皆さんの会社では、社員証(IDカード)着用の義務はありますか?
私の会社では、社屋への入退館はもちろん、フロア間の移動、果ては複合機の利用まで、IDカードをかざす必要があり、常に着用しています。
先日、質問箱へ以下の質問をいただきました。(ありがとうございます!)
いつも参考になる記事をありがとうございます。
早速ですが、「社員証によるスーツのダメージについて、なにか対策はされていますか?」というお話です。
私の勤める会社では、社員証をネックストラップで首から下げることが義務付けられているのですが、これがなかなかのクセモノです。
まず、ネックストラップがスーツの上襟を擦り、毛玉や擦り痕をつけます。 さらに、胸前にぶら下がるカードホルダ/金具がラペルやネクタイを擦り続けるのです。怖くてシルクタイなんか締められたもんじゃありません。
同じように悩んでいる方がいらっしゃるのではないかと思い、投稿させていただきました。見解をお聞かせいただければ幸いです。
――ritさん より (※傍線は筆者)
ということで、今回は社員証によるスーツ/ジャケパンへのダメージについて、対策も踏まえつつ考えてみたいと思います。
はじめに
まず、今回の質問を2つの観点に分けたいと思います。
- ネックストラップによる被害
- カードホルダーとリールの金具による被害
それぞれについて、どの様な問題と対策があるのか、参考までに私が何をしているのかも併せてご紹介します。
ただし、大前提として、昼食や飲み会での食べこぼし、胸ポケットへのペンやスマホを入れたことのダメージ(胸ポケットは飾りなので、本当は入れない方が良いです)、会議テーブルに肘をつく癖があることでのダメージ等々、優先対処すべき問題を解決した上で、追加的対策として挑戦してみて下さい。
ネックストラップへの対策
市販の社員証用のネックストラップは、多くがポリエステルの平紐で作られています。
生地としては硬いポリエステルの平紐と、スーツの生地(多くはウール、ウールポリエステル、ポリエステル)が擦れると、少しずつですがスーツに毛玉ができます。
対策① スーツの上からストラップを掛けない
まずは運用上の対処ですが、ジャケットの中、つまり社員証をシャツに掛けた上で、その上からジャケットを羽織る方法があります。
ただし、立っている際はジャケットのボタンをしめるのがマナーですから、これにより社員証がスーツの中に隠れやすくなったり、見た目に格好が良くなかったりするので、完璧な解決策では無いかも知れません。
対策② ウエストコートを着る
一方私は、ウエストコート(ベスト、ジレ)を着ることがほとんどで、ジャケットの内側(ウエストコートの上)に社員証を掛けていても問題は起きていません。
ウエストコートには上襟はありませんからウエストコートとストラップが擦れることはありませんし、マナー上もウエストコートを着用している場合は立ち/歩行時もジャケットのボタンをしめる必要がありません。そのため、ウエストコートの上から社員証を下げていたとしても、しっかりと見えるわけです。
対策③ 革製のストラップを使う
ウエストコートを着用しない場合の対策も考えてみます。
オススメは、ポリエステルのストラップをやめて、革製(合成皮革を含む、表面がツルツルしたもの)にすることです。
革製であれば、表面がツルツルしているため、ジャケットの生地を傷めることが少なくなります。実際に合成皮革のストラップを愛用している同僚にも聞いたところ、毛羽立つことは無いとのことでした。
また、革製の方がポリエステルよりもシックに見えると思います。できれば、ベルトや靴と色を合わせると良いでしょう。
△ 革製ストラップを用いたIDホルダーの例
カードホルダーとリール金具への対応
続いて、カードホルダーとリール金具がネクタイやラペル(下襟)を傷つける、という悩みへの対応を考えます。
個人的には、カードホルダーへの対応は簡単だと思うので、さきにそちらから行きましょう。
対策①「バリ」の少ないカードホルダーにする
カードホルダーがネクタイを傷つけるのは、一般的にホルダー外周部のバリ(鋭利になっている部分)が原因です。
実は、業務で何種類かのカードホルダーを扱ったことがありますが、おおよそ値段に比例してバリは鋭利になる傾向にあります。もちろん、安い方がバリだらけです^^;
△ 左側の普段私が使っているカードホルダー(ソニック製)は丸みがあり安全。右は一般的なもの。
なお、カードそのものが取り出しにくくなりますが、最近は非接触での認証がほとんどだと思いますので、革製(合成皮革を含む、表面がツルツルしたもの)のホルダーにしてしまうのも手です。
対策② リールを取ってしまう
続いてリールの金具について。
すこし使いにくくなりますが、リールを取ってしまうのも手です。
特に、ストラップとカードホルダー両方を革製にしている場合、リールのみがプラスチックになってちぐはぐに見えてしまう事も。
もし、一日に何回も非接触認証をしない環境であれば、不要でしょう。
対策③ 金具を使わないタイプにする
リールの中にも、金具を使わずオールプラスチックのものも存在します。
比較的鋭利な部分が少ないため、リールだけを交換するというのも手です。
対策④ ウェストコートを着用する
ネックストラップの対策とも重複しますが、ウエストコートを着用するのも解決方法としてはオススメで、私も①と併用してこれを採用しています。
やはりネクタイに使われるシルクはとても脆弱(ぜいじゃく)で、少しのこすれでも毛羽立ちが増えます。これは上質なネクタイであればより顕著です。
ウエストコートを着用していれば、ちょうどカードホルダーやリールとネクタイがふれあう部分がウェストコートでカバーされるので、擦れる心配は無くなります。
なお、(ネクタイの)シルクより(ウエストコートの)ウールの方が汚れに強く、ウェストコートはクリーニングをしても大丈夫ですから、懇親会の際にもウェストコート着用の方が安全だと思っています。
おわりに
今回は現代ビジネスマンの必需品、社員証(ID)がジャケットやネクタイにもたらす影響とその対策について、ご質問へ回答してみました。
皆さんがとっている対策、また、別のお悩みなど、宜しければコメント欄からお寄せ下さい。(新しい質問は、質問箱からでも、コメント欄からでもどちらでも結構です。)