▲ 防臭・防カビに効果があると言われているシダーウッドのシューツリー
上は無印良品製、下はダスコ社製のもの。無印製にはサンドペーパーがついていた
最初にお断りしますと、シューツリーの使い方は、文献や人によってその方法が異なっています。諸説提示しつつ、シューツリーは
- いつ入れるのか
- 入れっぱなしなのか
- どう手入れするのか
について、私が実行している方法を中心に述べたいと思います。
■脱いだらすぐ入れるのか
基本的にはYES。限定的にNO。
異説として、「靴の中にたまった湿気を追い出すために、一晩経ってから挿入すべき」という考え方があります。
ただし、これはシューツリーの役割として前回提示した3つの効果のうち、「2.湿気を取り除く」と矛盾する答えになってしまいます。ですから、基本的には脱いだらすぐにシューツリーを挿入し、除湿すべきであると考えています。
しかし一方で、シューツリーが除湿に適していない場合(プラスチックの場合等)、雨に降られた場合など、靴が汗以外の水分を多量に吸い込みシューツリー挿入以外の処方(新聞紙による「脱水」等)が必要な場合は、異説に従うべきだと思います。
特に、バネの力が強いシューツリーを使用している場合で、甲革が雨などでびしょびしょになっている場合だと、柔らかくなった甲革がシューツリーで拡張されてしまう可能性が高く、気をつけるべきです。
■入れっぱなしにすべきか
基本的にYES。
入れっぱなしで保管をした方が良いと思います。そもそもシューツリーの目的は以下の3つでした。
【役割1】型くずれを防ぐ
【役割2】湿気を取り除く
【役割3】臭い・カビを防ぐ
短期間の保管でも、長期間の保管であっても、型くずれを防ぎ、湿気を取り除き(あるいは、適度な湿気をシューツリーから靴に与え)、カビの繁殖を防ぐことは、靴にとって非常に重要です。
ただし、ここでもバネの強すぎるシューツリーや、適正サイズより大きなシューツリーは、長期に亘る圧力によって靴を変形させる恐れがあり、長期保存に適していないことを附記したいと思います。
■シューツリーの手入れ
基本的には定期的な天日干しが必要。オプションでヤスリがけやアロマオイル噴霧なども効果的。
天日干し
木製のシューツリーの場合、一日10時間近く履いているサラリーマンの靴に装着されると、湿気が蓄積して吸湿性能が下がってしまうことがあります。
この場合、週末で晴れているときなど、シューツリーを天日干しにすると湿気を抜く事で、吸湿性能を回復する事ができます。(デリケートな物はひび割れる危険性があるので、陰干しにして下さい)
ヤスリ掛け/アロマオイル
また、シダーウッドの場合は、香りがだんだんと減っていきます。
この場合は、紙ヤスリ(サンドペーパー)などでほんの少し表面を削ると、香りが復活し、抗菌作用が上昇します。購入時にサンドペーパーが附属している場合もあります。
シダー以外の木製キーパーだと、シダーウッドやティートゥリーなどの抗菌(カビ)性のあるアロマオイル(精油を希釈した物)を噴霧するという方法もあります。
■まとめ
- シューツリーは靴を脱いだらすぐ入れる(但し、水で濡れた場合はこの限りでなく、新聞紙などでの脱水を優先する)
- シューツリーは基本的に入れっぱなし
- シューツリーはたまに天日干し
シューツリーを上手に活用して、楽しい革靴ライフを!