これから梅雨のジメジメとした時季を迎えますが、皆さんは「カビ」対策、していますか?
当サイトでカビ対策と言えば、通常は靴を取り上げることが多いのですが、今回はクローゼットのスーツ類についてです。
先日、読者の方からスーツがカビてしまったが、防ぐ対策はないか、という質問を戴きました。
コレだけやっておけば大丈夫、というものは無いのですが、私が普段やっている方法を中心に、5つのステップに分けてご紹介したいと思います。
STEP1:汚れを持ち込まない
クローゼットへの対策よりも最初にしなければならないのが、服そのものへの対策です。
食べこぼしはカビの巣窟に
カビが繁殖するためには当然栄養が必要です。スーツの場合、生地についた汚れを中心にカビることが多いのですが、最も危険なのが栄養豊富な食べこぼし系の汚れです。
ですから、カビやすい梅雨時は特に、スーツに食べものがつかないよう、また収納する前にもついていないか良く確認することが重要です。
簡単に落ちない食べこぼしを見つけたら、基本はクリーニングに出してしまった方が良いでしょう(自信があれば、自分で汚れを落とすのも手ですが……)。
参考までに、飲み会に向けた食べこぼし防止のTIPSは以下の通りです。
-
上着は脱いでおく
-
泥酔しない
-
泥酔する人の近くに座らない
-
ナプキン(膝掛け)を使う
-
クリーニングに出す日が近いスーツを着ていく
-
飲み会の後のラーメンは控える(健康面でもアレですし^^;)
まぁ、余り神経質になると楽しく会食出来ないですが、多少気をつけることでかなり食べこぼしの付着を減らすことが出来ます。
ブラッシングを念入りに
カビは空中にも漂っていますが、特に多いのが、オフィス内だと部屋の隅など湿気た場所のホコリ、オフィス外だと土埃の中です。
従って、帰宅後にスーツやジャケパンは必ずブラッシングするようにします。
空気清浄機を少し強めにして、その前でブラッシングすると良いでしょう。(花粉対策と同じですが、玄関に空気清浄機を配備し、そこでブラッシングをすると確実です。)
クローゼットの掃除も大事
また、クローゼットそのものも、実は汚れをため込んでいます。
定期的にクローゼットの中(特に、底面の四隅)は、掃除機で良いのでホコリを吸い取っておきます。
STEP2:部屋全体の湿度を下げる
クローゼットの除湿より優先すべきは、部屋の除湿だと考えています。
除湿剤の効果は限定的……
なぜ部屋の除湿を優先すべきかというと、クローゼットの中に配置できる除湿剤の効果は、実は限定的だからです。
また、ウォークインクローゼットを別として、クローゼット内に除湿機を置くこと、特に配線や配管の関係上連続して除湿することはかなり難しいからです。
そしてなにより、いくらクローゼットを除湿しても、部屋が湿気ていれば、扉を開閉する度にクローゼット内の湿度は高くなりますよね。
ということで、クローゼットよりもまずは部屋の除湿をすべき、というわけです。
除湿機よりエアコンで湿度を下げる!
そして、部屋の除湿については、基本的に除湿機よりもエアコンの利用がオススメです。
一般的な除湿機はタンクの水を捨てに行く必要がありますが、エアコンなら連続して除湿することが出来、さらに除湿効率もスピードも、エアコンの方が高いことが多いからです。
スポットでの除湿(例えは、洗濯物の乾燥など)は除湿機で、部屋全体はエアコンで、と考えておけば良いのではないでしょうか。
STEP3:クローゼットの湿度を上げない工夫をする
3つ目で、やっとクローゼットの湿度についてとりあげます。といってもここではクローゼット湿度を「上げない」話で、「下げる」の話はまだもう一つ先です。
服はすぐに入れない
スーツやジャットに使われる天然素材――ウールや麻などは、かなり保水性の高い素材です。
そのため、一日着たものは、汗などの水分をかなり吸い込んでいます。
これらを帰宅後、いきなりクローゼットに収納するのは、クローゼットを加湿しているも同然です。私の場合は、ブラッシング後、一晩は必ず風通しの良い場所に吊しておき、翌日収納するようにしています。
特に、雨に降られたあとは、タオルで水気を良く取った後、1~2日くらいは陰干ししておきます。
晴れた日に換気する
さらに、カラっと晴れて湿度の低い日には、クローゼットを換気するようにします。
空気を頻繁に移動させることも、カビを発生させない重要なポイントです。
服は沢山入れない
ついついやりがちなのが、クローゼットに大量に服を詰め込んでしまうこと。
虫喰いや擦れによる劣化の観点からも言えますが、空気の通りが悪くなりカビやすくなるという観点からも、あまり良くない状態です。
とはいえ、私たちサラリーマンの、特に土地の高い都心部にお住まいの方のクローゼットにおいては、やむを得ない状況かも知れませんが……。
STEP4:除湿剤を上手に使う
いよいよ除湿剤の登場です。
ハンガータイプ
一つ目は、こちらのポールにかけるタイプの除湿剤です。
湿気の原因である、衣服から上手に湿気を吸い取ってくれます。
据え置きタイプ
そして、セットで導入すべきなのが据え置きタイプの除湿剤です。
クローゼットの下部は床に近く温度が低くなるため、相対湿度が高くなります。これをこの除湿剤でキャッチするわけです。
ドラッグストアやネットショップ等でかなり安く販売されていることもあり、コスパも良好です。
但し、こちらのタイプは、湿気を吸い込んだ後に溜まる液体が、靴や鞄などの皮革製品を浸蝕することがあるため、取り扱いには注意します。
STEP5:「調湿」も考える
もう一つ重要なのが、「調湿」です。
除湿と調湿の違い
除湿は、ひたすら空気中の水分を吸うのに対し、調湿は一定の湿度に保とうとする動きのこと。
一見除湿の方が良さそうに見えますが、手間を掛けないという観点からは、調湿の方が優れています。
というのも、除湿剤は環境によって、ほんの数週間で除湿剤を使い切り、それ以上吸わなくなってしまう事もザラだからです。
調湿剤であれば、湿度が高い状況には空気中の水分を吸い、逆に低くなると水分を吐き出します。つまり、STEP3で紹介した晴れた日に換気をするなどすれば、長い間カビにくい湿度を保ってくれるわけです。
私の場合、密閉性が高く開け閉めの少ないところは除湿剤メイン、そうでないところは調湿剤メインで使っています。
オススメは「木炭」か「B型シリカゲル」
以前も少し記事で紹介しましたが、私は調湿用の木炭を活用しています。クローゼットの底面に敷き詰め、調湿に活用しています。
そのほかにも、高温にせずとも自力で湿度の放出が可能なB型シリカゲルも有効です。
まとめ
-
スーツは食べこぼしに気をつけ、土埃などはブラシで払い、クローゼットは定期的に掃除する
-
部屋の湿度が高くなりすぎないよう、エアコンで除湿する
-
着用後の服は一日陰干しし、晴れた日にはクローゼットを換気する
-
ハンガータイプと据え置きタイプの除湿剤を併用する
-
開け閉めの多い場所には、木炭などの調湿剤を活用する
(おまけ)「炭八」を買い増しました
実は先日、少し空いたスペースにクローゼット(といってもかなり小さいですが)を買い足した際、調湿用木炭も一緒に調達しました。以前も紹介した「炭八」です。
私が使っているクローゼットや靴箱類には、基本的にすべて導入しています^^;
調湿用の木炭は除湿剤と違い、基本的に交換の必要がないため、前回レビュー時から新規購入していませんでしたが、久々に買ったので再度ご紹介します。
クローゼットに大袋と押入れ用を
まずは主役の大袋を。これはクローゼットに敷き詰める用です。
空っぽのクローゼットに、大袋を敷きます。
そして、隙間には押入れ用をセットすれば、クローゼットの底面全体が調湿面になります。
今回はハーフサイズのクローゼットだったためこの様な形ですが、普通サイズのクローゼットには、大袋2つと押入れ用2本が必要です。
靴箱にはタンス用を
こちらはタンス用炭八。今回はタンスには使わず、個室タイプの靴箱につっこみます。
また、会社のロッカーにも、2個くらい放り込んでおくことにしました。
リンク
- 洋服用ブラシ:記事「ブラシの平野「水雷型」レビュー」
- 除湿剤(ハンガータイプ):ドライペット クローゼット用
- 除湿剤(据え置きタイプ):ドライペット スキット
- 調湿用木炭:炭八5点セット