前回までに、本切羽(本開き)とはなにか、またそのメリットについて書きました。
今回は最近流行している「本切羽のボタンを1つか2つ、わざと外す」事について、私見を述べたいと思います。
本切羽にするのか/しないのか、ボタンは外すのか/外さないのかというのは、個人の自由ですし、「こうあるべき」という主張は出来ません。
しかし、「私はこう思い、こうしている」ということをおつたえし、スーツの壁に悩む皆さんの参考になればとおもいます。
ボタンを外すことのメリット
「本切羽は主にビスポークスーツのみに用いられるため、良いスーツを着ているというアピールが出来る」という考え方があります。しかし、意図的にジロジロ見ないと、袖口が本切羽であるかそうでないかは、判断がしにくいのです。
そこで、1つか2つ、わざとボタンを外すことで、本切羽であることをアピールできます。これが、ボタンを外すことの主なメリットです。
※暑いからとか、袖が汚れないようにとか、副次的な要素が無いこともないですが……
私自身の方針
本切羽のボタンを1つ、あるいは2つ常時外したままにすることには、賛否両論あると思います。私自身、まだ答えが出ていませんし、出る物であるとも思っていません。
見栄を張りたい方はどうぞ外して下さい。と言うほか無いからです。それでその人にメリットがあるのでしたら、是非そうするべきでしょう。(皮肉ではなく、本当にそう思っています)
ボタンを外すことのデメリット
その上で、私自身は「見栄を張っているように思われたくない」という理由から、本切羽のボタンを外ことはしていません。
言葉は悪いですが、「派手好きの田舎者」や「成金」に見られる事が嫌ですし、そのリスクのが高いと思っているからです。なぜなら、本切羽のボタンを外すことの意味は、「本切羽のスーツであるぞ(=ビスポークスーツだぞ)→高いスーツだぞ」というアピールに直結しているからです。
「お、やってるな」とスーツ好き同士でニヤニヤするメリットはあっても、「あいつは高いスーツをアピールしてるな」と思われるデメリットの方が大きいと思ってしまいます。
もちろん、仕事柄/環境柄、良いスーツを着ているとアピールする必要のある方はそうするべきです。これはあくまで私の考えや、私の立場で考えたときに出した、私なりの見解です。ぜひ、皆さんの立場や環境から、自分なりの方針を考えてみて下さい。
※なお、本切羽にする/しないでいえば、した方が良いと思います。穴かがり(ボタンホール)が綺麗に見えるからです。