タイ(ネクタイ)

ネクタイピンの種類、意義、使い方などを考える【後編】

投稿日:平成29年(2017) 4月23日 

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前編では、ネクタイピンについて、定義や種類の違い、そして必要性について取り上げました。

今回は、もう少し実用寄りの、使い方や選び方について考えます。また、最後に前後編を通してまとめてみました。

1.ネクタイピンの最適な位置は?

おすすめは自然にノットが持ち上がる位置

ネクタイピン(ここではタイクリップを想定します)をする大きな目的の一つに、ネクタイのノット(結び目)を適度かつ自然に持ち上げる、というものがあります。

そのため、留める位置が下過ぎるとタイが途中でゆがみ(かつ間抜けに見え)ますし、上すぎてもペチャンコになってしまいます。

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タイの厚さや芯地のコシにもよりますが、おおまかに中間くらいか、中間より少し上ぐらいが丁度良いと思います。

また、ビジネス用途には余り目立たない方が良いと思いますので、個人的なオススメとしては、ジャケットに少し隠れる位が控えめが好きです。

極端に上で止めるやり方もあるが……

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写真のような、極端に上で留める方法を、雑誌などで見たことが有るかも知れません。

ただ、タイクリップが悪目立ちしてしまい、ビジネス用途には不向きだと感じます。また、パーティ等の用途であっても、私の感覚からすると不自然さが拭えません……。

どうしてもこの位置で目立たせるのならば、まだタイタック(前回の記事参照)の方が、向いているのでは無いでしょうか。

 

2.敢えてネクタイピンを見せない留め方

前回の記事で、ネクタイピンの目的は以下の3つがあるのではと考察しました。

  1. 見た目のため①:タイにボリュームを持たせる
  2. 見た目のため②:アクセサリーとして
  3. 実用のため:タイを固定する

夏場に軽めの装いをしたいとき(例えば、麻のシャツ/タイ/ジャケットのセットなど)、ネクタイピンのアクセサリーとしての装飾性が要らない時があります。

つまり、上記で言う1と3だけ欲しく、2は不要というケースの留め方をご紹介します。

シャツ、タイループ、小剣を挟む

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やり方は簡単。通常は、外側から大剣、小剣、シャツを挟みますが、大剣の代わりにタイループ(小剣通し)を挟むだけ。

これで、タイクリップを表に出さずに、タイにボリュームを持たせつつ、ネクタイを固定することが出来ます。

 

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タイループの位置によっては、ノットを持ち上げる効果が少なくなりますが、タイクリップが無いよりは見栄えは良くなります。

なお、留めるのがシャツと小剣だけだと、大剣の横方向の動きを制御出来ても上下に動くため、ボリュームを持たせることは難しくなります。また、タイバー(バネがついていないタイプ)だと落下の危険性があるため、タイクリップの使用をお勧めします。

実はこの方法、前々回の記事で2人の方からコメントを偶然戴いており、結構メジャーな方法だと思われます。

 

3.ネクタイピンの選び方

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基本は身に付ける金属の色とあわせる

靴とベルトはもちろん、かばん、時計のバンド、手袋……といったように、革製品の色を合わせると統一感が出て、格好がよいものです。

ネクタイピンも似た様に、身に付ける金属の色とあわせるようにします。

例えば、ベルトのバックル、時計のケースや金属ブレス、靴のストラップバックル、鞄の金属金具、カフリンクス、ブレイシーズ(サスペンダー)の金具、万年筆の金属パーツ等々……。スーツスタイルも金属が多いですが、これらの色とあわせることで、統一感を出すことが出来ます。

ネクタイピンの長さを確認する

ネクタイピンもネクタイの幅に合わせて、様々な長さがあります。

たまに、ナロータイ用の短いネクタイピンを、普通のネクタイにしている人を見かけます。しかし、これでは上手く留められませんし、見た目にもアンバランスになってしまいます。

目安として、5センチ位はあった方か良いでしょう。

クリップタイプのシンプルな物から

もし、ネクタイピンをまだ持っていないのなら、クリップタイプのシンプルな物をオススメします。

キャラクターや宝石がついた物もありますが、Vゾーンの主役はあくまでネクタイ。プレーンなものであれば、ビジネスから冠婚葬祭まで幅広く使えます。

クリップを選ぶのは、ネクタイを傷つけないためです。慣れないうちは、ネクタイピンを留める場所が定まらないでしょうから、擦れて傷つけやすいタイバーより、タイクリップがオススメです。

 

4.まとめ

最後に、前編も含めてまとめてみます。

  1. ネクタイピンは「ネクタイ留め」全般を指すことが多いが、日本独自の表現だと思われる(ネクタイ留めを英訳すると tie clasp)
  2. ネクタイピンにはタイクリップ、タイバー、タイピン、タイタック、タイチェーンなど複数の種類がある
  3. 現役はタイクリップとタイバーだが、機能的な問題からタイクリップの方がおすすめ
  4. ネクタイピンの役割は主に、ノット部分のボリューム維持、アクセサリー、タイの固定の3つ
  5. タイクリップを留める位置は、ネクタイの半分か半分より少し上、ジャケットに少し隠れるくらいがおすすめ
  6. シャツ、小剣、タイループをまとめて挟むことで、敢えてタイクリップを見せない留め方もある
  7. ネクタイピンの選び方は、身に付ける金属の色と合わせる
  8. ネクタイピンは、ネクタイの幅に応じた長さを選ぶ必要がある
  9. 初めて買うときは、シンプルなクリップタイプがおすすめ

たかがネクタイ留めですが、こうしてみると様々なポイントが見えてきます。

興味が湧いた方は、是非取り入れてみて下さい。

 

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