先日、「男性へネクタイをプレゼントしたいが、どんな柄のネクタイが良いか」という質問をいただきました。
ネクタイは、丁度良い価格、嵩張らないサイズ、面倒な慣習(○○をプレゼントするのは××に当たるので失礼云々)の餌食に(今のところ)なっていないなど、男性へのプレゼントとして、重宝されています。
しかし実のところ、ネクタイは着用者の好みが出やすく、プレゼントとしては少々難しいアイテムなのです。(実際、私もネクタイを何本かいただいたことがありますが、いずれも着用率は低めです……。申し訳ない……。)
しかし、それでもプレゼントとしてネクタイを選びたいのであれば、ドット柄がオススメです。
ということで今回は、何故ドット柄のネクタイが良いのか、5つのポイントから考えます。さらに、ドット柄ネクタイの選び方についても考えてみたいと思います。
理由1:何にでも合わせやすいのにお洒落
ドット柄は合わせやすい
ネクタイ×シャツや、ネクタイ×スーツといったコーディネートを考えるとき、問題になるのが柄の衝突です。
例えば街中で見かける事が多いストライプのネクタイ。一方でシャツやスーツにもストライプが使われることが多いですよね。
そしてスーツ、シャツ、ネクタイのうち2つ以上がストライプになると、ストライプ×ストライプとなってガチャガチャしやすく、難易度の高いコーディネートになるのです。(幅を変えるなどの工夫が必要になる。)
しかし、ドット柄なら、無地はもちろん、ストライプ柄だろうが、チェック柄だろうが、おおよそ全ての柄のシャツやスーツに合わせることが出来ます。
これなら、プレゼントされた側も気軽にそのネクタイを選ぶことが出来るでしょう。
無地よりも高い表現力
もちろん、無地のネクタイも同じく合わせやすい柄ではありますが、表現力の観点から言うとドット柄の方が上です。
また、無地のネクタイは高い生地の品質が求められる(生地の善し悪しが目立ちやすい)というネガティブポイントもあります。(これを逆手にとって、良質の無地のネクタイを贈る、という手もありますが……^^;)
理由2:手持ちのネクタイと被りづらい
非主流派
ネクタイ売り場を見ていると、依然主力はストライプ柄です。ストライプ柄は力強く、また手軽に様々な色を取り入れることが出来るため、人気が高いのも頷けます。
一方で、ドット柄は元来メジャーな柄であったにも拘(かか)わらず、日本国内ではあまり多く見かけません。
もし贈る相手が、普段ストライプのネクタイばかりであれば、ドット柄のネクタイは新鮮なプレゼントになると思います。
ひとくちに「ドット柄」といっても千差万別
もし贈る相手がドット柄のネクタイを複数持っていたとしても、まだ候補から外すべきではありません。
というのも、ドット柄といっても、下地の色はもちろん、ドットの大きさ、密度、ドットの色等により、表情は千差万別だからです。
また、紺色のドット柄はメジャーですが、茶系(ブラウンやボルドー)のドット柄は流通量も少なく、かつコーディネートがし易い柄でもあるのでオススメです。
理由3:派手にも地味にもなる
ネクタイをプレゼントする相手や、自身と相手との関係、またプレゼントの理由によって、落ち着いた柄が良いか、派手な柄が良いかを考えますよね。
一般的にドット柄は、かなりクラシカルな柄というイメージを持たれやすいですが、実は地味にも派手にもなる万能柄です。
ドットの大きさと密度、色で地味/派手を表現
左が比較的派手なもの、右が地味なものです。つまり、色を薄くしたり、ドットを大きくすることで、地味と思われがちなドット柄もかなり派手になります。
ビジネス用途としてはあまり向いていませんが、さらに大きなポルカドットやコインドットのネクタイになると、かなりカジュアルに見えます。
「●」だけがドット柄ではない
遠くからはドット柄に見えますが、よく見てみると花柄のネクタイです。
小紋タイに分類されることもありますが、この程度のものならビジネスにも十分に使えますし、手持ちのネクタイとも被る可能性はさらに少ないでしょう。また、女性からのプレゼントとしても合うと思います。
理由4:面倒な慣習に引っかからない
冒頭に「ネクタイのプレゼントには面倒な慣習が無い」と書きました。確かにプレゼントという行為においてはそうなのですが、ストライプのネクタイについて、この様な説明を見聞きしたことはないでしょうか……?
- ネクタイの柄である「ストライプ」は、「レジメンタル」ともいう
- レジメンタルとは「聯隊(連隊、れんたい)の」という意味
- 古くは氏族、近年でも軍隊、大学、クラブ等の出身を表す柄として用いられる
- 安易にストライプのタイをつけると、出身を偽ることになりかねない
- 特に欧米では気を遣うべき
この話をどこまで信じ墨守するかは人それぞれだと思いますが、男性のファッションはこういった「物語」や「由来」などが重視される分野であり、それらがファッションの楽しみの一つであるのも確かです。
贈る相手がそういう慣習を気にしないなら良いでしょう。しかし、単に知らないだけなら、今の時代ネットで見かけたり、または会社の研修で「マナー講師」の講釈でネタにされるかも知れません^^;
その点、ドット柄なら、こういったことに引っかかることもないわけです。
理由5:ドット柄はビジネスとの相性が良い
プレゼントするからには、やはりそのネクタイを沢山つけて欲しいですよね。
ドット柄は、日々のオフィスワークはもちろん、式典から謝罪対応まで幅広く使う事が出来ます。
ビジネス用のネクタイを一本も持っていない状況で、どのネクタイを買うかといわれたら、私はドット柄を買うと思います。ドット柄のネクタイは、つけている人をとても誠実な人に見せるからです。
ドット柄ネクタイの選び方
最後に、ドット柄ネクタイの選び方を考えてみました。
① 色を選ぶ
ビジネス用途としては、紺色がメインになろうかと思います。
しかし茶色も、水色のシャツや紺色のスーツととても相性が良いですし、先述したとおり流通量も少ないため、手持ちと重複する事も少なくオススメです。
② ドットの大きさと間隔
大きさ
先述したとおり、大きければカジュアルに、小さければクラシカルに見えます。また、大きい方が若々しく見えます。
間隔
ドットの間隔も印象に大きく影響します。
比較的小さなドットでも、密集させてドットの色(白部分)の面積を沢山取ることで、カジュアルな印象を与えるものもあれば、密集していたとしてもドットのサイズを極小にする事でクラシカル見える事もあります。
ポイントは、ドットの面積が生地のどのくらいを占めるか、だと考えます。
③ ドットの形
ドットは「●」に限らないことは先述した通り。もし「●」だけじゃ面白みが無いというのであれば、ドット柄に近い花小紋のタイもオススメです。
また、花以外にも小さい文様など、様々な形があり、それらはドット柄と似た様な性質を持ちます。
④ 大剣幅や縫製にも注意
これまで柄の話しか取り上げませんでしたが、念のため。
ネクタイは、柄や生地の質感はとても重要ですが、サイズや縫製についても考えておく必要があります。
楽なのはセレクトショップオリジナル
「店頭で品質を一々確認出来ない」というのであれば、セレクトショップのオリジナルネクタイがオススメです。
縫製も一定水準以上で、サイズもイマドキのものしか並んでいませんし、一部のブランド物に見られる奇をてらった生地やサイズのものもありません。
金額も8,000円くらいから1万円台前半位と、比較的リーズナブルなうえ、ブランドとしての知名度もそこそこあるため、この価格帯を考えていたならかなりの高コスパです。
簡単なチェック方法
それでも自分で選びたいというのであれば、大剣幅と縫製の2つは最低限見ておくと良いと思います。以下、私がよく確認している方法を共有します。
まずは大剣幅。近頃のトレンドは8.2cm~8.5cm程度(海外ブランドはもう少し太い物が多い印象です。)。8センチを下回ると細く、9センチを上回ると太いという感覚です。
とはいえ、ネクタイの幅は流行の変化に伴い(スーツの下襟――ラペルの幅と連動して)どんどん変わりますが……。
これだけで縫製が良いとは言い切れないのですが、目安になるのがこの方法。
ネクタイの大剣が綺麗な二等辺三角形になっていれば、少なくとも大剣の見栄えはかなり良くなりますし、品質のコントロールがある程度出来ている証左になります。
あとは、店員にその場で結んでもらい、綺麗なディンプル(結び目直下の凹み)が入るかどうか、結び目の形は綺麗かを確認するくらいですかね……。
まとめ
長くなったのでまとめます。
- ネクタイのプレゼントは難易度が高い
- それでもプレゼントするなら、次の5つの理由からドット柄(水玉模様)がオススメ
- 何にでも合わせやすいのにお洒落
- 手持ちのネクタイと被りづらい
- 派手にも地味にもなる
- 面倒な慣習に引っかからない
- ビジネスとの相性が良い
- ドット柄のネクタイは、色、ドットの大きさと間隔、ドットそのものの形に注目して選ぶ
ドット柄は地味とか、面白みが無いとか、プレゼントとしてはマイナスのイメージがあるかも知れません。
しかし、選び方によってはそれらのイメージを払拭することが出来ると思いますし、逆に印象に残るプレゼントになるのではないかと思いました。
プレゼントにも、自分用にも、是非ドット柄を試してみてください。