ビスポーク(オーダースーツ)

オーダースーツで選ぶと後悔しがちな生地4選(秋冬編)

投稿日:令和5年(2023) 10月9日 

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だいぶ涼しい日が多くなりました。そろそろ秋冬物のスーツ/ジャケットを新調しようという方も多くなってきたと思います。

今回は少し挑発的なタイトルですが、私自身が過去に失敗した経験から、この時期のオーダーで後悔しがちな生地選択について考えます。

1.光沢が強すぎる生地

一つ目は、派手な光沢がある生地です。

光沢は、スーツの高級感に繋がります。当然、光沢があった方がラグジュアリーに見え、秋冬の厚手の生地には、光沢感が強いものが多く揃っています

しかし、ことビジネススーツにあっては、光沢が「ありすぎる」のも考え物です。というのも、周囲からかなり浮いて見えたり、あるいは水商売的な雰囲気になってしまうためです。

ファッションは、自分の着たい物を着れば良く、そういうスーツを着たい方は別に着れば良いと思うのですが、問題は「自分をどう見せたいか」という点です。

自分を真面目なビジネスマンに見せたいのか、派手好きの富裕層に見せたいのか。後者であれば、派手な光沢がある生地は最適と言えますが、前者の場合は(程度問題ではありますが)気をつけた方が良いです。

また、バンチブック(生地見本帳)では光沢度合いがあまりよく分からないので、できれば現物を肩から掛けて、自然光に当たる場所で確認すると良いです。

 

2.厚手すぎる/重すぎる生地

近年では差は小さくなったとは言え、スーツの生地は季節によって厚さが異なります。当然、秋冬物の生地は厚手の物が多くなります。

さて、オーダースーツになれてくると、少し極端な生地に手を出し始めるようになります。理由は、少し遊んでみたいとか、吊し(既製品)に無い生地を選びたいとか様々です。

そこで陥りがちなのが、極端に厚手の生地に手を出してしまうこと。スーツ好きの方には共感いただけると思うのですが、この厚手の生地、悪魔的な魅力があるのです。

生地にコシがあって、よく詰まっていて、丈夫そうで、高級そう、そして他の人が着ていなさそう。

そういう観点から厚手すぎる生地を選んでしまいがちなのですが、失敗すると真冬しか着られず、厚手すぎて着心地が悪いスーツが出来上がります。

極端すぎるのは良くない、と言う事ですね……。

 

3.柔らかすぎる生地

それでは、冬らしい厚手の生地でも、柔らかい生地なら着心地も良く最適な選択なのでは……? というと必ずしもそうではありません。

スーツはジャケパンと違い、上下に同じ生地を使います(だからsuitなわけですが。)

そして、柔らかすぎる生地は耐久性に乏しいことが多く、ズボンの生地として適していません。例えば、膝の部分が出てきてしまったり(膝が抜けると表現します)、ほつれが早かったりといった具合です。

1シーズンしか着用しませんというお金持ちなら問題無いですし、ジャケットやコート用としては向いていますが、厚手で軽い生地はスーツ用としては適さないことがあるので注意します。

 

4.茶色の生地(個人差、環境差あり)

ファッション全体として、秋冬っぽい色と言えば茶色です。

スーツにも茶色系統の生地が豊富で、ファッション誌を見ると茶色のスーツを颯爽と着こなすイケてる外国のオジサマが数多く出てきます。

ただ茶色の生地は、若手で、ビジネスシーンで、日本人の肌色で、となってくるとかなり注意を要する色だと思います。

私も何度か挑戦しましたが、コーディネートの技術不足か、自分の年齢や雰囲気に合わないのか、その両方か、着用回数が少ないままもったいない思いをしました。

そして今はジャケット単品でしかこの色を選ぶことはありません。もうすこし年を重ね、渋みが出てきたら挑戦してみようと思います。

 

おわりに

繰り返しになりますが、ファッションは自由であって、着たい物を着るのが前提です。ただ、ことビジネス用途スーツについては、自分をどう見せたいかという観点(セルフブランディングの観点)もビジネスマンにとっては重要です。

もちろん、失敗を恐れる余り安全な選択肢のみを選び続けるのは、それはそれで面白くも無く、時に冒険は必要だと思いますし、それがオーダースーツの楽しみでもあるのですが、事前に情報としてこういうデメリットがある、ということを知っておくことも、限りある資金を有効活用するために重要だと思い記事にしてみました。

みなさんには生地を選ぶ上で後悔した経験はありますか? よければコメント欄から体験をお寄せ下さい。

 

 

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