※ 初出時原題:「首元が緩いと、全てが台無しになるという話」
どんなに良いスーツや靴を身に付けたとしても、一瞬で台無しになる着こなしがあります。
今回は、その中で最も多い(と個人的には思う)「首元の緩み」について取り上げます。
1.首元の緩みとは
最初に答えを書いてしまうと、「首元の緩み」とはシャツの第1ボタンが開いている状態を指します。
これは、敢えて開けているノーネクタイのことを言っているのではなく、タイドアップの(ネクタイを締めている)状態で、首元が緩い状態のことです。
2.第1ボタンを外しているのは分かる
「ネクタイを締めているから、第1ボタンを外していても大丈夫だろう。」 そう思っていた時期が、お恥ずかしながら私にもありました。
しかし、第1ボタンを外しているのは、ネクタイをしていても分かってしまうのです。
理由1:逆三角形から台形へ
理由の一つめは、シャツ襟の形です。
第1ボタンをネクタイで隠せば、開いているボタンは見えなくなります。そのため、隠せているよう思ってしまいますよね……?
しかし、どうしてもボタンとボタンホールは離れてしまうので、襟の形がキリッと締まる逆三角形から、間延びした台形になります。
一見空いていないように見えますが、本来のシャープな形が失われていることが分かります。
理由2:ネクタイが緩んで露出する
そして二つめの理由が、第1ボタンを開けた状態でネクタイを締めると、ネクタイが緩んでしまうからです。
ネクタイには、シャツの襟が開く力を止める程度の強さはありません。なぜなら、シャツの襟は人間の首が動くことによって、かなり強い力で開こうとするからです。
この開く力を止められるのは、第一ボタンただ一つだけです。
3.解けて垂れ下がったネクタイは、着けていない方がマシ
このように、シャツの第1ボタンを開けていると、いくらネクタイを締めていたとしても露見してしまうのですが、先ほどの理由2で述べたネクタイの緩みが、台無し具合をさらに加速させます。
解けて垂れ下がったネクタイは、付けていない方がマシだからです。
ドラマや演劇で、飲んだくれてだらしない格好を演出するときに、ネクタイを緩めて胸元を開けたシーンを見たことはないでしょうか。
つまり、開いた首元と、緩んだネクタイは、だらしなさのアイコンです。
「ネクタイさえ身につけていれば大丈夫」と思っていたら、むしろだらしなさのアイコンを身に付けていた、ということになってしまうわけです。
これなら、そもそもノーネクタイで開襟の方が、清潔感があって良いと思うのですが、如何でしょうか?
4.ガバガバ or キツキツのシャツ襟もやめよう
緩んだ第1ボタンには及びませんが、大きすぎる(ガバガバ)なシャツ襟や、逆に小さすぎる(キツキツ)なシャツ襟も見栄えは良くないです。
もしジャストフィットに自信が無いという方は、一度シャツ専門店(大手だと鎌倉シャツが全国にあるので良いでしょう。)でシャツを購入し、その際に指導して貰いましょう。自身の最適サイズと、最適な感覚を身に付けることができます。(メーカーによってサイズは異なるので、感覚の方が重要です。)
よく、指1本が入る程度でと言いますが、キツキツでもガバガバでも指一本は入るので、やはりプロに見て貰うことをオススメします。実物のシャツを試着できる店が良いです。
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「どんなに良いスーツや靴を身に付けたとしても、一瞬で台無しになる着こなし」は他にもいろいろありますが、あなたはどんな着こなしで台無しになると思いますか?
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