これまで、パンセレラ、ハリソン、福助、SEEK、タビオ(Tabio)、無印良品等々、多数のロングホーズ(ハイソックス)をレビューしてきましたが、今回はナイガイの「Traditional F&H ロングホーズ」をレビューします。
この製品は、いつもコメントを下さる読者の方からオススメされたものです(ありがとうございます)。
自費で購入し、着用してみて、良い点/気になる点、どんな方にオススメなのかを考えてみました。
1.外観レビュー
Traditional F&H ロングホーズ(以下F&H)は、今回購入した綿混に加え、秋冬向けの毛混、カシミア混との3種類があるようです。(秋冬向け製品は、公式だと在庫切れなので、今の時期は実質1種類。)
そして、サイズは22-24、24-26、26-28cmの3種類に、ブラウン、ミッドナイトブルー、グレー、ブラックの4つのカラーバリエーションがあります。
定価は国産ロングーホーズとしては高価格帯の2,750円/1足です。ただし、記事初出時点でもAmazonで20%OFFクーポンが出ているなど、割引販売はよくされているようです。
今回は割引き中ということもあって、思い切って全色購入してみました。(とはいえ、4色買ったのは色味が気になったから、という「人柱病」が主だったりしますが^^;)
半世紀以上のロングセラーなのだそう。ただ、web、雑誌、通販サイトでもあまり見かけたことはありませんでした。
Japan Quality認定商品。(参考:J∞Quality公式サイト)
金属や糸の留め金ではなく、剥がしやすく処分しやすい紙製の留め金(紙)です。
地味に嬉しい。
特徴的なのがこのフォルム。 ふくらはぎ部分がかなり強い曲線になっています。
当サイトでこれまで第一選択のロングホーズとしてオススメしてきた、ハリソンのワイドリブロングホーズと並べてみます。
明らかに強い弧を描いています。
トルソーに着せてみます。
矢印の3カ所が、それぞれ違う編み方になっているのが分かります。これが「ずり落ちない」を実現しているのだそう。
つま先とかかと部分のアップ。綺麗に接合されており、Japan Qualityを標榜する(正しくは認定される)だけのことはあります。
ふくらはぎの部分は綺麗なリブ編みで、アキレス腱にかけてのくびれが強調されます。
しかし注目したいのは表側で……
このように、細かいパール編みになっており、ストッキングのような光沢感もあります。
裏面のリブ編みとのコントラストが美しいですね。
2.良い点
続いて、実際に着用してみて感じた、F&Hの良い点をご紹介します。
①とにかくずり落ちない
製品名「F&H(Fit and Healthy)」のFitが示すとおり、まさに足にフィットしてずり落ちません。
これは、「ずり落ちない」を謳うソックスによくある「口ゴムを強化しただけ」ではなく、特殊な編み方とフォルムによって、ふくらはぎはじめ足全体をしっかりホールドする作りになっているため、履き口で傷みを感じることがありません。
だらしないサラリーマンの「あるある」として、トラウザーズ(ズボン)の裾から覗く靴下が、ずり落ちて蛇腹状になっている、というのがありますが、本製品はそういった不安を全く感じさせません。
②加圧感が心地よい
①と関連しますが、ふくらはぎのホールド感を高めた結果、心地よい加圧感があります。
デスクワークが続くと、足のだるさやむくみが気になりますが、気のせいかこれらが発生しないように感じました。
③汗でベタつかず、風通しが良い
F&Hは、足にピタッと張り付くことに加え、シャリ感が強い生地で作られています。 従って、汗でベトつかず、かつ風通しも良く、靴と足、トラウザーズとふくらはぎの感触がサラサラして良好です。
ステテコを履いていないのに、「ふくらはぎまでステテコがある?」という感覚になります^^;
④美しい
意外だったのは、履いた足が美しく見えること。
強撚糸(強くよった糸)で編まれたような生地をしていて、不思議な光沢感があります。
また、外観レビューでお伝えしたとおり、ふくらはぎからアキレス腱に掛けてはリブ編み(縦縞)、脛(すね)の部分はパール編みになっていて、これも良いアクセントです。(リブ編みがふくらはぎの膨らみとアキレス腱のくびれ具合を、パール編みが脛のストレートさを強調します。)
3.気になる点
一方で、気になる点もあります。
①圧迫感
これは、良い点「②加圧感が心地よい」の裏返しになりますが、人によってはこの加圧感が苦手な方もいるでしょう。
特に、ウールソックスの「優しく包まれる肌触り」とは対極にある感覚です。
スポーツをやっている方など、ふくらはぎが発達している場合は、さらに感じ方が強くなるかも知れません。
②履きにくさ
こちらも良い点「①とにかくずり落ちない」の裏返しで、これまで履いたロングホーズの中ではもっとも履きにくく感じました。
とはいえ、一時の話ですし、「履きやすいがずり落ちる」に比べるまでもないメリットがありますので、個人的には許容範囲です。
③価格
他の国産ロングホーズに比べて高価な点は、一番のマイナスかも知れません。
これまで、私が第一選択としてオススメしてきたハリソンのロングホーズは実売価格で1,500円/1足、次点でオススメしてきたTabioのロングホーズが1,300円/1足程度なのに対し、F&Hは2,750円/1足と倍近くの価格です。(価格はいずれも記事初出次点のもの。)
ただ、F&Hの定価は2,750円ですが、楽天やAmazonでは度々値引きやクーポン付販売がされていて、だいたい8割くらい価格で購入可能ですが、それでも2,200円とお高めです。
ただし、このずり落ちなさや加圧感の心地よさは、ハリソンやTabioにはありません。 これが好きな方にとっては、この価格差は許容出来ると感じました。
比較
4.こんな人にお勧め
上記良い点/気になる点から、こんな方にオススメ、というのを箇条書きで纏めてみます。
- ロングホーズの「ずり落ち」に困っている
- 足のむくみに困っている
- より足を美しく見せたい
- 夏場、足回りのベタつきに困っている
- 以上を解決するために、追加で数百円高くなっても構わない
5.あとがき
ナイガイというと、百貨店で売られている靴下やストッキングのイメージ(=割高感)が強く、これまで手を出してきませんでした。
たしかに、価格だけみると割高に感じますが、実際に購入して履いてみると、その価格に見合うクオリティを感じることができました。
新入社員や若手に、「とりあえずお勧め」とは言えませんが、ある程度余裕が出てきた30代以上の中堅層で、ずり落ちが~、ベタつきが~等々で困っている方は、ぜひ手を出してみてください。
ちなみに、ナイガイはタビオと昨年11月に資本提携し(タビオがナイガイ株の1割を保有し筆頭株主に)、今年の5月には初のコラボ製品を発売しました。 売れ筋ではないので難しいかも知れませんが、ナイガイの技術でより普及価格帯のロングホーズを発売するなど、今後のコラボに期待したいと思います。