なりの感想を総合すると、
- 百貨店向けの高級ラインで、最高品質の「SEEK」
- 量販店/通販向けの普及ラインだが、品質はSEEKに肉薄する「YG CUT OFF」
という位置づけが見えてきました。
SEEKとYGとの価格差は倍もありますが、正直素材や縫製にそんな差があるようには見えませんでした。(まぁ、往々にして「百貨店向け製品」との比較はそんな物かも知れませんが……。)
SEEK、YG、エアリズムシームレス、それぞれの棲み分け
私を含む、殆どの方はエアリズムシームレスとSEEKだったら着ていて区別がつきますが、SEEKとYG CUT OFFは区別がつかないと思います。
従って、
- 最上級か欲しい、カットオフ下着で様々な種類を試したい → SEEK
- ある程度高品質であれば良い、綿の肌触りで透けない下着が欲しい → YG CUT OFF
- 汗を良くかく、化繊のさらさら感が好き → エアリズムシームレス
という「買い分け」になるのかと思います。
YGのカットオフは買いか
もちろん、個人的にはYG CUT OFFは買いの製品です。
グンゼの技術力を最大限注入され高品質であるものの、雑誌や百貨店での宣伝に力を入れ高級路線で販売しているSEEKは、やはり価格的にほいほいと買いづらい面があります。
一方、下着はケアをしてエージングというより、綺麗さが求められるものです。そのため、頻繁に買い換えられる価格である必要があります。
デザインや縫製、素材などの特徴がSEEKと酷似するYG CUT OFFは、SEEKで培われた技術が転用されているのは明らかで、コスパは最高だと考えます。
SEEKとの差別化のため、YG CUT OFFを価格相応なSEEKのモンキーモデルにしなかったグンゼに感謝します……。
ちなみに、エアリズムシームレスとYGカットオフは発売時期がほぼおなじです(プレスリリースの日付は前者が今年2月16日、後者が2月26日でした)。偶然競り合っているように見えるのかも知れませんが、中の人たちが互いを意識しているのは間違いないのではないでしょうか。今後も切磋琢磨してほしいものです。
リンク
① YG CUT OFF Vネック
- 公式サイト
- Amazon.co.jp
(※H28.5.24追記:一時的に品切れになっているようです。Uネックはまだ在庫があるようです)
② YG CUT OFF Vネック短袖
公式サイトAmazon.co.jp
H30.08.14追記:
現在は売り切れになっていて、後継のYV1912を公式サイト、又は下記リンクから購入することが出来ます。
R02.03.09追記:
後継のYV1915が発売されています。
お詫び
前回のエントリーで、YGとSEEKのプレミアムラインレビューをすると告知しましたが、混ぜてしまうと話がごちゃごちゃになってしまうので、需要がありそうなYGのみに絞りました。SEEKプレミアムラインについては、別途日を改めてレビューしようと思います。