皆さんは、仕事での宿泊出張はありますか?
先日、出張用の携帯電気シェーバーを購入しました。候補を2まで絞ったのですが、結局1つに決めきれず、両方買って試してみることにしました。
ということで、今回は携帯用の電気シェーバーについて考えてみます。
1.軽くて小さい電気シェーバーが欲しい!
いつも出張の前日に思うのが、電気シェーバーがかなり嵩張ると言うこと。
上の写真は両方ともPhilips製の電気シェーバーケースです(右が現行のシリーズ9000、左が先代)。各社とも、早剃りと肌への負担を減らすため、ヘッド(刃の部分)を大きくする傾向にありますが、その副作用としてどうしてもサイズが大きくなってしまうのです。
出張は、旅行の道具に加え、仕事用の書類やPC、業種によっては各種サンプルなど、とにかく嵩張ったり重かったりするのが多いものです。
そのため、荷物は極力減らしたいのですが、この電気シェーバー、一日に3分くらいしか使わないのに、鞄の中にデーンと鎮座していました。
高性能なシェーバーをせっかく買ったのだから……と、いままでだましだまし連れて行っていましたが、とうとう我慢の限界が^^;
そこで、新しく携帯用の電気シェーバーを購入することにしました。
2.絞り込んだ2製品
今回は、以下の基準で製品を絞り込みました
- 持ち運びを楽にしたい
→ 軽く、かつ手のひらにおさまるサイズであること - 列車内/社内のトイレや化粧スペースで他人の迷惑になりたくない
→ 動作音が静かであること - 出先でプレシェーブローションが無くても使える
→ 肌に優しいこと - 人に見られても恥ずかしくない
→ 見た目も良いこと - 落としたり無くしたりするリスクをふまえる
→ 予算は3千円以下であること
かなり厳しい項目が並びますが、2つの製品に絞り込みました。それが、IZUMI(泉精器)のIZD-210と、PhilipsのPQ220です。
どちらを買うか迷いました。両機とも比較的似た様な立ち位置なので、比較レビューが無いか探したのですが結局無く。そこで、本サイトの人柱レビュー用と割り切り、躬行実践、実際に両方買って試してみることにしました。
3.レビュー①:IZUMI IZD-210
フォトレビュー
電設メーカーとして有名な泉精器ですが、実は隠れた老舗シェーバーメーカーです。(かつてセイコーのシェーバーもOEM供給していました。)
パッケージを開けたところ。左から取説、携帯用袋(手入れブラシ入り)、本体、キャップです。
Amazonから購入し、2,500円でした(リンク)。
この近代的なフォルムが一番の特徴。棚に飾っておいても、シェーバーだとは分かりません^^;
中をのぞき込むと、3つの回転刃が見えます。
分解したところ。左から本体、回転刃、外刃と、至って単純な構造です。
動力は、旅先で確保しやすい乾電池です。単2型の電池を1本を筒の中に入れます。
使い方は簡単。首元についている白いスイッチをスライドさせると、刃が回転します。そのまま、肌と直角になるようにして、逆ぞりの要領で剃るだけ。
なお、単2をいれると公称90gが162g(実測値)になります。重さが気になる方は、千円くらい高くなりますがスペーサー入りのIZD-210Uを買うか、単独のアダプターを買うかして、単3電池を使うと良いでしょう。
使用感レビュー
剃り味
まず感じたのが、やはり時間がかかる……ということ。まぁ、普段大きな面積のフラッグシップ機を使っている以上、仕方が無いです。
時間にして、普段の1.5倍くらいかかりました。慣れればもっと早く剃れるかも?
ただ、狙ったところを的確に剃れます。例えば目のまわりの産毛など、通常の電気シェーバーでは眉毛を誤って剃ってしまうのではないかと怖くなりますが、こちらはピンポイントでいけます。T字カミソリよりもこの点は優秀です(普段のグルーミングにも、補助で使えるかも)。
また、深ぞりもPhilipsのPQ220より得意だと感じました。
肌への負担
さすがは回転刃。出張先で安いT字カミソリや小型の往復式電気シェーバーを使うととてもヒリヒリしますが、そんなことはありません。
音
これは本当に静かです。実は小型の往復式髭剃りを会社に常備していたのですが、本当に天と地の差があるくらい静かです(あとでご紹介するPhilipsのPQ220よりも静か)。
手入れ
頭の部分を廻し、刃を取り出すだけでとても簡単です。ただ、頭の部分はネジ式になっていて、この溝に剃りカスが溜まるので、掃除に少しコツが要ります。
4.レビュー②:Philips PQ220
フォトレビュー
回転刃のシェーバーで世界的に有名なフィリップス。わたしもフィリップスのシェーバーを(フラッグシップ機が殆どですが)学生時代から愛用してきました^^;
去年も、シリーズ9000を当サイトでレビューしました。
箱を開けたところ。左から取説、充電コード、ケースと本体です。こちらもAmazonで購入しましたが、価格は2,800円とIZD-210よりも若干高いです。(リンク)
IZD-210は乾電池式でしたが、こちらは充電式です。重さは実測で142g。IZD-210よりも20g軽いです。
IZD-210は1日3分で80日間、こちらは10日間使用出来ます(取扱説明書より)。繰り返し充電できるため経済的ですが、1週間を超えるような長期出張には、充電コードを用意した方が良さそうです。
こちらも回転刃ですが、先ほどと異なる点が3つ。
1つめ。IZD-210が全面で剃るのに対し、こちらは輪になっている部分だけで剃ります。従って、Philipsの電気シェーバーを使ったことが無い方にとっては、ある程度慣れが必要です。
2つめ。とはいえ、剃れる範囲が広いため、慣れればこちらの方が早く剃れるでしょう。
3つめ。この回転刃、実は上下左右にサスペンションがついていて、肌に沿って動きます。IZD-210にはこの機能がありません。押しつけても引っ込むため深ぞりはしにくくなりますが、肌には圧倒的に優しくなります。
ヘッド部分を外すとこんな感じ。日常の手入れはこれだけで十分なので、IZD-210よりも簡単です。
ただし、真剣に手入れをしようとすると、部品点数が多いので逆に手間がかかります。ただ、IZD-210と違ってオイルの注油が要らないようで、この点はメリットです。
使用感レビュー
剃り味
IZD-210に比べると、刃の範囲が広く、早めに剃れます。刃も上下左右に沈み込むため、肌にフィットした剃り心地が味わえます。私がフィリップスのユーザーだからかも知れませんが、剃り心地はこちらの方が上に感じました。
一方、先述の通り深ぞりはIZD-210に軍配が上がると感じました。
なお、手に持った感触は、こちらのほうが上だと思います。IZD-210は小さな金属ボディ、かつ硬く重いため、幅広で握りやすいデザインのPQ220が扱いやすく感じます。(冬場の寒い時期もこちらの方が心地よいでしょう。)
肌への負担
回転刃がストレス無く動くためか、IZD-210よりも肌のダメージは少ない様に感じます。
音
往復式に比べれば格段に静かなものの、フィリップスのシェーバー特有の、金属が擦れる音が聞こえます。IZD-210の方が、静かです。
手入れ
ワンタッチで頭が取れるため、IZD-210よりも掃除が簡単です。
また、注目すべきは自動研磨のヘッドです。IZD-210の刃の寿命は1年ですがこちらは2年。しかも、自動で研ぎ続けるため、そり味が落ちないという触れ込みです。(実際に当機を長期間使ったわけではありませんが、他のフィリップス製シェーバーを使ってきた経験から言えば、そり味が落ちにくいのは確かだろうと思います。)
5.まとめ&使い分けを考える
同じ携帯電気シェーバーかつ回転式ですが、それぞれ特徴があることが分かりました。そこで、シーン別にオススメ機種を考えてみます。
その1:使用頻度が多い場合
PQ220です。
ポイントは3つ。充電式で経済的であること、自動研磨ヘッドでそり味が落ちにくいこと、そしてなによりPQ220の方が(慣れれば)早く剃れることです。
その2:職場の緊急時にしか使わない場合
IZD-210です。
出張もたまにしか無く、会社で使うにも徹夜したときや夜の接待やデート前にそり残しを見つけたとき……等々、あまり使用頻度が多くない場合です。
こちらのポイントも3つ。乾電池さえ有ればすぐに動くこと、局所的な剃りが上手いこと、会社の引き出しでも縦置きで嵩張らないことです。
その3:回転刃は初めて、という場合
IZD-210です。
1週間くらい余裕がある(毎日使って慣れる事が出来る)なら、PQ220でも良いですが、そうでないならIZD-210の方がオススメ。IZD-210も回転刃ですが、全面で剃れるからか、比較的往復刃の電気シェーバーに近い動きでも、剃りやすいからです。
なお、この点はフィリップスも認めているようで、取説には3週間(最低1週間に3回)以上使い続けないと慣れない旨の記載があります。
その4:会社と出張用の2台持ちなら……
会社:IZD-210、出張:PQ220
置き場所に困らず、乾電池駆動、静かなIZD-210を会社用に、軽く、出張先の朝に早く剃れるPQ220を出張用に、という組み合わせです。
両方買ってみましたが、どちらも無駄にならず、このようにそれぞれの役目が決まりました。
6.おわりに
電気シェーバーは、その性能が激しく競われている(ようにみえる)高級機種ばかりに目がいきがちでしたが、安価な小型機種に、こんな素晴らしい製品が隠れていたのは正直驚きでした。
もちろん、フラッグシップ機から比べると、剃るスピードや剃り心地に劣ることは確かです。しかし、出張用や、職場での緊急用というシーンから考えると、実用的で必要十分な機能があることが分かりました。
出張の多い方、営業職などお客様と対面するシーンが多い方は、身だしなみの一環として小型シェーバーを活用してみると良いかも知れません。